歯周病と糖尿病について-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

歯周病と糖尿病について

こんにちは。歯科医師の法貴です。

今年は梅雨も短く、急に暑くなってきたので体調管理には気をつけて下さい。

また、コロナの罹患者数もまた増加傾向になってきているので

気を引き締めて日常生活を送ってください。

歯科医院には様々な基礎疾患を有する患者さんが日常的に来院されます。

その中でも糖尿病を有する患者さんは近年増加の一途をたどっています。

今回は糖尿病と歯周病についてです。

糖尿病と歯周病は、ともに一度かかってしまうと体の重要な機能が失われ、

元に戻らないという大きな特徴があります。

両疾患ともその進行は音もなく忍び寄り、

重症化するまで目立った症状が出現しないことが多いです。
もっとも大きな類似点は食を中心とする生活習慣に影響を受ける病気である事です。

発症年齢が40歳前後から増加傾向にあることや、

家族歴がみられることなどの共通な特徴もあり、

糖尿病患者の多くは歯周病にも罹っていることが多いです。
糖尿病患者の歯科治療においては、口腔内に停滞するプラークをなくすことで

歯周組織破壊のお膳立てを無くすこと、

きめ細やかなケアによる全身的、局所的な環境改善が重要です。
歯周病は糖尿病の第6の合併症といわれるが他の合併症とは異なる性質を有しています。
糖尿病の3大合併症は細小血管症の神経障害、網膜症、腎症であり、

大血管障害は冠動脈疾患、脳血管障害ですが、歯周病は臨床的にはどちらかというと

細小血管障害に近いものと考えられます。
三大合併症は糖尿病に独自に見られる合併症ですが、

歯周病は糖尿病の存在とは関係なく発症するため、

現在では合併症というよりも糖尿病併存症と考えられています。

重度の糖尿病であっても歯周組織はきわめて健康といったこともあります。
2型糖尿病患者では非糖尿病の罹患期間が5年を超えると、

アタッチメントロスが大きくなり、歯周病が悪化する傾向があるなど、

糖尿病は歯周病に対する危険因子であることがわかっています。
一方で、歯周病が糖尿病に及ぼす影響についても、

歯周治療により慢性炎症が改善すると、インスリン抵抗性の軽減により

血糖値が改善するという報告が数多くあります。
歯周病と糖尿病には様々な関係があります。

定期的なメンテナンスで歯周病の進行抑制及び口腔内の細菌を減らすようにしてください。
気になることがあればいつでもタニダ歯科医院まで相談してください。

歯ごたえは歯で感じていない!?歯根膜の役割とは

 

こんにちは。院長の谷田です。
7月といえば、夏野菜が旬を迎える時期ですね。

 

夏野菜のなかでも、
きゅうりは汗をかきやすい夏にぴったり。
約95%を水分が占めているので、
食べれば水分補給もできる食材です。

 

そんなきゅうりの魅力は、
ポリポリとした歯ごたえ!
この歯ごたえを感じるためには、
お口の「ある組織」が深く関わっています。

 

 

 

 

◆歯ごたえを感じているのはどこ?

 

歯ごたえを感じているのは歯ではありません。
では、どこで歯ごたえを感じているのでしょうか?

歯ぐき?歯の神経?あごの骨?

実は…
このなかのどれでもありません。

 

歯ごたえは「歯根膜(しこんまく)」という
歯とあごの骨をつなぐ組織で感じ取っています。

 

 

 

 

 

◆0.3mmにある大切な役割

 

歯根膜の厚さは、なんと
たったの0.3mmほどしかありません。

 

とても薄い歯根膜ですが、
実は大切な役割があります。
それが「クッション」と「センサー」の役割です。

 

食べものを噛むとき、
歯にはとても強い力がかかっています。

歯根膜はその力をクッションのように
吸収・分散し、歯や骨を保護してくれています。
かたいものをガリッと噛んでしまっても
歯や周りの骨が無事なのは、歯根膜があってこそ!

