ブラキシズム

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

ブラキシズム

さて、もう季節は6月、初夏ですね。

まだまだ朝晩はひんやり、でも日中はメチャクチャ熱いっていう、

気温差がかなり激しい時期ですが、みなさん体調を崩してはいませんか?

そういう僕は、しっかりと風邪を引いてしまいました。

 

あっ、自己紹介が遅れました。

こんにちは、しっかりと体調を崩した歯科医師の久貝です。

 

最近診療をしていて、よく見る気がする症状なんですが、

皆さんは「歯ぎしり」をしますか?

患者さんに

「噛むと歯が痛いんです」、「頭痛がするように、ジーンとするんです。」

「メチャクチャ痛いわけじゃないけど、重い鈍痛が・・・」

「硬くて甘いものをかむとしみるんです。でも冷たい物がしみて痛いワケではない。」

などの症状を言われることが最近多いです。

 

口腔内を見て、ドコかが虫歯っていうわけでは無く。

レントゲンを撮ってみても虫歯がなく・・・

っていう事が多いんですよね。

 

そんで、口腔内の歯を見ると「摩耗の跡」、「頬粘膜に歯形」、「舌縁にも歯形」

ひどい場合なら、開口時に顎関節がカクカクとクリック音が生じる。

 

それを踏まえ、「はぎしりする?」と患者さんに聞いても無自覚であったりします。

無意識のことなので、なかなか防ぐのが難しいですね。

 

それなのに体に対する影響は結構大きいのです。

ブラキシズムは、歯・歯肉・歯槽骨(歯を支える骨)と

その周囲の組織にさまざまな影響や弊害を及ぼします。

 

歯や周囲の骨などが受け止める咬む力は、

強い人では70kgを超えるようなとても大きな力です。

ブラキシズムの場合、その大きな力が持続的に加わるため、

硬い物を食べるときのように一瞬だけ強い力がかかる場合よりも、

ずっとおきな影響がでるのです。

ブラキシズムにより激しく歯どうしをこすりあわせるために、

硬いはずのエナメル質もすり減ってしまい、中の象牙質が見えてきています。

 

ときどきしみたりしますし、残ったエナメル質の部分が薄くなって強度が落ち、

歯が割れやすくなります。

もっとすり減ると、露出した“歯髄”という歯の神経に細菌が感染し、

歯髄に炎症が起こってしまいます。

 

また、力の影響で歯髄が死んでしまったり、歯の根の先端に炎症が起きることがあります。

腫れたり、咬むと痛みが出たりします。

 

強力な力で激しくこすり合わせることにより、歯そのものが割れてしまうこともあります。

歯髄が残っている場合、強度が落ちてくるため、いっそう割れやすいのです。

 

割れてしまうと、治療のしようがなく、残念ながら抜歯しなければならないことが多くなります。

上では歯に対する障害だけを説明しましたが、他には歯周組織への影響もあります。

 

歯周病にかかっている歯に、さらにブラキシズムによって横揺れの大きな力が加わると、

急速に歯肉や歯槽骨の状況が悪化することがあります。

 

更に、顎の関節や顔面の筋肉などに悪影響を与えることもあり、

頭痛や肩こりといった症状と関係していることもあるのです。

 

そういう場合は、マウスピースを進められることが多いと思いますが、

そのマウスピースってどんなん?・・・・って思いますよね。

 

歯ぎしり用マウスピースは、歯にはめることにより

上の歯と下の歯が当たったときの衝撃を和らげてくれます。

つまり歯ぎしりや食いしばりをしてしまっても、

何もつけていない状態より負担が軽いということ。

これにより歯ぎしりによる歯や身体への影響を軽減してくれます。

 

覚えておきたいのは、マウスピースは歯ぎしりを治すものではないということ。

あくまで「負担を和らげる」ためのものです。

 

もしも、ご自身の口腔内のことで、わからない事があれば

タニダ歯科の検診をご利用して頂ければ幸いです。