2023/03/20
院長の谷田です。
当院の訪問診療のメニューの中に摂食嚥下診療があります。
どのような診療か簡単に解説します。
最近ではテレビの訃報なので誤嚥性肺炎で亡くなられたという報道を目にされたことがあると思います。近年誤嚥性肺炎の件数は非常に増加しています。
では実際に現場では。
例えば施設に入所されている方が誤嚥をされます。
救急搬送で病院へ。
病院での診断で誤嚥が確認されると胃ろうの処置がなされます。
*胃ろうとは腹部に開けた穴からチューブを通し、直に胃に食べ物を注入する処置です。
施設に戻ってきた方を見て、本人はもちろん家族も「昨日まで口から食べていたのにもう食べれないのか、何とかしてもう一度口から食べれないのか」という相談が寄せられます。
そこで当院の出番です。
まず誤嚥を起こした原因を探ります。服用しているお薬に原因がある場合もあります。
つぎに嚥下内視鏡を使って(鼻から入れます)喉頭の様子を観察します(VE検査)。
普段実際に食べているものを食べてもらって、食べ物が気管に入っているかどうか直接に観察します。
直に観察するので一目瞭然です。
咽頭
結果、実際に口からの摂取も無理な場合もありますが、かなり多くのケースでは再び口から食べれるようになります。
もちろんそれには、本人と家族、そして施設の方との綿密な連携が必要です。
【医院からのお知らせ】
*施設の方やご自宅で摂取嚥下でお困りの時はお気軽に当院にご相談ください。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2023/03/16
こんにちは。
訪問診療担当の岩本です。
訪問診療は、何らかの理由で外部への通院が困難な方に対して行われます。
多くの患者さんはいくつかのご病気を抱えておられますが、
様々な基礎疾患の中で今回は、
心疾患を持つ患者さんの歯科治療時の注意点についてお伝えします。
心臓は、全身に血液を送り酸素や栄養を供給するためのポンプとして
毎日毎日、休むことなく働いています。
心臓の機能が低下すると、全身にうまく血液が送られなくなり
生命維持に直結する問題が生じます。
心疾患とは、心臓に関わる疾患の総称です。
そのため、心疾患を基礎疾患として抱える患者さんの歯科治療の際には、
歯科医師はかかりつけの医師に病状の問い合わせを行ったり、
歯科治療の計画についての助言を求めるなど、細心の注意を払っています。
注意点の具体例を挙げます。
狭心症や心筋梗塞の方の場合、
抗血栓療法(血液サラサラの薬など)が行われていることがあります。
このような場合、抜歯などの処置の後で出血が長引くことがあるため、
処方されている薬の種類を確認し、必要に応じて服薬の調整を検討します。
また、歯科治療に対する不安や疼痛によって交感神経が興奮し、
狭心症発作が引き起こされることもあるため、
処置前には麻酔をしっかり行い、痛みを極力取り除くようにします。
心臓ペースメーカーを装着されている患者さんにおいては、
歯科治療中に使用する電気メスなどが
ペースメーカーの動作に影響を及ぼすことがあるため、
問診時に装着していることをお知らせいただく必要があります。
心臓弁膜症を抱えている患者さんの場合は、
歯科治療に伴う出血には特に注意が必要です。
出血時に傷口から入り込んだ細菌が体内をめぐり、
心臓の弁や心内膜に細菌の塊が出来てしまう
「感染性心内膜炎」を引き起こす可能性があるからです。
これは命に関わる重篤な疾患です。
治療の前にあらかじめ抗菌薬を投与する、
また口腔内の細菌を減らすためのクリーニングを行っておくなどの
準備が必要とされます。
ところで、歯周病は、細菌の起こす炎症によって
歯肉や歯槽骨が破壊される疾患ですが、
炎症反応時に放出される炎症物質が血管に作用することで、
動脈硬化や冠状動脈疾患などの心疾患リスクを高めることがわかっています。
そのため、歯周病の予防や早期治療は、心疾患の予防につながるとされています。
患者さんと歯科医院との間で情報を共有することはとても重要です。
情報を基に適切な治療方法を選択することで、
安全かつ効果的な歯科治療の実現が可能となります。
2023/03/09
こんにちは、豊原です。
もうすぐ春の訪れがやってきますね!
この季節、毎年のことですがやはりソワソワした気持ちになります。
この春、卒業される皆様、新たなステージに旅立つ皆様、
おめでとうございます!
