2023/12/21
こんにちは。歯科医師の秋田です。
世間はクリスマスムード一色になっておりますが
過ぎるともう今年も終わりますね。
今日からまた寒波がやって参りますので
みなさんも風邪をひかないようお気をつけください。
さて、今回は先日臨床で見かけた
薬物性歯肉増殖症についてお話しします。
薬物性歯肉増殖症とは、文字通り薬の副作用によって
歯茎が腫れてしまう病気で現在関連が認められているのは
①抗てんかん薬(一般名:フェニトイン)
②免疫抑制剤(一般名:シクロスポリンA)
③降圧剤(一般名:カルシウム拮抗剤)の3種類です。
①、②は服用中の方は限定的かつ服用に際し
副作用の説明を良く説明されている事が多いです。
③に関しては具体的にはよくわからないと思います
例を挙げるとアムロジピン〈アムロジン〉
ニフェジピン〈アダラート〉
注:〈〉内商品名
と、この記事を読んで下さってる方の中にも
服用されている方がおられると思います。
時には狭心症予防薬として投与されている事もあります。
上記薬によって、様々な新血管イベントから
守られているため薬が悪いわけではありません。
しかし、これら薬服用中に口腔清掃状態が悪い、
すなわち汚れが溜まっている状態が重なると
歯肉増殖を引き起こす事があるとされているのです。
すなわち、薬物性歯肉増殖症とは
薬によって無条件に引き起こされるわけではなく、
歯周病と合わさる事で引き起こされる事が報告されています。
治療法としてはまず徹底したプラークコントロール
(ご自身での歯磨き技術の向上、歯科医院で行う歯の掃除)を
行うことが重要となります。
その上でまだ歯肉の腫れが引かない場合に
その歯茎を切除し、磨きやすくするという流れになります。
先に外科処置をするのではなく、まずは状態を
落ち着かせることを優先すると言うことです。
これは歯周病治療全てにおいて言えることなので、
薬物性歯肉増殖症と診断されたからと言えど、
焦ることなく基本的な治療を継続していくことが重要となるわけです。
1人でモチベーションを維持する事は誰でも
難しい事ですので、我々は定期受診をお勧めしております。
分からない事があれば定期検診の際担当医にお気軽にご相談ください。