認知症の方への口腔ケア-西宮市の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

認知症の方への口腔ケア

こんにちは。訪問担当の岩本です。

 

今回は、認知症の方に行う

口腔ケアについてお伝えします。

 

 

認知症患者さんは、疾患の進行に伴って

他者との意思疎通が難しくなってきますが、

決して何も感じなくなっているのではありません。

 

周囲のことが十分理解できなくなるため不安が増し、

ささいなことにも敏感になっています。

 

このため、ケアを行う側はまず

相手に安心感を与える努力が必要です。

 

 

口腔ケアの前には、必ず声掛けをします。

話を聞き取って理解する能力も低下していますので、

なるべく短く、簡単な構文で、普通の会話よりもゆっくりと話します。

 

このとき言葉だけではなく、言葉の抑揚や表情、しぐさも交えて

よりわかりやすい表現を心がけます。

 

また、ケアは決まった時間に習慣化して行うようにします。

認知機能が衰えてくると臨機応変な判断が難しくなるため、

色々なタイミングで突然ケアが始まることは精神的混乱の原因となります。

 

 

歯磨きを行う時は

歯ブラシをいきなり口の中に入れることは避けましょう。

 

口から離れた、肩や腕などからさりげなく手のひらで触れていき、

そこから頬、顎、唇というように

だんだんと口に近いところを触るようにします。

 

このように行うことで、身体に触れられることへの

抵抗感を少なくすることが出来ます。

 

 

患者さんによっては、唾液分泌が落ちていて乾燥し唇が荒れ

口を開けるだけで痛むこともありますので、

そういった場合は

あらかじめリップクリームを

塗ってあげるなどの配慮も必要です。

 

 

口腔ケアを受けること自体を

拒否されることもよくありますが、

拒否に対して叱ったり、命令することは

患者さんをさらに興奮させるため逆効果となります。

 

このような場合は

拒否の理由について考えてみます。

 

「歯くらい自分で磨ける」というプライドの問題

「風呂上りでとても疲れている」など体調やタイミングの問題

 

というように、ご本人の納得を得られる工夫が可能な理由であれば

なるべく自尊心を尊重するやり取りを心がけたり、

ケアのタイミングを見計らう、などの対策をとるようにします。

 

 

重度の認知症で、意思疎通が難しいため

介護抵抗が強く攻撃的な方に

口腔ケアを行う場合は、

お互いがケガをしないように注意しなければなりません。

 

ケアを行う側は嚙まれないよう、

不用意に上下の歯の間に指を入れないようにします。

 

はじめから「何が何でも全部キレイにしなくては!」

と無理をする必要はありません。

 

上下の歯を食いしばっていても、唇の端を少し開いて

スポンジブラシを頬の内側に入れることは比較的簡単です。

 

最初のうちはそうやって歯の外側と頬粘膜の内面についた

汚れを落とすことから始めます。

 

慣れてくると、ふとしたタイミングで口が開くこともありますので、

その時に素早く内側を磨くようにします。

 

この時も歯の内側に入れるのは器具だけにとどめ、

指は入れないようにしましょう。

 

通常の歯磨きでは、最後に水で口をゆすぎますが、

認知症が進むとその洗口すら出来なくなってきます。

含んだ水をそのまま飲み込んでしまったり、

その際に誤嚥してしまうこともあります。

そのような方の場合は口腔用ウェットティッシュ等で

汚れを拭き取って終了します。

 

 

認知症の方は口の中に異常があって痛むときでも

上手く伝えられないことがあります。

介護者が口腔ケアをお手伝いすることは

異常の早期発見にもつながります。

 

 

 

お菓子のように甘くない!メタボの怖さ

 

医療法人社団タニダ歯科医院 理事長 谷田英輔

アレルギー②

こんにちは、豊原です。
もうすっかり初夏の陽気になり、蒸し暑くなってきましたね。
今回もアレルギーの続きです。

 

