2021/07/15
こんにちは。歯科医師の法貴です。
今年は梅雨入りが早く毎日天気予報が傘マークで憂鬱な毎日でしたが、
もうすぐオリンピックも始まります。
新型コロナウイルスの猛威はまだ収まることがなく
無観客での開催となりますが、テレビの前から応援したいと思います。
骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)や
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)という疾患名を
聞いたことがある方も多いと思います。
しかしながら、実際にどのような方がARONJやMRONJを発症しやすいのか、
どのような薬を飲んでいるとリスクが
高くなるのかについて説明していきたいと思います。
まず初めにBRONJ、DRONJ、
ARONJならびにMRONJと何故呼び名がたくさんあるのかと言う事です。
ビスホスホネート製剤を使用する患者でBP製剤関連顎骨壊死の発症が
報告されこれをBRONJと呼んでいます。
次に抗RANKL抗体製剤であるデノスマブを使用する患者で
デノスマブ関連顎骨壊死が相次いで報告されこれをDRONJと呼んでいます。
そして、BRONJとDRONJを惹起する薬剤であるBP製剤とデノスマブは
共に骨吸収抑制薬に分類されることから、
これらをあわせてARONJと呼ばれるようになりました。
その後、骨吸収抑制薬や血管新生抑制薬を含めたさまざまな薬剤が
顎骨壊死を惹起する可能性が報告されている為、
これらを総称してMRONJと呼ぶようになりました。
MRONJを引き起こす薬にはどのようなものがあるのか?
現在科学的根拠を持って顎骨壊死を引き起こすとが
はっきりとわかっている薬剤は、BP製剤とデノスマブの2種類だけです。
具体的には薬剤は下記の画像を参照して頂ければと思います。
またMRONJに類似した疾患を引き起こす可能性がある薬剤として、
チロシンキナーゼ阻害薬、
モノクローナル抗体製剤(血管新生抑制薬、抗スクレロスチン抗体製剤、
抗CD20抗体製剤、並びに抗TNF−α抗体製剤など)、
m TOR阻害薬、融合タンパク質、免疫抑制剤(メトトレキサート、ステロイド製剤)
という薬剤が報告されています。
次回は発生頻度や症状について書きたいと思います。
お口の中で気になる事があればタニダ歯科医院までご相談下さい。