 

 

また、歯根膜はセンサーの役割も担っており、
噛んだ時の「かたさ」や「感触」といった
微妙な刺激は、歯根膜が脳に伝えています。
そのおかげで、私たちは歯ごたえを感じられるのです。

 

 

他にも、食品のかたさに応じて
噛む力を調節することにも歯根膜は役立っています。

 

きゅうりのポリポリとした食感や
天ぷらのサクッとした食感を楽しめるのも
歯根膜があるおかげなのです。

 

 

 

 

 

◆歯根膜は一度失うと戻らない!

 

歯根膜は歯が抜けると
一緒にとれてしまいます。

 

たとえ、入れ歯やインプラントで
抜けた歯を補ったとしても、
歯根膜が元に戻ることはありません。

 

 

つまり、一度でも歯根膜を失ってしまうと、
ごはんを食べたときの食感も
一緒に失われてしまう
のです。

 

 

 

 

そんな歯根膜を失わないために、
まずは自分自身の歯を守る必要があります。

 

「むし歯」や「歯周病」にならないために、
定期的に歯科医院でプロのクリーニングを受けて
きれいなお口を維持しましょう!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
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認知症の方への口腔ケア

こんにちは。訪問担当の岩本です。

 

今回は、認知症の方に行う

口腔ケアについてお伝えします。

 

 

認知症患者さんは、疾患の進行に伴って

他者との意思疎通が難しくなってきますが、

決して何も感じなくなっているのではありません。

 

周囲のことが十分理解できなくなるため不安が増し、

ささいなことにも敏感になっています。

 

このため、ケアを行う側はまず

相手に安心感を与える努力が必要です。

 

 

口腔ケアの前には、必ず声掛けをします。

話を聞き取って理解する能力も低下していますので、

なるべく短く、簡単な構文で、普通の会話よりもゆっくりと話します。

 

このとき言葉だけではなく、言葉の抑揚や表情、しぐさも交えて

よりわかりやすい表現を心がけます。

 

また、ケアは決まった時間に習慣化して行うようにします。

認知機能が衰えてくると臨機応変な判断が難しくなるため、

色々なタイミングで突然ケアが始まることは精神的混乱の原因となります。

 

 

歯磨きを行う時は

歯ブラシをいきなり口の中に入れることは避けましょう。

 

口から離れた、肩や腕などからさりげなく手のひらで触れていき、

そこから頬、顎、唇というように

だんだんと口に近いところを触るようにします。

 

このように行うことで、身体に触れられることへの

抵抗感を少なくすることが出来ます。

 

 

患者さんによっては、唾液分泌が落ちていて乾燥し唇が荒れ

口を開けるだけで痛むこともありますので、

そういった場合は

あらかじめリップクリームを

塗ってあげるなどの配慮も必要です。

 

 

口腔ケアを受けること自体を

拒否されることもよくありますが、

拒否に対して叱ったり、命令することは

患者さんをさらに興奮させるため逆効果となります。

 

このような場合は

拒否の理由について考えてみます。

 

「歯くらい自分で磨ける」というプライドの問題

「風呂上りでとても疲れている」など体調やタイミングの問題

 

というように、ご本人の納得を得られる工夫が可能な理由であれば

なるべく自尊心を尊重するやり取りを心がけたり、

ケアのタイミングを見計らう、などの対策をとるようにします。

 

 

重度の認知症で、意思疎通が難しいため

介護抵抗が強く攻撃的な方に

口腔ケアを行う場合は、

お互いがケガをしないように注意しなければなりません。

 

ケアを行う側は嚙まれないよう、

不用意に上下の歯の間に指を入れないようにします。

 

はじめから「何が何でも全部キレイにしなくては!」

と無理をする必要はありません。

 

上下の歯を食いしばっていても、唇の端を少し開いて

スポンジブラシを頬の内側に入れることは比較的簡単です。

 

最初のうちはそうやって歯の外側と頬粘膜の内面についた

汚れを落とすことから始めます。

 

慣れてくると、ふとしたタイミングで口が開くこともありますので、

その時に素早く内側を磨くようにします。

 

