2021/06/17
こんにちは。訪問歯科医師の村山です。
訪問歯科診療にあたっていると、これまでにおはなししてきた
「保険証」だけでなく「介護保険証」の確認も行います。
介護保険について詳しくご存知でしょうか?
介護保険制度は、介護を必要とする高齢者などがそれぞれの能力に
応じ自立した日常生活を営むことができるように、必要な保健、
医療、福祉サービスを提供するものです。
40歳以上のすべての国民が加入し、一部のケースを除き、
65歳以上で要介護・要支援の認定を受ければサービスが利用できます。
介護保険給付の医療系サービスには、
医師・歯科医師などが行う居宅療養管理指導や訪問看護、
訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、短期入所療養介護、
および施設系サービスの介護療養型医療施設、介護老人保健施設があります。
〈介護サービスの給付〉
・利用者の負担:介護保険の給付率は、サービス利用者の所得に応じて7〜9割、
利用者は原則1〜3割を負担する。
・利用対象者:介護サービスを利用できるのは保険料納付者で、
第1号被保険者(65歳以上の人)が要介護・要支援状態になった場合。
または40〜64歳の医療保険加入者で、初老期認知症や脳血管疾患などの特定疾病が
原因で要介護認定を受けた場合(第2号被保険者)に区分される。
・給付内容:歯科医師と歯科衛生士は訪問先の患者に対し、
要介護者には居宅療養管理指導、要支援者には介護予防居宅療養管理指導を実施する。
なお、居宅サービスでは支給限度額が定められているが、
居宅療養管理指導費は支援限度額の範囲に含まれない。
・利用までの流れ:介護サービスを利用するには市町村の介護認定が必要。
申請を受けた市町村が、認定調査・主治医意見書による一次判定後、
介護認定審査会の二次判定を受けて認定を行う。
要介護認定を受けると、居宅サービスの場合、居
宅介護支援事業者の指定を受けた事業所のケアマネージャーが
居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、計画に基づきサービスの利用が開始される。
*ケアマネージャー
介護保険法におけるケアマネージャーは、要介護者または
要支援者(以下「要介護者等」という。)からの相談に応じ、
要介護者等がその心身の状況に応じ適切なサービスを利用できるよう、市区町村、
サービス事業者等との連絡調整等を行う者であって、
要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な
援助に関する専門的知識および技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたもの。
介護保険の認定を受けている患者さんに訪問診療する場合、
ケアマネージャーとの連携が必要になります。
患者さんを担当するケアマネージャーと連絡をとり、
サービス担当者会議にも必要に応じて出席するなどして患者さんの情報を得るためです。
訪問診療の申込み時には担当のケアマネージャーをお知らせ下さい。