10代に異変多数!顔のゆがみは口の中に原因が⁉-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

10代に異変多数!顔のゆがみは口の中に原因が⁉

 

こんにちは。院長の谷田です。
2月28日は日本で初めてビスケットが作られたことから
「ビスケットの日」とされています。

 

ビスケットの歴史は古く、古代ヨーロッパ人が
航海に携えた硬い保存食が
起源と言われています。

 

現代では広く親しまれているビスケットですが、
最近、若い世代ではこのような硬い食べものよりも、
やわらかい食べもののほうが
好まれる傾向にあります。

 

そして、この傾向が
身体の発達に深く関わる問題として
注目されています。

 

 

 

 

◆高齢者よりも深刻!10代の「食べる力」

 

近年、若い世代を中心に
「硬い食べもの離れ」が進んでいます。

 

これは、10代のお口の機能の発達に
深刻な影響が及んでいることを
暗に示しています。

 

日本歯科医師会の調査によると、
10代の2人に1人が
食事中にあごの疲れを感じており、
その割合は70代の2.7倍に及ぶことがわかりました。

 

同調査ではほかにも、若い人の間で
「滑舌が悪い」「食べこぼしが多い」
といった症状も多数報告されており、
10代の「食べる力」の低下が大きな問題となっています。

 

 

 

これらの症状は「口腔機能発達不全症」として、
近年歯科医療の現場でも重要視されています。

 

 

 

 

◆顔つきや発音にも影響?
 「口腔機能発達不全症」とは

 

口腔機能発達不全症は、
2018年に新しく保険適用となった病名で、
18歳未満の子どもに見られる、
口腔機能の発達の遅れを示しています。

 

「食べる」「話す」「呼吸する」
といった日常の動作は、噛む筋肉や
あごの骨の発達にも深く関わっています。

 

これらの機能が
十分に発達しないまま放置すると、
筋肉やあごの正常な発育が妨げられ、
次のような問題を招いてしまうおそれがあります。

 

・歯並びやかみ合わせが悪くなる
・顔の形にゆがみが生じる
・発音が不明瞭(滑舌が悪い)
・鼻腔や気道が狭くなり、呼吸がしづらくなる
・噛む力の低下により、成長期に必要な栄養が不足する

 

 

 

 

 

◆早期の対応が重要!今すぐチェック!

 

口腔機能発達不全症は
早い段階での気づきと適切なケアにより、
多くの場合で改善が期待できる病気です。

 

一方で、「食べこぼし」
「ゆっくり食べる習慣」など、
その兆候は子育ての日常でよく見られるものも多く、
そのまま見過ごされてしまうことも
少なくありません。

 

 

 

 

口腔機能発達不全症は、
「食べる」「話す」「その他(体格など)」
各項目のチェックリストにより診断されます。

 

以下に基準の一部を記載しますので、
これらをはじめ、お口の機能に不安がある場合は、
お早めに当院までご相談ください。

 

□咀しゃく時間が長すぎる(または短すぎる)
□食事の量や回数が多すぎる
(または少なすぎる、ムラがある)
□「カ・サ・タ・ナ・ラ」行がうまく発音できない
□いつも口を開けて息をしている
□睡眠時のいびきがある

