2023/09/28
こんにちは、歯科医師の西田です。
厳しい残暑が続きますが、
皆さまお変わりはないでしょうか?
先頃、訪問先で、
お勧めのハミガキ材はないか、
とのご質問を受けましたので、
今日はこれをテーマに話を進めて行こうと思います。
ハミガキ材には、
歯みがき粉、液体ハミガキ、洗口液の3種類があります。
まず、歯みがき粉と液体ハミガキについてお伝えします。
上記2つは、歯磨きの開始前に使用します。
(洗口液は歯磨き後に使用するもので、
使用目的が上の2つとちょっと異なります。)
含まれる成分は研磨剤や発泡剤、
アルコール・IPMP・CPCなどの殺菌成分、
フッ素など、製品により様々です。
研磨剤は、
クリーム状の歯みがき粉に含まれることが多く、
ジェル状の歯みがき粉や液体ハミガキには含まれません。
研磨剤は、
歯の表面の着色を容易に落としますが、
歯面を傷つけることもあります。
歯や歯茎を優しくケアしたい方には
研磨剤を含まないものがお勧めです。
また、虫歯の予防をしたい方には
フッ素入りのものをお勧めします。
殺菌効果を期待したい方には、
アルコールやCPC配合のものがよいでしょう。
ただし、唾液の少ない方や粘膜の敏感な方には
アルコールは刺激が強いため、お勧めしません。
プラークの生成阻害を目的にするのなら
塩化ベンゼトニウム配合のものを、
プラークを軟化させるのなら
IPMP配合のものがお勧めです。
(塩化ベンゼトニウムとIPMPは殺菌力がやや弱めです。)
次ぎに、
洗口液と液体ハミガキについてお伝えします。
洗口液と液体ハミガキは使うタイミングが違うので、
用途がちょっと違います。
液体ハミガキは、歯磨き前に使用し、
歯磨き後は水ですすぐ必要はありませんが、
気になるならばすすいでも問題ありません。
洗口液は、歯磨き後に使用するもので、
適量をお口に含んで20~30秒間すすぐと、
ミクロの汚れやネバネバを洗い流してくれます。
洗口液は磨き残し対策として、
日常の歯磨き後の仕上げとして使いましょう。
一見するだけでは
見分けにくい洗口液と液体ハミガキですが、
購入する際は
パッケージの裏面をしっかりチェックして見分けましょう。
洗口液なら「磨いた後ですすぐ」、
液体ハミガキなら「すすいだ後で磨く」など、
明記された使用法で判断がつきます。
購入される時は、目的にあった歯磨き材を、
パッケージの成分表や使用法を頼りに選んでください。
歯みがき粉と液体ハミガキは基本的に同じものなので、
併用するよりは、
どちらか一方を使用するようにしましょう。