2022/03/31
こんにちは、豊原です。
桜が満開になり、春がやって来たと実感が湧きます!
卒業、入学、就職など、春は色んなことが新しく動き出す季節ですね。
そして、併せて花粉症の季節でもあります。
症状が年によってひどかったり、軽かったりと様々だと思いますが、
今日はアレルギーについて書きたいと思います。
そもそもアレルギーは、
本来ならば自分の身体を守るために備わった免疫システムが、
誤った方向に働いた時に起こる症状をいいます。
生物は自分の身体を外敵から守るために免疫を備えています。
免疫担当細胞は外敵を見つけ、排除してくれています。
実は生体内では毎日たくさんの癌細胞が生まれていますが、
この免疫担当細胞たちが頑張ってくれていることで、
私たちの身体はそう簡単には癌には侵されないのです。
しかし、このすごい免疫細胞たちもどういうわけか、
たまに失敗を犯し、自分の身体の細胞を間違って
攻撃してしまうことがあります。
これが“アレルギー”の正体です。
アレルギーも免疫反応の結果であり、
それを引き起こす原因になる物質のことを
アレルゲンといいます。
アレルギーはまず、特定の物質により症状が表れ、
その上で血液検査や皮膚や粘膜検査などを経て
診断に至ります。血液検査で異常値があっても
症状がない時はアレルギーとは診断されません。
アレルゲンは体内に入ると異物とみなされ、
排除しようとする免疫機能がはたらき、
I gE抗体が作られます。この状態をI g E感作といい、
いったん感作が成立した後に、再びアレルゲンが
体内に入ると、I g E抗体がくっつき、マスト細胞から
ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、
アレルギー症状を引き起こします。
アレルゲンとしては、花粉や食べ物、薬物、ダニ、金属、
化学物質など様々な物質があります。
接触した場所で症状が表れるものもあれば、
接触した場所から離れた場所に症状が表れることもあります。
正常な皮膚は、角質に守られており、異物が侵入しにくい
構造になっています。しかし、湿疹などがあり、
アレルゲンが皮膚のバリアを通過して、表皮や真皮に
侵入すると、免疫細胞と反応して感作が起こります。
これを「経皮感作」といいます。
一方、無害なアレルゲンに対しては、
制御性T細胞と呼ばれるリンパ球が働き、
アレルギー反応は起こりません。
これを免疫学的寛容といいます。アレルギーがある人は、
このシステムがうまくいっていないと考えられています。
「経口免疫寛容」とは、食べたものに対して
過剰なアレルギー反応を起こさないようにする
仕組みのことです。近年の研究結果から、
スキンケア不足による「経皮感作」により
食物アレルギーは進行し、食物アレルゲンを
症状なく食べて摂取を続けることにより
「経口免疫寛容」が誘導されることがわかってきました。
次回はアレルギーの予防について書きますね。
お花見を是非楽しんでください。