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

摂食・嚥下について〜お口から健康を保つために〜

こんにちは。歯科医師の村重です。

私は日本摂食嚥下リハビリテーション学会

という学会に所属しており、時折学会や

その分野の勉強会に参加させてもらっています。

そこで、今回と次回に分けて、

歯医者さんの診療室ではあまり耳にしないこの

“摂食・嚥下”についてのお話をさせてもらおうと考えています。 

摂食・嚥下とは、食べ物を認識してから、

口を経由して胃の中へ送り込む、一連の動作のことをいい、

この動作に支障を来すことを摂食嚥下障害と呼びます。

この障害を持った方に対して検査・評価をすることで

症状を客観的にとらえ、機能回復をはかるとともに、

その後の生活を考慮して食事の形態を検討し、

また、介助者であるご家族の方々にも

介助方法について提案を行い、より安全に

よりおいしく食べていただけるように援助していくことが

摂食・嚥下リハビリテーションの考え方です。

「食べる」という行為は、生命維持に必要な栄養を取り入れる、

味を楽しむ、食事の場面を通じてコミュニケーションを楽しむなど、

私たちの生活においてとても大きな意味を持ちます。

ご存知の通り我が国は超高齢社会を迎えており、

この「食べる」ことを安全に行えない方が増加しているのが現状です。

こういった状況に我々歯科医療従事者が口腔の専門家として

貢献できる部分は大きいと考えており、当院でも訪問嚥下診療を行っております。

ただ、摂食・嚥下リハビリテーションは歯科だけでは

絶対に完結することのできない分野です。耳鼻科領域を中心とした医師や、

普段のケアを行なっている看護師や介護士、また、

具体的な訓練の実施を行う言語聴覚士や食事の管理を行う

管理栄養士といった様々な職種の方々が、それぞれの専門性を生かして

ひとつのゴールに向かっていくという特徴があります。

普段の歯科診療ではあまり関わることのない他職種の方の考え方や立場を知り、

また新しい知識に触れたことで自分の臨床での訪問歯科診療、

および嚥下診療に還元できればと考えています。

では、摂食・嚥下障害の方にはどういった症状、特徴が現れるのかを以下に示します。

①むせる 

特にむせやすいのは、味噌汁やお茶などの水分、

または水分と固形物の入り混じった食べ物です。

飲食物だけでなく、自身の唾液でも咳き込む場合があります。 

  ②固形物を噛んで飲み込めなくなる 

硬い食べ物はよく噛まないと飲み込めないため、

麺類などの柔らかいものや、噛まずに食べられるものを好むようになります。

その結果栄養が偏り、低栄養につながります。   

③食事をすると疲れる、最後まで食べきれない 

時間をかけてよく咀嚼しなければ飲み込めなかったり、

飲み込んでも口腔内に食べ物が残ったりするため、

食事に時間がかかるようになります。食べられるものも制限されるため、

食事自体の楽しみが奪われ、食べる意欲の低下につながります。

場合によっては食事の途中で肉体的・精神的に疲れてしまい、

出されたメニューをすべて食べきれないこともあります。   

④食事の後、声がかれる 

声質の変化も、よく見られる症状です。食べ物を飲み込んだあとに声がかすれたり、

口腔内に食べ物が残留することから痰が絡みやすくなり、

がらがらした声になったりします。   

⑤体重が減る 

食べる量が減る上、食事の内容が偏るため、低栄養状態になって体調を崩しやすくなり、

体重が落ちていきます。 こういったことがサインとなってきます。

次回は原因や診査方法といった内容を載せたいと思います。

2月休診日情報

歯ブラシは定期的に交換しよう!

腐骨とは?

こんにちは。歯科医師の西田です。
底冷えのする日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今日は腐骨についてのお話を進めていきたいと思います。

腐骨というコトバに対し、皆さまどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「骨が腐るなんて怖い」とか、「何かとんでもなく恐ろしい病気だろう」とか、「痛そう…」とか…。

Google で検索してみますと、「歯科における腐骨とは、歯や顎骨に関連して発生する骨の残骸や
壊死した骨片を指します。腐骨は、歯が生えたり、顎骨が壊死したりした際に発生することがある。」とあります。
腐骨の中には歯が生える際に、歯を覆っていた骨が吸収されずに残ってしまったものもあります(萌出性腐骨)。
「奥歯の上に何かついている」「生えかけの奥歯の上にある何かがカパカパ動く」などと
相談に来られる方もいらっしゃいます。
この場合、大人の歯が生え終わるまでに自然に取れることも多いようで、特に心配は要りません。

一方、腐骨の中には病的なものもあります。
う蝕、歯周病、抜歯などによる傷、義歯の傷などにお口の中の細菌が感染し、
歯肉の腫れ・痛み、出血、膿が出てくることがあります。
徐々に傷口が広がるように骨がむき出しの状態になります。(顎骨壊死)
こちらは、訪問歯科で時々目にする腐骨です。
顎骨壊死を発症する多くの場合、感染を引き起こしやすい以下のような要因があります。

① 糖尿病やステロイド治療による免疫力低下
② 癌の放射線治療をしたことがある。(照射野が顎骨に及んでいる場合、骨の血流低下で生じる)
③ 悪性腫瘍や骨に転移した癌や骨粗鬆症に対する薬剤(ビスホスホネート、デノスマブ等)を使用していた、
又は現在使用している。これらの薬剤は骨の吸収を抑制する働きがあり、
その作用によって顎骨壊死が生じうると考えられています。
ただし、ビスホスホネート製剤を服用しても必ず顎骨壊死を発症する訳ではありません。
10万人の人が1年間経口ビスホスホネートを服用すると、約1名に顎骨壊死が生じると言われています。
しかしながら、ビスホスホネートは骨に年の単位で沈着するので、
服用が長期に及べば顎骨壊死のリスクは徐々に上昇します。
ひとたび骨に沈着したビスホスホネートが半分に減少するまで2年~3年かかると言われており、
4年以上の服用で顎骨壊死のリスクが上昇し始めるという報告もあります。
またこれらの骨吸収抑制剤を悪性腫瘍の骨転移(転移性骨腫瘍)に対して使用した場合には、
顎骨壊死の発生率は100倍程度上昇するといわれています。
顎骨が壊死して腐骨が発生した場合、局所洗浄や抗菌薬・抗炎症薬の投与、腐骨の除去などによって治療します。
広範囲に壊死している場合は、顎骨の一部を切除したり、金属プレートで再建したりする必要があります。

このような事態を予防するためには、口腔衛生の改善と感染対策を徹底することが重要です。
気軽に相談できるかかりつけの歯科医師を持ち、歯科医院での定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。