2022/02/10
こんにちは。歯科医師の村重です。
今回は、前回に引き続いて
食形態についての内容となります。
前回は常食からきざみ食と言われる
形態までについてご紹介させて
もらいました。
きざみ食と言われる形態の先には
所謂ミキサー食、ペースト食と言われる
形態があります。
これは摂食・嚥下リハビリテーション学会の
2-1、2-2にあたり、次のような特徴があります。
(栄養指導Naviより)
[2-1]
形態:
均質でなめらかで、
べたつかず、まとまりやすいもの
スプーンですくって食べることが
可能なもの
特色:
口腔内の簡単な操作で食塊状となるもの
(咽頭では残留、誤嚥を
しにくいように配慮したもの)
主食の例:
粒がなく、付着性の低い
ペースト状のおもゆや粥
必要な咀嚼能力:
下顎と舌の運動による
食塊形成能力および食塊保持能力
[2-2]
形態:
べたつかず、まとまりやすいもので
不均質なものも含む
スプーンですくって
食べることが可能なもの
特色:
口腔内の簡単な操作で食塊状となるもの
(咽頭では残留、誤嚥を
しにくいように配慮したもの)
主食の例:
やや不均質(粒がある)でもやわらかく、
離水もなく付着性も低い粥類
必要な咀嚼能力:
下顎と舌の運動による
食塊形成能力および食塊保持能力
続いてゼリー食、ムース食、
とろみ水と言われるものです。
これは、学会分類で0j、0t、1jにあたり
以下のような特徴があります。
[0j]
形態:
均質で、付着性・凝集性・
かたさに配慮したゼリー
離水が少なく、スライス状に
すくうことが可能なもの
特色:
重度の症例に対する評価・訓練用
少量をすくってそのまま丸呑み可能
残留した場合にも吸引が容易
たんぱく質含有量が少ない
主食の例:
ー
必要な咀嚼能力:
若干の送り込み能力
[0t]
形態:
均質で、付着性・凝集性・
かたさに配慮したとろみ水
(原則的には、中間のとろみあるいは
濃いとろみのどちらかが適している)
特色:
重度の症例に対する評価・訓練用
少量ずつ飲むことを想定
ゼリー丸呑みで誤嚥したり
ゼリーが口中で溶けてしまう場合に適応
たんぱく質含有量が少ない
主食の例
ー
必要な咀嚼能力
若干の送り込み能力
[1j]
形態:
均質で、付着性・凝集性・かたさ・
離水に配慮したゼリー・プリン・
ムース状のもの
特色:
口腔外で既に適切な食塊状となっている
(少量をすくってそのまま丸呑み可能)
送り込む際に多少意識して
口蓋に舌を押しつける必要がある
0j に比し表面のざらつきあり
主食の例おもゆゼリー、
ミキサー粥のゼリーなど
必要な咀嚼能力
若干の食塊保持と送り込み能力
摂食嚥下障害のある人にとって、
その病態や程度に応じた食形態による食事を
提供することが、可能な限り安全に口から
栄養摂取をすることにつながります。
次回は、水分に付与する
トロミについてご紹介したいと思います。