2022/10/06
こんにちは。歯科医師の西田です。
朝晩だいぶ過ごしやすい気候となってきました。
食欲の秋の到来です。
今年の夏は異例の早さの梅雨明けから始まった猛暑の夏でした。
お疲れの溜まっている方も多いでしょう。
そんな時期によくお口の粘膜に発生する痛~い口内炎について、
今日はお話ししていこうと思います。
口内炎とは、
文字通り「口の中の粘膜に起こる炎症」のこと。
口内炎は、頬の内側や舌、唇など
口の中ならどこでもできる可能性があります。
イランの研究では、
最も多いアフタ性の口内炎の有病率は25.2%と報告されています。
また、スウェーデンの報告でも有病率は17.7%と報告されており、
4~5人に1人は口内炎にかかっていると推測されます。
では、口内炎の原因は何でしょうか?
原因不明のことも多いですが、
お口の中を噛んでしまった、入れ歯や虫歯などがある、やけど、
食べ物や薬などへの過敏症、栄養の偏った食事、
唾液の減少、ストレスや生活リズムの乱れ、
クローン病・ベーチェット病などの疾患などが、原因になりえます。
口内炎の治療について。
いわゆる「口内炎」の原因によっても大きく異なりますが、
代表的な薬や治し方は以下の通りです。
①塗り薬で治す方法。
口内炎は「口の中の炎症」なので、炎症を抑える治療が基本になります。
ステロイドの塗り薬を使うことが一般的ですが、
口の中で膜を張るような塗り薬や、貼るタイプで
なめとられないようにする薬などが使用されます。
②うがい薬で治す方法。
口内炎で使われるのは炎症を抑える成分を含むうがい薬です。
③飲み薬
鉄欠乏性貧血やビタミン・亜鉛不足により口内炎が繰り返す場合は、
内服薬でコントロールする場合があります。
また、口腔内ヘルペスの場合は抗ウイルス薬が必要になることも。
④歯科治療。
口内炎の原因によっては、
歯の矯正や入れ歯の素材の入れ替えなど、
歯の治療が必要になるケースがあります。
また、治りにくい場合などは口内炎に似た別の病気である可能性もあります。
扁平苔鮮・類天疱瘡・白板症・癌が疑われる場合などは、
口腔外科への受診が必要となります。
では、毎日の生活で何に気を付けたら良いのでしょうか?
食事のバランスに注意し
(刺激物を控える、粘膜の再生を促すビタミンB群や葉酸を含む食べ物を摂る、鉄や亜鉛などのミネラルを摂る)、
お口の中を清潔に保つ、生活リズムを整えてストレスを軽減するなど、
健康的な生活を意識して送ることが大切なようです。