「歯の外傷について〜歯をぶつけた時どうしたら良い?〜」

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

「歯の外傷について〜歯をぶつけた時どうしたら良い?〜」

こんにちは、歯科医師の村重です。

桜の花が満開を迎え一気に春らしくなりましたね。

今年は久しぶりにお花見に行きましたが

やはり外で過ごす時間は気持ちが良いですね。

これからの季節、暑くて耐えられなくなるまでの時間を

大切にしていこうと思います。

 

前回(1/11分)から「歯の外傷」についてお伝えしていますが、

今回はその続きとなります。 

 

④脱臼、脱落(歯が抜け落ちた)

 歯が抜け落ちた(脱落)場合、条件がよければ再植が試みられます。

受傷から歯科医院を受診するまでの時間が短く、

歯の周りの組織の損傷が軽度で、脱落した歯の保存状態がよいほど、

再植の予後も良好になることが期待されます。

抜け落ちてしまった歯は洗ったりはせずに、

専用の保存液または牛乳、どちらもない場合は

口腔内に入れて歯科医院を受診してください。

かみ合わせを確認しながら、脱落した歯を元の位置に戻して、

固定を行います。歯肉からの出血が多い場合は縫合を行い、

止血を図ります。固定は通常2~6週間くらい行います。

従来、乳歯は原則として再植は行わなかったのですが、

最近では限られた条件の中で再植が試みられています。

脱落した歯がなくなってしまったり、

再植が困難だったり、歯根の破折で抜歯になったりと、

外傷で歯がなくなった場合も対処が必要になります。

歯の外傷はおもに上の前歯に起こりやすいので、

見た目も悪くなり、また発音や食べることに影響がでます。

永久歯では一般的に入れ歯、ブリッジ、

インプラントなどの治療法があげられ、

歯並び・噛み合わせやその他の状況に合わせて

適当な治療法を選ぶことになります。

一方、乳歯や学齢期に永久歯がなくなった場合は、

次の永久歯が生えるまで、または顎の成長が止まるまでは、

調節のしやすい入れ歯タイプの装置を使うことが多いです。 

 

 ⑤変色、腫脹(歯の色の変化、歯茎の腫れ)

歯を打ったあと、歯の色が変わってくることがあります。

受傷してすぐに 起こりやすい赤みをおびた変色は、

神経(歯髄)の中の血管が損傷して充血や内出血を生じたものと考えられ、

充血が治れば歯の色も回復することがあります。

一方、数か月して徐々に歯の色が黒ずんでくる場合は、

神経(歯髄)が死んでいる可能性が高くなります

(若い永久歯の場合など、そうでない場合もあります)。

さらに色が悪くなったり、根の周囲に病気ができて

歯肉が腫れてくることもあります。

エックス線写真などで定期的に観察していれば、

根の周囲の病気を早く発見して、根の治療を行うことができます。

根の周囲の病気が大きくなってからですと、

歯を保存することが難しくなります。 

 

 

以上のようにそのときの状態によって対応法は様々ですが、

共通して言えることは受傷後は可能な限り速やかに

歯科医院を受診して欲しいということです。

特に歯が欠けたり、抜け落ちたりした場合は

受傷からの時間が予後に大きく影響するため、

是非とも頭の片隅に留めておいて下さい。