2022/12/08
こんにちは、豊原です。
早いものでもう師走、年の暮れですね。
サッカーワールドカップも盛り上がり、日本の選手の皆さんの
熱いプレーに感動しましたね!やはりスポーツって良いなぁと
改めて実感した方も多いのではないでしょうか?
さて、今回も睡眠時無呼吸症候群について第二弾です。
激しいいびきや昼間の眠たさなどで
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、
睡眠外来や呼吸器内科、耳鼻咽喉科の受診が必要です。
それらの専門医では睡眠の質や睡眠中の呼吸の状態を
調べるために検査が行われます。まずは、問診ののち
簡易検査としてスクリーニング検査を行います。
その後必要なら精密検査として
睡眠ポリグラフ検査を入院下で行います。
簡易検査は、携帯用の医療機器を用いていびきの状態や
空気の流れを感知するセンサーを鼻の下に、
血液中の酸素濃度を測る機器を指に装着した状態で眠り、
睡眠中の呼吸状態や上気道の狭窄の有無を評価する検査です。
一方、精密検査では医療機関に入院した上で、
睡眠ポリグラフという脳波や心電図、眼球や胸の動き、
口と鼻の空気の流れ、血液中の酸素濃度を測るセンサーを
装着した状態で眠り、睡眠中の姿勢やいびきの音などを調べます。
簡易検査よりも睡眠の質や呼吸状態をより詳しく
評価することができるので、それを元に、
睡眠時無呼吸症候群の重傷度や性質を診断し、
治療方針を決定します。
その他、睡眠時無呼吸症候群が喉や鼻、舌の異常によって
引き起こされることもあるため、X線検査やCT検査などで
器質的な異常がないことを確かめることもあります。
正常な人の睡眠では、90分サイクルで
ノンレム睡眠とレム睡眠が表れます。
ノンレム睡眠では副交感神経が優位となり、
身体も脳も休息状態になり、ノンレム睡眠状態の導入部では
成長ホルモンが分泌されます。成長期の子供には
もちろん大切なホルモンですが、成人にとっても
身体の疲労回復や肌の美容には欠かせないホルモンになります。
90分サイクルの後半ではレム睡眠が表れます。
この間にヒトは夢を見ます。この時は脳は覚醒に近い状態です。
この90分サイクルをヒトの一回の睡眠では4サイクルほど
繰り返すのですが、3サイクル目や4サイクル目では
このレム睡眠期が長くなり、その間に前日の記憶の整理を
したりなどの脳内情報バックアップがなされます。
このようにノンレム睡眠とレム睡眠がバランス良く表れることで
ヒトは心身の健康を保ちます。
一方、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、睡眠時の呼吸障害により
その都度睡魔が分断されるため、90分サイクルが表れず、
深睡眠も得られずレム睡眠も少ない傾向となります。
このため、心身の疲労が回復せず、日中生活にも影響を及ぼします。
さて、年末も近くなり師走らしい忙しい日々が続きますが、
皆様におかれましてはお身体に気をつけて、
素敵な年末年始をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願い致します。