アレルギーは予防できるのでしょうか?
アレルギーは自己免疫の過剰反応のため、
感染症などと違い予防はなかなか難しいと考えられてきました。
しかし、アレルギーの治療や研究の積重ねの結果、
新たな指針のようなものは確立されつつあります。

 

例えば、アトピー性皮膚炎では、
新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが
3割以上低下することが分かりました。
大人でも、皮膚のバリア機能が障害された状態で
早期に十分なケアがされず荒れの改善が遅れると、
食物アレルゲンの皮膚感作が進行し、症状が悪化します。
スキンケアを徹底することで皮膚バリア機能を改善し、
新たな皮膚感作を起こさないようにすることが大切です。

食物アレルギーについても、
アトピー性皮膚炎のある乳児に対してその湿疹のケアを十分行いながら、
加熱鶏卵を少量ずつ経口摂取させることで、
卵アレルギーの発症を減少されることができると研究発表されています。
かつては妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去することが良いと考えられていましたが、
今はその効果が否定されています。
むしろ、母親の栄養状態にはマイナスの行為であり、推奨されなくなってきました。
乳児に対して特定の食物の摂取開始時期を遅らせることも、
アレルギー発症リスクを低下させることにはつながらないことが報告されてきています。
離乳食の開始時期を遅らせたり、予防的に除去したりすることは、
経口免疫寛容の誘導の機会を奪うことにつながりかねなく、
結果的に食物アレルギーの感作を参考させてしまうこともあるそうです。
自分の思い込みで判断せず、専門医による正しい診断に基づいた制限をするように気をつけてください。

気管支喘息の予防では、
喘息の契機につながるような感染症などに気をつけることが大切です。
例えば、乳児期のRSウイルスやライノウイルスといったウイルス感染を繰り返すと
喘息を発症しやすくなることがわかっています。
そのため、手洗いやうがいなどを行い、感染症にかからないようにするのが大切です。
また、最近の研究から、2歳までに抗菌薬を使用したことのある子供では、
5歳時にアレルギー疾患に罹患する可能性が高いことがわかってきました。
このため、幼少期の不用意な抗菌薬の乱用は避ける方がいいのかもしれません。
また、アレルギーの原因であるアレルゲンも、乳児期から幼児期にかけて、
食物からダニやハウスダストなどに変わっていくとされています。
このため、ダニ対策などの環境整備を行うことも発症予防につながると報告されています。
自動車の排ガスやペットの毛なども喘息発症のリスクになるため、
これらの因子を避けることも大切です。
さらに、アトピー性皮膚炎を発症している場合は、
皮膚を炎症がない状態に保つことで
皮膚から体内にダニやハウスダストなどの吸入アレルゲンが進入するのを防ぎ、
喘息発症予防につながる可能性があるとされています。

アレルギーは国民病になりつつあります。
大人になってからも発症しますから、
普段から、かからない努力をできる範囲ですることは大切かと思います。

 

夏本番に向けて、熱中症にならないよう体を慣らしつつ、
無理は避けて、しっかり水分補給と休息を取って下さいね。

 

国民皆歯科検診

こんにちは。院長の谷田です。

 

 

先ごろ政府は経済財政運営の指針「骨太の方針」の中に、

「国民皆歯科検診」の導入に向けた検討を行う事を盛り込んだ。

目的は医療費の削減。

歯の残存歯数が多いほど、健康で生活できる人の割合が多いことは、データでも実証済みです。

 

私の座右の銘に「検診に勝る治療なし」という言葉があります。

検診に定期的に通われている方のほうが生涯を通しての残存歯数が多くなるのは、私も臨床を通して実感しています。

当院の待合室にもポスターを掲示しています。

 

定期的に検診を受けて、生涯を通して1本でも多くの歯を残すようにされる事を願っています。

 

 

【お知らせ】

現在訪問ステーションの増改築工事をしております。

9月末に完成の予定です。

それまでは訪問ステーション横の第二駐車場が使用できなくなっております。

ご不便をおかけしますがご理解の程をよろしくお願い致します。

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
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ブラキシズム

さて、もう季節は6月、初夏ですね。

まだまだ朝晩はひんやり、でも日中はメチャクチャ熱いっていう、

気温差がかなり激しい時期ですが、みなさん体調を崩してはいませんか?

