西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

痛みの原因

こんにちは。訪問担当の岩本です。

 

当院の訪問診療は

電話やFAXで受け付けていますが、

その依頼理由として

「どこかが痛むようなので見てほしい」

というものがあります。

 

 

 

 

今回は、口腔の痛みの原因について

頻度の高いものをいくつか

お伝えしたいと思います。

 

 

①義歯による痛み

合っていない義歯や

清掃不十分で不潔な義歯により、

粘膜に炎症が起き

痛むことがあります。

この場合は義歯の調整や

清掃及び管理方法の説明、

必要に応じて義歯の作り直しなどを行います。

 

②歯周病による痛み

歯周病が進行すると、

歯肉の腫れや歯のぐらつきにより

痛みが生じます。

口腔ケアの継続や抗菌薬の使用で

炎症を抑えることにより

楽になることが多いです。

 

③歯根の炎症による痛み

以前に神経をとる処置を行った歯に

多いのですが、

歯根の先(顎の骨の中)で

炎症が起きて

痛むことがあります。

抗菌薬の使用や歯根の再治療、

抜歯などを

状況に応じて行います。

 

④口腔乾燥による痛み

胃ろうや経管栄養の方で、

口腔内が極端に乾燥し

カラカラになっている場合に

多く起こります。

粘膜の老廃物や汚れの乾燥したものが

口の中にこびりつき、

口や舌を動かそうとするだけで

痛みがあるような状態です。

 

言葉による意思表示ができない方で、

口腔ケア時に強く抵抗されるような場合は

乾いた口を触られることによる

痛みが生じている可能性があります。

 

この場合、保湿材を用いて

口腔内を柔らかくしてから

ケアを行うなどの工夫をお伝えします。

 

⑤歯の破折に伴う痛み

加齢により歯質は脆くなっています。

歯の先が欠けたり、

噛む力に負けて歯根が折れて

痛みが出ることがあります。

 

また、欠けた部分の尖端が

粘膜に傷をつけたことによって

出る痛みもあります。

小さい欠けでしたら

少し削って丸めるだけで

解決することもあります。

 

⑥う蝕(虫歯)による痛み

若年者に比べて

頻度は少ないですが、

う蝕の進行により

歯髄炎(神経の炎症)が起きて

痛むことがあります。

 

歯の神経を取り除き、

かぶせ物を作るなどの

処置を行います。

 

⑦顎関節の痛み

歯ぎしり等の影響で生じる痛み、

また顎の関節が

外れてしまったことによる痛み

などがあります。

 

「顎が閉じられなくなった」なら

関節が外れていることが

ありますので、

関節を元に戻し固定を行うなどの

必要があります。

 

 

このように痛みの原因は様々で、

ご家族や介護なさる方が

お口を覗いても

分からないケースも多いです。

 

通院が難しい心身状態で

「歯科医院に行くのが大変…」

という時は一度、

訪問診療を利用されては

いかがでしょうか。