2021/12/03
こんにちは。院長の谷田です。
年末年始の準備でバタバタと忙しいこの季節。
その中でも、恐らく皆さんも行う大掃除ですが、
もともとは12月13日になると行われていた
「すす払い」という行事が由来となっており、
「正月事始め」の一環として
新年を迎えるための習慣だったそうです。
そんな年に一度の大掃除ですが、
実際には日頃からこまめに掃除をしていれば、
手間も時間も少なく済みます。
そしてそれは、歯のお掃除も同じこと。
実は、普段からお口の中をきれいな状態にできていないと、
お口の中の細菌がどんどん増え
『歯周病』や『むし歯』のリスクが確実に高まります。
特にタバコを吸う方は、
『歯周病』に対して十分な注意が必要です。
そこで今回は、
タバコとお口の関係についてお話したいと思います。
◆気づいたときにはもう手遅れ
歯周病を「ただ歯ぐきが腫れるだけの病気」
と考えている方がいらっしゃいますが、
それは大きな間違いです。
歯周病は
歯と歯ぐきの間に歯周病菌が入り込み、
腫れや出血を伴いながら、
やがては歯を支える骨を溶かしてしまう
恐ろしい病気です。
骨が溶けてしまうと、
当然それに支えられていた歯は抜けてしまいます。
実は、歯が抜けてしまう原因のNo.1は、
「むし歯」ではなく
「歯周病」なのです。
歯周病で歯を失う原因としては
「自覚症状の少なさ」が挙げられます。
唯一とも言える自覚症状は「歯ぐきの出血」。
もし、出血がいつまでも続いているようだと、
歯を支えている骨が溶け始めている可能性が高いので、
今すぐにでも歯科に相談してください。
ところが、
そんな唯一の自覚症状とも言える
「出血」すら気づかなくさせるのが「タバコ」です。
タバコに含まれる有害物質は、
歯ぐきの血流悪化を引き起こし、
出血しにくくなるため
歯周病に気づきにくくなってしまうのです。
それだけではありません。
血流が悪いということは、
細菌と戦う力が衰えることを意味しますので、
歯周病菌がどんどん増えていきます。
「ようやく気づいたころには、
もう骨がすっかり溶けてしまっている」
喫煙者にはこうしたリスクがあることを
しっかり覚えておいてください。
◆全身疾患につながる可能性も…
このように、タバコは歯周病を悪化させますが、
歯周病の悪影響は口腔内だけではありません。
歯ぐきから侵入した細菌が血管に入り、
全身にまわることで、
・心臓疾患
・脳血管疾患
・認知症
・糖尿病
・がん
・早産
・低体重児など、
様々な病気に関わっていることが知られています。
このように、タバコは肺がんや歯周病だけでなく、
全身疾患を悪化させる引き金になり得るのです。
◆禁煙は歯の治療に大切なこと
「自分はもう歯周病になってしまったから
関係ない!」
と思われた方も、まだ遅くありません!
ある程度進行した歯周病にも禁煙は有効なので、
ぜひチャレンジしてみましょう。
禁煙をすると歯ぐきの状態が回復して、
歯周病のリスクが下がります。
さらに、
歯周病を予防することが全身疾患の予防になり、
ひいては健康な人生をおくることにもつながっていきます。
また、喫煙をしている方は、
自覚症状が少ないため、
必ず定期的に歯科で検診を受けてください。
検診では歯周病のチェックのほか、
歯周病菌のすみかとなっている歯石を取り除いたり、
歯にこびりついたヤニを取り除いたりすることもできます。
疾患の早期発見・予防・見た目の改善など、
様々なメリットがありますので、
ぜひ定期的なご来院をお待ちしております。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
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2021/12/02
こんにちは、歯科医師の池田です。
どんどん寒くなってきていますね、
そのため体調管理が難しくなっているなってきて
いますが、鼻炎などの症状が続くと歯の方にも
影響がでてくる病気を今回はお話ししようと思います。
上顎洞炎という病気があり、
これは鼻腔の炎症が上顎洞に拡がる
ことによって起こります。
風邪もそうですが、花粉症などの
アレルギー性鼻炎や蓄膿症などが
続くと鼻腔の炎症が上顎洞に拡がって
いきます。
上顎洞は、顔の骨にある空洞(副鼻腔)の
ひとつで、頬骨と歯の間にあります。
奥歯にかなり近いため、噛んだり、
響くようなこと(走ったり)をすると歯に
痛みがでます。
これは上顎洞から歯に炎症が
広がっているため、歯に原因は
ないのですが歯に症状がでてきます。
このような場合には、耳鼻科での治療が
メインとなり上顎洞炎が治ると奥歯の
痛みも治まっていきます。
逆に歯が原因で上顎洞炎を
起こすこともあります。
歯性上顎洞炎といい口腔内で
発生した炎症・感染症が上顎洞に
波及することです。
主に上の奥歯が原因になります。
歯に細菌がわるさをする状況では、
近くに存在する上顎洞にまで細菌が
広がってしまうことがあります。
その結果、上顎洞にも炎症が
引き起こされ膿が溜まるようになりますが、
こうして発症するのが歯性上顎洞炎です。
歯性上顎洞炎は、上顎洞炎に対する
治療のみで完全に治すことは難しいです。
上顎洞炎の治療を対症療法的な位置付けで
行いつつ、根本的な原因となっている
口腔内の病変に対する治療を行うことが
重要です。
すなわち歯性上顎洞炎の治療は、
口腔内と上顎洞との両方に対して治療を
行うことが必要です。
口腔内の治療は原因となっている
歯の病変を特定することが重要です。
原因となっている虫歯や歯周病が
ある際には、抜歯を含めて歯科的な
治療を行うことが必要です。
病変によって治療法が変わってくるため、
実際に抜歯を行う必要があるかどうかを
含め病状を正確に判断して治療法を
選択していきます。
上顎洞の炎症に対しては、
抗生物質の使用、膿のドレナージ、
上顎洞の洗浄などが行われます。
使用する抗生物質としては、
それまでの経過や原因となっている
菌などの情報をもとに、
ペニシリン系などを
選択することになります。
歯性上顎洞炎が続くと
膿が溜まっていき骨を溶かしていきます。
口腔内と上顎洞の間にある骨を
溶かしてしまうので、口腔内と上顎洞に
穴があき繋がってしまうことがあります。
ここまで炎症や膿が溜まってしまうと、
歯の治療だけでは改善せず、
上顎洞に対しても外科的な治療が
必要になってきます。
急性の場合には、歯の痛みに続いて、
悪臭を伴う膿を含む鼻汁や頬部の
痛みがでます。
慢性の場合には、
歯に膿がたまっていても痛みが
少ないため気付きにくくなっています、
そのためレントゲン写真を撮って
気付く場合もあります。
定期的にレントゲン写真を
撮ることで、前の写真と比較し、
膿がたまってきているのか、
骨が痩せてきていないかを
チェックすることが大切です。
特に慢性の場合には、症状が
出にくいため定期健診などの
レントゲン写真が重要になってきます。
定期健診の際、レントゲン写真を
撮らせてもらいチェックをしていますので
気になる方は気軽に質問してくださいね。