2021/08/05
こんにちは。歯科医師の西田です。
今日はコロナ時代のお口の健康について、お話ししようと思います。
COVID-19拡大以降、マスク姿はすっかり日常になりました。
そのマスクの弊害としてむし歯になったり、
口臭が悪化したりするのではないか、
などのことが話題になっているようです。
実際そのようなことは起こるのでしょうか。
口の中の唾液量が減り乾燥するとむし歯、口臭の原因になります。
マスクで口を覆うことは逆に口の中の湿度を保つことに役立つでしょうから、
マスクそのものがむし歯や口臭の原因になるというのは根拠がありません。
しかし、with コロナでの生活様式により
口の中が乾燥し易くなっている可能性は考えられます。
例えば、マスクをつけ感染に警戒している状況では意識しないと
水を飲む機会が減るかもしれません。
また、三密を避けることで人と話す機会が減少すると
口の回りの筋肉が衰えることが考えられます。
なかには、感染を警戒するあまり、マスクを何重にもするため息苦しくなり、
口呼吸になってしまう方も見受けられます。このような状況は、
唾液分泌の減少を招くものです。
さらに、ストレスでも唾液の分泌量が減ることがわかっていますが、
with コロナの先の見えない状況でストレスを感じ、
唾液の分泌量が少なくなっている人が増えているのかもしれません。
感染拡大により歯科受診を控えざるをえない状況も
お口の状態に悪影響を与えているでしょう。
ところで、日頃の歯磨きはコロナ時代でもお口の健康を維持する有効手段です。
その歯磨きについてですが、同時に同じ洗面所を複数人が利用して歯磨きを
することに起因すると思われるクラスターも、報告されています。
歯磨きで周囲に飛ぶ飛沫が関係していると思われます。
歯を磨くとき歯ブラシを持たない方の手で口を覆ったり、
口の中のものを吐き出すときに顔をシンクに近づけて
低い位置で行うことが飛沫拡散防止になります。
飛んでしまった飛沫については、アルコールを含むウエットティッシュで
鏡やシンク周りを拭いておけば、次の人も安心して使用できます。
COVID-19から身を守りつつお口の健康も守る。
そのためにも、マスクはしっかり着用、口が乾いたなと思ったらこまめに水分補給、
そして周囲への思いやりを重視した口腔ケア。
以上を徹底してコロナ禍を乗り切りましょう。