2023/11/30
こんにちは。
訪問担当歯科医師の岩本です。
一昨日、11月28日は
「いい(11)唾液(28=つば)の日」でした。
日本唾液ケア研究会が日本記念日協会に申請し、
2021年に認められた、まだ新しい記念日です。
ということで
今回は唾液についてのお話です。
唾液は、99.5%の水分と、0.5%の有機・無機成分から成り立っています。
無機成分は
カルシウム、リン酸、ナトリウム、重炭酸塩など
有機成分は
ムチン、IgA、ラクトフェリン、リゾチーム、ヒスタチン、リパーゼなど
が含まれます。
これらの成分によって
唾液は多種多様の力を発揮します。
◎自浄作用・・・食後の食べかすを洗い流す
◎抗菌作用・・・口腔内の細菌繁殖を抑制する
◎ph緩衝作用・・・食事によって酸性に傾いたphを中和し虫歯や歯周病を抑制する
◎再石灰化作用・・・初期のごく小さい虫歯を修復する
◎消化作用・・・酵素アミラーゼがでんぷんを分解し消化しやすくする
◎潤滑作用・・・粘性物質ムチンによる発音のサポートや粘膜の保護
◎溶解作用・・・食物を嚥下しやすい大きさにし正常な味覚をもたらす
◎粘膜修復作用・・・成長因子の働きにより口腔内の損傷を修復する
唾液がその力を存分に発揮するには、
十分な分泌量が必要となります。
唾液分泌を促進する方法として、
代表的なものに唾液腺のマッサージがあります。
口腔内には3つの大唾液腺があり、
この部分をやさしくマッサージすることによって
唾液の分泌が促されます。
また、口腔内の粘膜表面にもたくさんの小唾液腺があるため、口腔ケアなどの際に粘膜表面を清拭(マッサージ)することによっても唾液の分泌は促されています。
唾液分泌を促すツボというのもあります。
『湧泉(ゆうせん)』
足の指を曲げたときに足の裏にできる「人」の字の中央、
少し凹むところにあります。
少し強めにひと押し10秒~1分ほど、刺激を加えます。
足のむくみ、全身のだるさ、ストレスにも有効です。
『頬車(きょうしゃ)』
下あごの角の骨から指1本分上の内側です。
左右のツボに両手の中指をあて、皮膚を持ち上げるように押します。
頬のたるみ、歯ぎしりの改善にも役立ちます。
唾液の分泌量は
加齢、ストレス、喫煙、
その他不健康な生活習慣などによって
減少傾向となり
有用な成分の含有量も少なくなるため
虫歯が増えたり、歯周病の悪化を招きます。
生活を整えることと共に、
簡単にできるセルフケアを取り入れてみるのも良いと思います。