2020/10/15
こんにちは。訪問歯科医師の村山です。
前回、社会保障制度についてお伝えしましたがここから社会保険のうちの1つ、
医療保障についておはなししましょう。
【医療保障】
全ての国民が健康維持・回復・増進を図ることができるように、
国の責任において制度の枠組みを作り、
基本的人権として健康に対するさまざまな権利を保護する体制を医療保障制度といいます。
この制度は誰でもどこでも、いつでも差別なく、
どのような制度をとろうと包括的医療サービスを経済的苦痛なく(あるいは無償で)受けられる、
等の要素を満たすことが求められます。
日本の医療保障制度は社会保険方式を基本としています。
病気やけが等をした時の負担(リスク)を保険に加入する人たち全体で支え合い、
特定の個人(国民)に過重な経済的負担がかからないようにするためです。
・公的医療保険制度
上記の仕組みを使いながら、なおかつ個人の負担が過重にならず国や企業が責任を持つために、
医療全体にかかる費用のうちの多くの部分を企業や国、
自治体が公費(税金)を投入して支える制度のことです。(民間の保険は財源の全てを加入者の保険料で賄う)
公的医療保険制度の財源は公費(税金)・保険料(事業主と被保険者が負担)
・一部負担金(窓口負担)の3つで構成されます。
この割合がどうなっているかで、医療保険制度が国民にとって本当に安心できる制度かどうかが決まります。
現在日本は医療を受けるための公的医療保険に全ての国民が加入することになっています。
これは国民皆保険制度といい、いわゆる強制加入のことです。
国民は経済的能力に応じて保険料を負担し、必要に応じて医療を受け、
その受けた医療に要した費用の一部を一部負担金として支払います。
医療が必要な人に、保険給付として医療行為そのものがその都度提供される仕組みのことを
「現物給付」といい、日本はこの仕組みを採用しています。
これに対して患者が一度、医療機関に全額支払った費用を(場合によってはその内の何割か、
または一定の金額)現金で給付する制度を「療養費払い」制度といいます。
療養費払いの場合、医療が終了した後に患者が自ら加入している保険に請求して返金してもらう
(「償還払い」という)ことが原則となります。
・保険者と被保険者
保険者とは保険事業を行う主体の名称で、ここでは医療保険への加入、
保険料の徴収、保険給付等の管理運営を行う組織のことです。
また医療保険に加入し、保険料を納めて医療サービスを受ける個々人は被保険者と呼ばれます。
誰でも保険証を持ち、医療が受けられるのはこういった社会保障制度があってのものです。
そして保険証にも様々な種類があります。また紹介していきましょう。