「コロナ禍で急増〜帯状疱疹とは〜」

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

「コロナ禍で急増〜帯状疱疹とは〜」

こんにちは。歯科医師の村重です。

9月はほとんど秋らしさを感じることができずに過ぎていきましたが、

最近になって急に朝晩の冷えこみがでてきましたね。

急激な気温変化は体調を崩すきっかけになりやいので皆さんもお大事にしてください。 

 

ところで、コロナ禍において増えてきた疾患の中に「帯状疱疹」があります。

帯状疱疹の原因は、多くの人が子どもの頃に感染する水ぼうそうと同じ

「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。水ぼうそうが治った後も、

ウイルスは背骨に近い神経に症状を出さない状態で潜んでおり、

加齢や疲労、ストレスなどによって免疫機能が低下すると

ウイルスが再び目覚め、帯状疱疹として発症します。

 

 生活の中で免疫機能が低下すると、背骨に近い神経に

症状を出さない状態で潜んでいたウイルスが再び目覚め、

帯状疱疹を発症します。

このウイルスは、神経を傷つけながら皮膚に向かうため、

多くの場合は、皮膚症状が現れる数日前に痛みが生じます。 

 

帯状疱疹の初期の症状は、体の左右どちらかの神経に沿って生じる

皮膚の痛みや違和感、かゆみなどです。

痛みは神経の炎症によって引き起こされます。

多くの場合、皮膚症状の数日前から1週間ほど前に生じますが、

皮膚症状と同時、あるいはやや遅れて生じることもあります。

痛みは「ピリピリする」「ジンジンする」「ズキズキする」と

表現されるほか、「焼けつくような」と表現されることもありますが、

程度はさまざまです。皮膚症状が現れる前後には、発熱したり

リンパ節が腫れたりすることもあります。

 

 続いてあらわれる発疹は、皮膚の痛みや違和感、

かゆみなどが起こった場所に現れます。

発疹は、最初はわずかな盛り上がりや丘疹と呼ばれる

小さなぶつぶつです。胸や背中、腹部など多くは上半身に現れ、

顔面や目の周りにみられることもあります。

その後発疹は、小さな水ぶくれに変化していきます。

水ぶくれは初め、数ミリくらいの小さなものが数個みられるだけですが、

次第に数を増していきます。新しいものと古いものが混在し、

帯状に分布します。このように水ぶくれ(疱疹とほぼ同じ意味)が

帯状に集まって生じることから、「帯状疱疹」と呼ばれます。

水ぶくれは、血液を含んだ黒ずんだ色になることや

膿がたまることもあります。水ぶくれや膿は1週間ほどで破れ、

その後かさぶたとなり、皮膚症状は3週間前後で治まりますが、

色素沈着や傷跡が残る場合もあります。 

 

 私達歯科の領域においては、三叉神経という神経が

走行している領域(三叉神経第2枝・第3枝)が罹患したときのみ

口腔粘膜にも症状が現れます。

口蓋、舌、頬粘膜、口唇粘膜の順に水疱やびらんがみられます。

 

 

帯状疱疹の発症には、免疫機能の低下が

関係していることが知られています。

加齢や疲労、ストレスなどによって免疫機能が低下すると、

潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化しやすくなります。

また、健康な高齢者でも、加齢により免疫機能が低下していると

考えられます。日頃から十分な休息をとりながら

免疫機能の維持を心がけ、免疫機能を低下させる疲労や

ストレスのない規則正しい生活を送りましょう。

 

※口腔外科学会より画像引用