2023/01/05
明けましておめでとうございます。
歯科医師の西田です。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
さて、年も明け、寒さが本格化してきました。
暖房器具のフル動員でお部屋の中はポカポカですが、
ずっと屋内で過ごしていると、お肌の乾燥が気になりますね。
お肌だけではなくて、
お口の中も乾燥しがちな方もいらっしゃるかもしれません。
そんなあなたは口腔乾燥症かもしれません。
今日は意外と多い口腔乾燥症についてお話ししていきます。
日本口腔外科学会のホームページを開いてみますと、
口腔乾燥症とは、唾液の分泌が低下して、口が乾いた状態をさす、とあります。
広い意味での口腔乾燥症は、唾液の分泌の低下だけでなく、
口が乾いていると自覚する症状全てをさします。
その症状は軽い場合は、
口の中のネバネバ感、ヒリヒリ感、入れ歯を入れにくい、唇が切れる、
味覚異常、歯垢の増加、口臭が強くなる、などです。
重度になると、お口の中の乾きが進行し、
痛みで食事が摂れなくなる、会話し辛い、不眠になるなどの障害も現れます。
1日に約1~1.5L出ると言われる唾液ですが、
自浄作用、消化作用、抗菌作用、粘膜保護作用など
お口の中を守る大切な作用があります。
そのため、唾液の減少によってお口の中の衛生状態が悪くなり、
虫歯や歯周病や口腔カンジダ症などを発症しやすくなります。
では、なぜ唾液が出にくくなってしまうのでしょうか?
原因はさまざまで、
糖尿病や腎不全などの病気や
シェーグレン症候群などの唾液腺の萎縮する病気のため起こることもあれば、
加齢、ストレスや筋力の低下、
抗うつ薬や降圧剤や
降パーキンソン薬などの薬剤の副作用、口呼吸で起こることもあります。
治療としては、
糖尿病などの病気の影響が考えられる場合は病気の治療を優先します。
乾燥や痛みなどの症状を和らげるためには、
保湿ジェルなどを用いたお口の中の保湿、ガムを噛む、
顎の下の唾液線をマッサージで刺激するなどの方法があります。
また、積極的に水分を補給するよう心がけるのも、有効な方法です。
訪問歯科では、
お口の乾燥の強い方に、口腔ケア時に、保湿ジェルの使用や唾液線マッサージを行い、
お口の中の爽快感と潤いを取り戻していただいています。