意外と気付かない歯ぎしり食いしばり

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

意外と気付かない歯ぎしり食いしばり

こんにちは。歯科医師の今泉です。

コロナの新規感染者数は減少傾向にありますが、まだまだ油断できませんね。

今回は意外と自覚がない歯ぎしり食いしばりについて解説させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①歯ぎしり食いしばりとは❓
日中物事に集中しているときや睡眠時に無意識の
うちに食いしばったり、歯をこすり合わせたりしてしまうなど、

上下の歯が不必要に接触している状態の事です。

2つのタイプがあり
🅰️グライディング
横方向にギリギリとこすり合わせるもの。
睡眠中に多く見られます。
歯ぎしりとよく表現されます。
キリキリ、ギシギシ、カチカチという音がするため、

周囲の人に指摘されて気づくケースも多い。

🅱️クレンチング
上下の歯をぐっと噛みしめるもの
日中でも無意識に行っていることがある。
食いしばりとよく表現されます。

音が出にくいため、睡眠中や日中無意識のうちに歯を食いしばるタイプなので、

自身でも気づかないことがよくあります。
言われて意識してみると、ふと気づいたら歯を食いしばっていた、

歯を噛み合わせていたということがよくあります。

グライディングとクレンチングが混在するタイプも存在します。

②症状
軽度の歯ぎしり食いしばりでは無症状のことも多く
中等度〜重度の場合
咀嚼に関わる筋肉や顎の関節に大きな負荷がかかることで

顎が痛くなったりだるくなったりしやすいなどの顎関節症に似た症状。
強い力がかかることで、歯がザラザラする、詰め物が脱離しやすいなどの症状もあります。

③原因
どのようなメカニズムで生じるのか、

現時点では詳しいこと原因は分かっておりません。
しかし、遺伝や飲酒・喫煙・カフェイン摂取・ある種の抗うつ薬の服用、

ストレスなどの関与が指摘されています。

④診断

当院では
同室で一緒に寝ている人がいる場合指摘があったかや歯の摩耗(すり減り)の状態、

起床時の顎や首の筋肉の痛みやこわばりがないか、また顎の筋肉が発達してエラが張っていないか、
舌や頬の内側に歯を押し付けたような跡がないか
などの点から診断をつけます。

⑤治療

🅰️睡眠時無呼吸症候群や逆流性食道炎が疑わしい場合は、その診療科に紹介します。

🅱️上記以外の場合は、
睡眠中の歯ぎしりに対しては、飲酒の制限や禁煙のアドバイスなど、

眠りを深くするための生活の改善を勧めます

日中の歯ぎしりに対しては、目につく場所に歯ぎしりの注意を喚起するような

メモを貼るなどして患者自身に意識してもらいます。

それでも治まらない場合や、歯の摩耗が進み、すぐに保護したほうがいい場合は、

睡眠時に樹脂製のナイトガードというマウスピースを装着することで

上下の歯が直接当たらないようにして防止する方法(スプリント法)を行います。
歯や顎にかかる圧力が低減し、歯の摩耗やインプラント、詰め物の欠損を防ぎ、

歯周病悪化や顎関節症の予防にもつながります。

少しでも当てはまる事がありましたらご相談ください。