口内炎について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

口内炎について

こんにちは。歯科医師の秋田です。

 

今年は梅雨入りが遅く晴れる日が多いですが、

今週に入ってついに雨も多くなりジメジメして来ましたね。

蒸し暑くもなって来ましたし、いよいよ梅雨が明けたら

夏本番がやってやって来ますので皆様夏バテ、

特に熱中症にはご注意ください。

今回は口内炎についてお話しします。

口内炎とはひとくくりにまとめると文字通り口の中に出来る

炎症の事を言いますが、その症状は多岐に渡ります。

分類で分けるとアフタ性、潰瘍性、カタル性等ありますが、

これらの種類を同定して治療を進める訳ではありません。

我々は基本的には口内炎を発見した時には

デキサルチン口腔用軟膏®︎(デキサメタゾン)を処方します。

デキサメタゾンはステロイドで強い抗炎症作用を持つため

患部に塗布後1週間もすれば基本的には治癒へと進むので大変重宝します。

しかしながら、この便利なお薬ですが全ての口内炎に使える訳ではありません。

それどころかこの薬を塗布することでかえって

症状が悪化してしまう可能性もあるのです。

その代表的な口内炎2つがヘルペス性口内炎とカンジダ性口内炎です。

2つについて説明しておきます。

ヘルペス性口内炎: 単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって起こる、

ウイルス性口内炎の一種です。 乳幼児に多く見られ、口の粘膜上の水疱、

歯ぐきの炎症、発熱といった症状が現れます。

水疱がやぶれると潰瘍になり、激しく痛みます。

口の中の痛みのために、食事や水分を受け付けず

脱水症状になることもあります。

ヘルペス性口内炎にかかると、その後もヘルペスウイルスは体に残り、

大人になって体調を崩した時に再燃することがあります。

しかし、症状は乳幼児のそれより軽症です。

カンジダ性口内炎: 口腔内でカンジダというカビ(真菌)の一種が

増殖して起こる真菌性口内炎です。

頬の内側や唇の裏側などに偽膜と呼ばれる白い薄皮ができ、

簡単に剥がれます。剥がした後は赤みを帯びていて、

周囲の粘膜も赤くなっていたり腫れていることがあります。

 カンジダは皮膚や口腔内の常在菌ですが、

免疫が低下する病気や薬物の服用などで常在菌のバランスが崩れ、

他の常在菌より優位になることにより口内炎の症状を引き起こします。

上記2つについては来院の上口腔内診査を必要としますので、

気になる方は早めの来院をお勧めますし、

先に薬を塗ってしまい悪化された場合は上記の疾患を疑いますので

すぐにお薬を中止し来院される事をお勧めします。

これからの季節暑さによる免疫低下を引き起こす可能性が高いですので

くれぐれもご注意ください。

お薬に頼る前にご自身の免疫力強化や、口内炎発症に関わるビタミン、

ビタミンB2を積極的に摂取していただいて、

なるべく口内炎を引き起こさないようにする事が第一目標となりますね。

ビタミンB2は市販薬で言うところのチョコラBBがお勧めです。