期待と不安が入り混じったお気持ちでいらっしゃると思いますが、
自分を大切にしながら一歩一歩頑張ってください。
さて今回も睡眠時無呼吸症候群の第三弾です。
今回は治療について書きたいと思います。
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、
各症例によって次のような治療が行われます。
器質的にアデノイドや扁桃肥大、鼻中隔彎曲症などの
異常が原因となっている場合は、外科手術の適応となり、
扁桃摘出術や軟口蓋、口蓋垂の形成術が行われることがあります。
これにより、気道の入り口を拡げることができ、
就寝時呼吸の改善が見込まれます。
手術回避の手段としては、
持続陽圧呼吸療(CPAP;continuous positive airway pressure)
という睡眠中に小型の機械から送られる陽圧空気を
鼻マスクから吸わせることで気道を広げつつ、
空気を効率よく送り込む装置を用いる方法があります。
睡眠ポリグラフ検査で睡眠時1時間あたりに
無呼吸や低呼吸になった回数が20回以上で、
なおかつ日中に眠気などを自覚しているケースが適応となり、
この治療を行うことで、心筋梗塞や脳卒中などを発症する
危険性を低下させる効果があります。
歯科との関わりでは、下顎を前方に移動させるような
口腔内装置(OA;oral appliance)を用いた治療があります。
これは先のCPAPと並び、よく用いられる方法です。
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)のおもな原因には、
肥満や顎顔面骨格、舌位の異常があります。
精密検査の結果、歯科領域に原因があると診断された場合に
OAが導入されます。OAを用いると、OSA時によくみられる
口が開いた状態(開口)で起きやすい気道狭窄を防止し、
呼吸形態を鼻呼吸にすることができます。
また、下顎が前方に移動することで、下顎に付着する
舌骨上筋群が緊張し、舌筋と軟口蓋をつなぐ口蓋舌筋も
緊張して軟口蓋も前方に牽引され気道閉塞が予防されます。
しかし、OAにも副作用があり、歯牙位が変化したり、
咬合の変化、夜間に装着するため口腔内細菌の増加に伴う
う蝕や歯周病の悪化が挙げられます。
OA導入後は一定期間経過観察後にもう一度診断元の医院にて
その効果判定を行い、効果不十分であればCPAPなどの
他の治療の併用が考慮されます。
睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満によるものであるため、
たとえCPAP療法などを行っていたとしても、減量を目指した
食生活の改善や運動習慣の定着などの生活習慣の見直しが大切です。
医科歯科連携での長期的なフォローが必要となりますので、
それぞれのかかりつけ医で気になることあれば、
遠慮せず伝えてください。
2023/03/03
こんにちは。院長の谷田です。
3月の中旬ごろになると全国的に桜が咲きはじめ、
街なかに春の彩りを感じるようになりますね。
皆さまの中には、卒業式や入学式といった
新しい門出を迎える方もいらっしゃるかと思いますが、
鮮やかな桜のように、素敵な思い出となることを
祈っております。
さて、桜といえばピンク色のイメージがありますが、
品種によって淡いピンクから濃いピンクまで、
少し違いがあります。
私たちの歯ぐきも、健康なときには
「薄いピンク色」をしていますが、
なにか病気が潜んでいるときにはその色が変化します。
そこで今回は、
歯ぐきの「色」や「状態」からわかる、
病気のサインをご紹介いたします。
◆サイン1『歯ぐきからの出血』
歯みがきのたびに歯ぐきから出血する場合は、
歯周病の可能性がとても高いです。
歯周病とは、歯と歯ぐきの境目から
細菌が内側に入り込み、 悪さをする病気。
進行すると歯を支える骨を溶かし、
いずれ歯が抜け落ちてしまいます。
「最近、 歯みがきで出血するな…」と思ったら、
歯科医院にご相談いただくことをお勧めいたします。
◆サイン2『歯ぐきの腫れ』
歯ぐきが赤く腫れている場合も、
歯周病の可能性があります。
歯周病は
『サイレントディジーズ(静かなる病気)』
と呼ばれるほど、自覚症状が少ない病気です。
そんな歯周病の数少ないサインのひとつが、
先ほどの「出血」と、「歯ぐきの腫れ」です。
毎日の歯みがきなどで
こうしたサインをしっかり察知し、
悪化する前に治療を開始することが
とても大切です。
◆サイン3『歯ぐきから膿が出る』
歯ぐきから膿(うみ)が出ている場合は、
むし歯などをきっかけに、
他の病気を引き起こしている可能性があります。
むし歯を放置すると、
いずれ神経が壊死してしまいます。
すると、歯の根の先に膿が溜まって、
表面の歯ぐきに「ぷっくりとした腫れ」が生じます。
そして、たまった膿が行き場をなくすと
歯ぐきから溢れてきてしまうのです。
このような場合には歯ぐきの切開をして、
根っこの治療や、
溜まった膿を取り出す治療をしなくてはなりません。
放っておくと、膿の袋を大きくしながら
周りの骨を溶かしてしまう場合もあるので
早めの治療が肝心です。
歯ぐきはさまざまなサインを出して、
その「異常」を教えてくれています。
サインに気付いたら、
すぐ当院にご相談ください。
特に歯周病は、歯みがきの徹底や
歯石の除去をすることで改善が見込めます。
ぜひ、私たちと一緒に
健康的なピンク色の歯ぐきを目指しましょう!
