2023/11/09
こんにちは、訪問歯科医師の西川です。
急に秋が深まり1日の寒暖差も大きく、体調管理が少し難しい季節ですね。
今回は、体調にも関係するいわゆる『幸せホルモン』についてです。体の健康を保つためには心の健康も大切です。
「幸せホルモン」と称される伝達物質の中で代表的な「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」についてご紹介いたします。
幸福感について
幸福感は脳内ホルモンと呼ばれる神経伝達物質の働きによってもたらされます。
今日もがんばろう♪というポジティブで前向きな気分
⇒セロトニン的幸福:心と体の健康を支えてくれます
家族や友人、ペットなどといて楽しいなと感じる
⇒オキシトシン的幸福:つながりや愛情などをもたらしてくれます。
目標達成した快感
⇒ドーパミン的幸福:成功や報酬といった快楽です。
それでは、「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」3つの脳内ホルモンについて詳しくみていきましょう。
セロトニン
体内時計を整えるために非常に重要な脳内ホルモンが「セロトニン」です。
セロトニンには、不安感を和らげて精神を安定させる働きがあります。朝目覚めたときに「今日もがんばろう♪」というポジティブで前向きな気分をもたらしてくれます。分泌が不足すると、イライラしたり落ち着きが無くなったり、衝動的、攻撃的になったり、うつ病を発症させたりします。
また、睡眠を導く「メラトニン」というホルモンの材料にもなります。このメラトニンは、睡眠中に免疫力を高めたり、強い抗酸化作用によって体を守ったりします。
セロトニンは、心と体の健康の基本となるものです。昼夜逆転生活や不規則でバランスの悪い食生活など、生活習慣が乱れることによりセロトニンの不足を招きやすくなります。
セロトニンの分泌UP方法
タンパク質をとる
アミノ酸の「トリプトファン」が材料になっているため、肉や魚、大豆製品などからタンパク質をしっかりとりましょう。
これらの食品を一気に食べるのではなく、毎日の食事にプラスすることが大切です。
また、セロトニンの合成には、タンパク質だけではなくビタミンB6やマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)などの栄養も必要なため、次のような食品も摂取しましょう。
ビタミンB6を含むおもな食品:カツオ、バナナ
マグネシウム(Mg)を含むおもな食品:ひじき、炒りごま
亜鉛を含むおもな食品:きな粉、切り干し大根
セロトニンを増やすためには、このようにさまざまな栄養をバランス良く摂取することが大切です。
さらに、食事をする際にしっかり噛んで食べると、セロトニン分泌が活発になります。食事以外でも、ガムを噛んでセロトニンを増やすのも手段としてよいでしょう。
朝は太陽の光を浴びる
朝、太陽の光が脳の視交叉上核という部分に刺激が伝わることで、セロトニンの分泌が促されます。毎朝同じ時刻に太陽の光を浴びることが重要です。休日に寝坊していると体は不調を招きやすくなります。
リズム運動
朝に、リズムを刻むウォーキングやサイクリングなどといった運動をすると開始約5分でセロトニンの分泌が活性化されて、20~30分でピークを迎えます、そのため、リズム運動は、20~30分継続して行うのがおすすめです。
深呼吸をして息を吐くことも、セロトニンの増加につながります。息を吐く際には、口をすぼめてしっかり息を吐き切ることをイメージするのが大切です。
オキシトシン
愛情ホルモンとも呼ばれており、分娩時に子宮の収縮を促すことや乳腺を刺激して母乳の分泌を促す働きがあることから、女性の出産期に必要なホルモンとして知られてきました。
近年では、このオキシトシンが老若男女のストレス状態を軽減させ、不安や心配などを緩和させてくれるなどといった働きがあることが分かってきました。
また、オキシトシンが十分に分泌されているとセロトニンの分泌も増えて、相互作用によりストレス緩和につながります。愛情や人とのつながりなどがあることで精神が安定します。
オキシトシンの分泌UP方法
スキンシップを図る
⇒家族やペット、パートナーなどとのスキンシップはオキシトシンが分泌されるといいます。
タッチケア
⇒家族やペット以外でも、マッサージなどでも分泌が促進されるといいます。
グルーミング
⇒人が一箇所に集まってコミュニケーションを楽しむことグルーミングといいます。コミュニケーションを通して分泌が促されます。
ドーパミン
ドーパミンは快楽物質とも呼ばれていて、楽しいことをしている時や目標を達成したとき、褒められたときなどに分泌されます。やる気を出してくれるのも役割の一つです。
ある行為でドーパミンが放出されて快感を得ると、脳がそれを学習して、再びその行為をしたくなります。さらに大きな快楽を得ようとして努力をするようになります。
幸せホルモンの分泌アップして、心も体も元気になりましょう。