2022/04/14
こんにちは!歯科医師の法貴です。
4月に入り新生活をスタートさせた人も多いと思います。
まだまだコロナも落ち着かない状態なので
体調管理に気をつけながら今年度も頑張っていきましょう。
さて今回は出産後の口腔内、歯科受診についてです。
出産後は新たに始まった育児に時間を追われ、
心身ともに疲労も増してくると思います。
妊娠中は自分自身のための歯磨きが習慣化できていても、
出産後に継続できなくなることは珍しくはありません。
赤ちゃんが寝ている時や、家族が育児を担ってくれている時に、
不十分になっている歯磨きを、丁寧にするように心がけてください。
使用する歯ブラシなどのグッズは特に
変更する必要はありませんが、歯肉に炎症症状などが
残存している場合には「やわらかめ」タイプの使用をしてください。
どうしても育児中心のせいかつになるので、
もし時間がなければ含嗽も一つの手です。
赤ちゃんへのう蝕原生細菌の伝播を予防するためにも、
口腔内に多量のプラークを長時間貯留させないことが
伝播のリスクを下げるうえでも必要です。
出産後6〜8週間で身体はほぼ妊娠前の状態に戻るため、
通常の歯科治療は可能です。しかし、授乳中の産婦では、
エックス線写真撮影、歯科局所麻酔、薬剤投与による
母乳への影響を心配する方が少なくありません。
エックス線写真撮影の際には必ず防護用エプロンを着用し、
胸部から腹部にかけて遮蔽するため、一般患者と同様に
問題はありません。また、照射方向は歯や顎の骨であるため、
授乳中であっても関連しないです。
歯科で使用する麻酔薬は、局所で作用し分解されるため、
授乳中であってもとくに問題はありません。
母乳を介して乳児が暴露される薬物は、
乳児に対する治療量の10%にも満たない量である場合が
多いと言われています。さんかげつを過ぎた赤ちゃんは
代謝機能がしっかりとしてくるので、薬剤の成分が
ごくわずかに母乳へ移行したとしても、
歯科で処方する鎮痛剤や抗菌剤に関しては
まず心配ないと考えられています。
どうしても授乳への影響を心配される方には、
歯科治療前に授乳してもらったり、
搾乳して冷凍保存していただく方法もあります。
気になることがあればいつでも
タニダ歯科医院まで相談してください。