この時も歯の内側に入れるのは器具だけにとどめ、

指は入れないようにしましょう。

 

通常の歯磨きでは、最後に水で口をゆすぎますが、

認知症が進むとその洗口すら出来なくなってきます。

含んだ水をそのまま飲み込んでしまったり、

その際に誤嚥してしまうこともあります。

そのような方の場合は口腔用ウェットティッシュ等で

汚れを拭き取って終了します。

 

 

認知症の方は口の中に異常があって痛むときでも

上手く伝えられないことがあります。

介護者が口腔ケアをお手伝いすることは

異常の早期発見にもつながります。

 

 

 

お菓子のように甘くない!メタボの怖さ

 

医療法人社団タニダ歯科医院 理事長 谷田英輔

アレルギー②

こんにちは、豊原です。
もうすっかり初夏の陽気になり、蒸し暑くなってきましたね。
今回もアレルギーの続きです。

 

アレルギーは予防できるのでしょうか?
アレルギーは自己免疫の過剰反応のため、
感染症などと違い予防はなかなか難しいと考えられてきました。
しかし、アレルギーの治療や研究の積重ねの結果、
新たな指針のようなものは確立されつつあります。

 

例えば、アトピー性皮膚炎では、
新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが
3割以上低下することが分かりました。
大人でも、皮膚のバリア機能が障害された状態で
早期に十分なケアがされず荒れの改善が遅れると、
食物アレルゲンの皮膚感作が進行し、症状が悪化します。
スキンケアを徹底することで皮膚バリア機能を改善し、
新たな皮膚感作を起こさないようにすることが大切です。

食物アレルギーについても、
アトピー性皮膚炎のある乳児に対してその湿疹のケアを十分行いながら、
加熱鶏卵を少量ずつ経口摂取させることで、
卵アレルギーの発症を減少されることができると研究発表されています。
かつては妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去することが良いと考えられていましたが、
今はその効果が否定されています。
むしろ、母親の栄養状態にはマイナスの行為であり、推奨されなくなってきました。
乳児に対して特定の食物の摂取開始時期を遅らせることも、
アレルギー発症リスクを低下させることにはつながらないことが報告されてきています。
離乳食の開始時期を遅らせたり、予防的に除去したりすることは、
経口免疫寛容の誘導の機会を奪うことにつながりかねなく、
結果的に食物アレルギーの感作を参考させてしまうこともあるそうです。
自分の思い込みで判断せず、専門医による正しい診断に基づいた制限をするように気をつけてください。

気管支喘息の予防では、
喘息の契機につながるような感染症などに気をつけることが大切です。
例えば、乳児期のRSウイルスやライノウイルスといったウイルス感染を繰り返すと
喘息を発症しやすくなることがわかっています。
そのため、手洗いやうがいなどを行い、感染症にかからないようにするのが大切です。
また、最近の研究から、2歳までに抗菌薬を使用したことのある子供では、
5歳時にアレルギー疾患に罹患する可能性が高いことがわかってきました。
このため、幼少期の不用意な抗菌薬の乱用は避ける方がいいのかもしれません。
また、アレルギーの原因であるアレルゲンも、乳児期から幼児期にかけて、
食物からダニやハウスダストなどに変わっていくとされています。
このため、ダニ対策などの環境整備を行うことも発症予防につながると報告されています。
自動車の排ガスやペットの毛なども喘息発症のリスクになるため、
これらの因子を避けることも大切です。
さらに、アトピー性皮膚炎を発症している場合は、
皮膚を炎症がない状態に保つことで
皮膚から体内にダニやハウスダストなどの吸入アレルゲンが進入するのを防ぎ、
喘息発症予防につながる可能性があるとされています。

アレルギーは国民病になりつつあります。
大人になってからも発症しますから、
普段から、かからない努力をできる範囲ですることは大切かと思います。

 

夏本番に向けて、熱中症にならないよう体を慣らしつつ、
無理は避けて、しっかり水分補給と休息を取って下さいね。