2024年9月:タニダ歯科医院ブログ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

噛めること飲み込めることの大切さ

酷暑が終わり熱帯夜がなくなり、秋が近づいてきたことを感じますね。

こんにちは、訪問専任歯科医師の西川です。

 

皆様、死因ランキングと言われ思い浮かぶのは、ガン、肺炎、心疾患ではないでしょうか?

次に多いのが、不慮の事故です。

年齢階級別にみた不慮の事故による死亡

平成20年の不慮の事故による死亡数を不慮の事故の種類別に構成割合でみると、窒息が24.7%で最も多い。年齢(5歳階級)別にみると、5~9歳から65~69歳までは交通事故が最も多くなっている。また、年齢が高くなるにつれて、転倒・転落や窒息が多くなっている。(図9、統計表第9表)

 

図9 年齢階級別にみた不慮の事故の種類別死亡数構成割合 -平成20年-

 

このように中高年からの世代は年齢が上がるにつれ、交通事故よりも窒息死の割合が増えていきます。

ご自身やご家族が窒息で亡くなることのないよう、まず飲み込み具合などのチェックをしましょう。

詳しくは、

タニダ歯科ブログ2022/07/21「安全に美味しく④〜摂食・嚥下障害の評価〜」

をご参照ください。

もし、セルフチェックで嚥下機能に問題があったり、問題はなくとも機能維持向上のために体操もしてみましょう。

やってみよう、嚥下体操
ある程度からだに負荷をかけないと機能訓練にはなりませんが、ハリキリすぎて、肩や首を痛めてしまっては本末転倒です。
実際に行う際には「無理や痛みのない範囲で」を心がけて、周囲の人やものとの感覚を十分に考慮しましょう。
嚥下体操は次の9つの項目で構成されています。

  1. 姿勢
    まずは、姿勢を整えて座り、全身の筋肉バランスを整えます。
  2. 深呼吸
    鼻から吸って、お口から吐きます。長く息を吐くようにしましょう。
    嚥下体操を始める前に、気持ちや緊張した筋肉をリラックスさせます。
  3. 首の体操
    嚥下に関係する筋肉は、首に多く集中しています。
    筋肉をゆっくり動かして筋肉をほぐすことで、食べる準備を始めます。
  4. 肩の体操
    息を吸いながら肩を引き上げて、スッと力を抜くように息を吐きながら肩を下げます。
  5. 口の体操
    お口の周りの筋肉をほぐし、動かすためのトレーニングです。大げさにお口を動かしましょう。
  6. 頬の体操
    お口の中に空気をため、ほほを内側から膨らませる筋肉のトレーニングです。しっかり噛むために、また、食べこぼし防止や、鼻へ食べ物が流れ込むのを防ぎます。
  7. 舌の体操
    食べること、そして発音をするために欠かせない舌。咀嚼時、嚥下時の舌の動きを保つことができます。
  8. 発音練習
    「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで、唇や舌を動かします。唇、舌の動きを目的別にトレーニングします。
  9. 咳ばらい
    誤嚥した際に、むせるためのトレーニングです。
    やりすぎてしまうと喉を痛めることもあるので2~3回程度でかまいません。

 

また、セルフチェックと合わせて、歯科医院での定期検診を受け専門的なチェックもお勧めいたします。

お口の衰えは要介護の入り口?「オーラルフレイル」とは

 

こんにちは。院長の谷田です。
今年は9月16日が敬老の日ですね。

 

お年寄りを敬い、
長寿を願う日ということで、
ご高齢のご家族へお祝いをする方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

 

年を重ねても若々しく
元気に過ごしたいものですが、
実は、加齢による衰えと
お口の状態には深い関わりがあるのです。

 

そこで今回は、
心身の衰えにつながりうるお口の機能低下、
オーラルフレイルについてお話ししていきます。

 

 

 

 

◆そのお口の変化
 実はオーラルフレイルかも?

 

食事をしていて、以前よりも
「むせやすくなった」
「食べこぼしが増えた」
と感じたことはないでしょうか。

 

 

 

オーラルフレイルとは、
このような日常で感じる
”お口のささいな衰え”のことで、
「健康な状態」と
「お口の機能が低下した状態」の
ちょうど中間に当たります。

 

この段階で適切な対応を行えば、
元の健康な状態に戻れるのが
オーラルフレイルの大きな特徴です。

 

一方で、日常生活において、
このようなささいな衰えは
「年をとれば仕方のないこと」
と軽視しがちで、
そのまま放置してしまう方
少なくありません。

 

 

 

 

◆放置厳禁!
 オーラルフレイルが要介護の原因に!?

 

オーラルフレイルを放置すると、
その先にはさまざまなリスクが
待ち受けています。

 

たとえば、「噛みにくい」という状態が続くと、
人はおのずとやわらかい食品を
好んで食べるようになります。

 

その結果、噛む筋肉がますます弱くなり、
やがて噛めなくなるという
お口の機能低下に至ってしまいます。

 

このように、はじめは
「噛みにくい」「飲み込みにくい」
だったものが、次第に
「噛めない」「飲み込めない」
という機能低下に至ってしまうのが、
オーラルフレイルの怖いところです。

 

さらに、オーラルフレイルは
お口の問題だけにとどまらず、
全身の衰え(身体的フレイル)にも影響します。

 

ある調査では、オーラルフレイルの人は
そうでない人と比べて、
要介護になるリスクが約2.4倍、
4年以内に亡くなるリスクが約2倍になると
報告されています。

 

 

 

オーラルフレイルが原因で
要介護に至ってしまうと、
元の健康な状態に戻すのは難しくなります。

 

したがって、ほんの少しの衰えも
「年のせい」と軽く見ず、
早め早めに対処していくことが肝心です。

 

 

 

 

◆ささいな変化に気づくことから!
 早期対応が大切です

 

食べこぼしや、むせやすくなるほか、
お口の渇き
普段の会話で言葉をはっきり発音できないなど、
これらに身に覚えがある場合は、
オーラルフレイルが疑われます。

 

 

 

 

大切なのは、
オーラルフレイルを自覚したら
早期の機能改善に取り組むことです。

 

いつまでもおいしく食事を楽しみ、
健康的な生活を送るためにも、
早めに歯科医院で相談し、
適切な指導を受けましょう!

 

 

 

タニダ歯科医院
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