そういう僕は、しっかりと風邪を引いてしまいました。

 

あっ、自己紹介が遅れました。

こんにちは、しっかりと体調を崩した歯科医師の久貝です。

 

最近診療をしていて、よく見る気がする症状なんですが、

皆さんは「歯ぎしり」をしますか?

患者さんに

「噛むと歯が痛いんです」、「頭痛がするように、ジーンとするんです。」

「メチャクチャ痛いわけじゃないけど、重い鈍痛が・・・」

「硬くて甘いものをかむとしみるんです。でも冷たい物がしみて痛いワケではない。」

などの症状を言われることが最近多いです。

 

口腔内を見て、ドコかが虫歯っていうわけでは無く。

レントゲンを撮ってみても虫歯がなく・・・

っていう事が多いんですよね。

 

そんで、口腔内の歯を見ると「摩耗の跡」、「頬粘膜に歯形」、「舌縁にも歯形」

ひどい場合なら、開口時に顎関節がカクカクとクリック音が生じる。

 

それを踏まえ、「はぎしりする?」と患者さんに聞いても無自覚であったりします。

無意識のことなので、なかなか防ぐのが難しいですね。

 

それなのに体に対する影響は結構大きいのです。

ブラキシズムは、歯・歯肉・歯槽骨(歯を支える骨)と

その周囲の組織にさまざまな影響や弊害を及ぼします。

 

歯や周囲の骨などが受け止める咬む力は、

強い人では70kgを超えるようなとても大きな力です。

ブラキシズムの場合、その大きな力が持続的に加わるため、

硬い物を食べるときのように一瞬だけ強い力がかかる場合よりも、

ずっとおきな影響がでるのです。

ブラキシズムにより激しく歯どうしをこすりあわせるために、

硬いはずのエナメル質もすり減ってしまい、中の象牙質が見えてきています。

 

ときどきしみたりしますし、残ったエナメル質の部分が薄くなって強度が落ち、

歯が割れやすくなります。

もっとすり減ると、露出した“歯髄”という歯の神経に細菌が感染し、

歯髄に炎症が起こってしまいます。

 

また、力の影響で歯髄が死んでしまったり、歯の根の先端に炎症が起きることがあります。

腫れたり、咬むと痛みが出たりします。

 

強力な力で激しくこすり合わせることにより、歯そのものが割れてしまうこともあります。

歯髄が残っている場合、強度が落ちてくるため、いっそう割れやすいのです。

 

割れてしまうと、治療のしようがなく、残念ながら抜歯しなければならないことが多くなります。

上では歯に対する障害だけを説明しましたが、他には歯周組織への影響もあります。

 

歯周病にかかっている歯に、さらにブラキシズムによって横揺れの大きな力が加わると、

急速に歯肉や歯槽骨の状況が悪化することがあります。

 

更に、顎の関節や顔面の筋肉などに悪影響を与えることもあり、

頭痛や肩こりといった症状と関係していることもあるのです。

 

そういう場合は、マウスピースを進められることが多いと思いますが、

そのマウスピースってどんなん?・・・・って思いますよね。

 

歯ぎしり用マウスピースは、歯にはめることにより

上の歯と下の歯が当たったときの衝撃を和らげてくれます。

つまり歯ぎしりや食いしばりをしてしまっても、

何もつけていない状態より負担が軽いということ。

これにより歯ぎしりによる歯や身体への影響を軽減してくれます。

 

覚えておきたいのは、マウスピースは歯ぎしりを治すものではないということ。

あくまで「負担を和らげる」ためのものです。

 

もしも、ご自身の口腔内のことで、わからない事があれば

タニダ歯科の検診をご利用して頂ければ幸いです。