2024/03/14
こんにちは
歯科医師の法貴です
3月も半ばになり新生活の準備をしている方も大勢いると思います。
まだまだ冷え込む日が続いているので体調を崩さない様に気をつけて下さい。
今回は嚥下についてです。
「嚥下」とは「飲み込み」のことで、
口の周囲や舌、首などの筋肉を使い、
食べ物や飲み物を食道まで送り込む一連の動きのことを言います。
嚥下機能は年齢とともに徐々に弱くなっていきます。
高齢者の方で食事の時にむせたり咳き込んだりしてしまう方が多いのは、
嚥下機能が衰え、通常食道へいかなければいけない物が
気管へ入り込んでしまうためです。
食べ物を認識してから口を経由し、
胃の中へ送り込む一連の動作(摂食嚥下)は5段階に分けられます。
先行期(認知期)
食べ物を認知し、口の中に取り込むまでの段階。
食欲を感じ、唾液の分泌や消化管の運動を促す大切な段階です。
準備期
食べ物を歯で噛み砕き、食べやすく形成する段階。
口に取り込まれた食べ物は舌と歯を使って咀嚼され、
唾液と混合されます。
口腔期
食べ物を喉に送り込む段階。
舌を口の内側に付けることで口腔内の圧を高め、
食べ物を喉に送り込む動作を促します。
咽頭期
食べ物を喉から食道へ運ぶ段階。
「誤嚥」とはこの段階で起きるため、
まさに嚥下のポイントと言えます。
食道期
食べ物を食道から胃へ送り込んでいく段階。
食道の入り口部分の筋肉が収縮することで、
食べ物が逆流しないように閉鎖します。
一般的に「嚥下」と呼ばれているのは口腔期以降の段階で、
ここで嚥下障害が起こると食べ物をうまく飲み込むことができないため、
食事の途中でむせてしまうことが多くなります。
症状が進むと次第に咀嚼力が衰え、
食事の量が減り栄養が偏ってしまうことで、低体重や低栄養、
骨粗鬆症になりやすくなります。
また、固形物だけでなく水分を摂取した際にも
嚥下障害が起こるようになると脱水症状を招くこともあるのです。
高齢者にとって嚥下障害で最も怖いことは、
嚥下障害が「誤嚥性肺炎」に直結することです。
誤嚥性肺炎は誤って気管支内に逆流した飲食物によって
気管支の粘膜が傷つけられ、炎症を起こしてしまう病気です。
嚥下障害によって細菌を含んだ痰が気管支内に入り込む危険性が高くなります。
検査をすることで今の現状がわかることもあります。
何かわからないことがあれば気軽に相談してください