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2023/03/02
こんにちは、歯科医師の久貝です。
今年も、あっっっ・・・・という間に3月に入りましたが、
皆さんはどうお過ごしでしょうか?
まだまだ寒さが続きますが、風邪はひいていませんか?
最近、診療をしていて気が付いた事があるんですよ。
たま~~~に、「銀歯が外れました~」って言って、
来院する患者さんがいるのですが
気が付いてしまいます。
「アレ・・・この人ちょうど一年前にも外れているな。
いや、その一年前にも外れて・・・
いやいや、その一年前にも外れているなぁ・・・」
口腔内を見てみて気が付く事
「歯の摩耗・咬耗の跡、歯の表面のクラックというひび割れ」
もしかして、「寒いから食いしばって」いるんかな?
えっ・・・寒いから食いしばって → 銀歯が外れる?
そんな事ってあるんかな?
1人、2人ではなく、銀歯の外れてくる患者さんで、
カルテを確認すると結構同じ時期に外れて来院される方がみられます。
それで、患者さんに確認をすると
「うん、歯ぎしりしてんネン」って返事が返ってくる事が
そういう時は、だいたい説明させてもらって、
「マウスピース」を作成することがありますが
皆さんは聞いた事ありますか?
「歯ぎしり防止のマウスピース」って?
ちなみに、皆さんこんな経験はありませんか?
「朝起きた時に顎が疲れている」、
「ちょっと集中したあとに歯が痛い」、
「虫歯ではないのに歯が痛む…」。
そんな時には「歯ぎしり・食いしばり」を疑いましょう。
「歯ぎしり」や「食いしばり」は、放置していると
歯が欠けたり顎の病気になったりと影響が大きい動作です。
こんな時に「マウスピース」が登場です。
歯ぎしりや食いしばりをする方は、寝る時には
マウスピースをはめると症状が軽減されます。
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスなどが原因で
強く歯と歯をすり合わせたり噛み合わせたりすること。
非常に強い力が歯や顎にかかるため、
さまざまな不快症状を引き起こします。
ストレスや噛み合わせの悪さなど
根本的な原因に対応するのはもちろんのこと、
まずは強い力から歯や顎を守らなくてはなりません。
そこで活躍するのが「マウスピース」。
特に意識のない、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりから
自分を守るため、早めに手に入れて装着しましょう。
装着することにより、マウスピースを歯にはめることで、
歯ぎしりや食いしばりによる歯のすり減りを防止します。
歯ぎしりや食いしばりで歯にかかる負荷は
自分の体重の2~5倍と言われています。
凄まじい力が歯にかかるので、毎日繰り返されると
歯は段々削れ、欠けていきます。
しかしマウスピースをしていれば、本来なら
歯が削れていくところを身代わりになってくれます。
マウスピースが少しずつ削れていくことが確認できれば、
歯ぎしりや食いしばりの自覚がない方でも
治療をしようと考えが変えるはずです。
歯ぎしりはどうしても食いしばりやすい奥歯に集中しますが、
マウスピースをはめるとその力を歯列全体に分散できます。
1本の歯にかかる負担を和らげることができるため、
歯が折れたり欠けたりする可能性が減ります。
虫歯治療の詰め物なども歯ぎしりが原因で
欠けたり取れたりするので、その防止にも役立ちますよ。
もしも、「あれ・・・もしかして私、
歯ぎしりしているかも・・・・?」って、怪しいときは、
タニダ歯科の検診時にでも、スタッフにご相談ください。