2021/08/12
こんにちは、歯科医師の村重です。
暑さの厳しい日が続いていますが、皆様お変わりないでしょうか。
本日は前回に引き続いて、キシリトールのお話。
キシリトールの上手な使い方について紹介します。
口腔の健康を保つ手段として最も重要なことが4つあります。
それは、
⑴歯を磨く
(ブラッシング)
⑵フッ化物配合歯磨き剤を上手に使う
(フッ化物の応用)
⑶発酵性の食品が口に中にとどまる時間を短くする
(正しい食生活)
⑷これらの手段がきちんと機能しているかチェックする
(定期的歯科健診)
これは子どもでも大人でも基本的に同じで、
変わることはありません。
すなわち、手や顔を洗い、体の清潔を保つことと同じように、
⑴歯の清潔を保つための基本であるブラッシング
⑵歯を硬くしてむし歯になりにくくするためのフッ化物の応用
⑶体や精神の健康を守るための基本である正しい食生活
⑷その効果判定のための歯科医院での定期的健診は、
生涯を通じて行わなければならない大切なことと言えます。
それでは、キシリトールはこれらのどこに位置するのでしょうか。
キシリトールを使う(食べる、摂取する)ことは、
前述の健康な歯を守る方法に取って代わるものではありません。
ただし、キシリトールを常用することは、
これらの手段の効果を向上させます。
例えば、キシリトールは歯垢を剥がしやすくするため、
ブラッシング効果を上げますし、フッ化物と一緒に使うことにより、
歯を硬くする効果を向上させます。
キシリトールの効果が期待できるお菓子は、
ガムかタブレット(錠菓)に限られます。
これ以外のお菓子や食品、例えば、ケーキやジュース類に
キシリトールが含まれていても、むし歯予防の効果は期待できません。
なぜなら、ガムやタブレット以外でキシリトールが口の中に
長くとどまるものがないからです。
また、これらのお菓子には、キシリトールが
できるだけ高濃度(50%以上)で含まれていることと、
砂糖などの発酵性の甘味料が含まれていないことが必要です。
ですから、「シュガーレス」表示を確かめるか、
パッケージの成分表示をよく見て、糖類が0gであることと、
糖質中におけるキシリトールの割合が50%を超えていることを確認してください。
キシリトールを摂取していれば虫歯にならない、
というわけではないため注意が必要ですが、
日々のオーラルケアにくわえて上手に用いることで
皆さんの口腔の健康に役立ててもらえればと考えています。