2024/04/18
こんにちは、川村です。
最近、日中暖かくなってきました。
職場近くのスーパーで、アイスが食べたくなり久しぶりに
アイスを食べました。
ということで、アイスといえば冷たい、冷たいといえばしみる、
しみるといえば、知覚過敏症。
知覚過敏についてです。
象牙質知覚過敏症(Hypersensitive Dentin (Hys))のことで、
歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲食物、甘いもの、
風にあたった時などに歯に感じる一過性の痛みで、特に齲蝕(虫歯)や
歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がない場合にみられる症状を言います。
歯というのは、表面をエナメル質という組織で覆われています。
しかし、エナメル質という組織は歯の全周を覆っているわけではありません。
エナメル質の下には象牙質という組織があります。
この象牙質ですが、エナメル質とは違いがあります。
有機質・無機質の割合、硬度など違いは多数ありますが、
今回のことで言えば、細管の存在です。
象牙質には、象牙細管(象牙質にある細い管)と呼ばれる構造物あります。
電子顕微鏡でしか見えない小さな物です。
この象牙細管は歯髄(歯の神経)の所までつながっています。
つまり、この象牙細管に刺激が伝わってしまうと
神経が感じてしまいしみてしまうのです。
ちなみに、エナメル質には細管はありません。
通常、象牙質はエナメル質に覆われているので、
こうした痛みを感じることはありませんが、
極端に冷たいものなどではエナメル質の上からでも温度が
内部の象牙質に伝わって、歯が痛みを感じることもあります。
しかし、様々な理由で象牙質が露出すると、
刺激が神経に伝達されやすくなり、知覚過敏が生じるようになります。
象牙質が内部の神経にまで刺激を伝えるのは、
象牙質の中にある無数の小さな管状の構造物があることによります。
この小さな空隙は加齢などにより、少しずつ塞がってくることもあります。
このような場合には知覚過敏は起きません。
したがって象牙質が露出している時には必ず知覚過敏が
起きるということではありません。
歯肉が退縮して歯が長く見えてしまった高齢の方全員が、
しみる症状がでているかというと・・・、必ずしもそうとは言えません。
1.歯肉退縮
歯肉の位置は加齢とともに少しずつ下がってきます。
それに伴って歯根が露出し、象牙質がむき出しの状態になります。
このような象牙質表面では、歯ブラシが触れたり、温度変化などの刺激で痛みを
感じることがあります。
持続時間は長くても1分以内で、時間が経てば痛みは消失します。
歯の表面に歯石がたくさん付いているような場合、それを取り除いた時にも同様
の状態となり、歯石をとっている時にも器具が象牙質表面に触れたり、水をかけ
て処置をするので、知覚過敏と同様の痛みを感じることがあります。
2.破折
歯が破折してしまい象牙質が露出することがあります。
破折時には、残っている歯に亀裂が入っていることもあります。
亀裂の状態にもよりますが、歯の神経の部分にまで細菌が侵入して
炎症を起こすこともあります。
3.摩耗、酸蝕症による象牙質露出
摩耗、酸蝕によりエナメル質がなくなると象牙質が露出します。
すり減り具合により症状が出る場合があります。
1.知覚過敏用歯磨きの使用
歯の神経の周囲をカリウムイオン(K+)が多く取り巻いていると
神経の細胞が興奮しにくくなるということを利用し、
硝酸カリウムという成分を配合した歯磨き剤を継続使用していきます。
2.知覚過敏抑制剤の塗布
露出した象牙質の内部の小さな空隙を、歯と同じような成分の結晶や、
その他様々な物質で封鎖することで、歯の神経への刺激の伝達が
遮断されて伝わりにくくなります。
3.露出した象牙質の被覆
知覚過敏のある象牙質表面を樹脂やセメントで被覆します。
4.抜髄
知覚過敏は一過性の痛みですが、痛みの持続時間が比較的長いような場合や、
その痛みが非常に激しい場合には、歯の神経を取ることもあります。
あくまでの最終手段になります。
基本的には虫歯ではないので、削って治すことはありません。
表面をコーティングする方法が一般的です。
しかし、あくまでもコーティングなので、歯磨きなどの原因で
剥がれることがあります。
口腔内は、過酷な環境なのです。
必要に応じ重ね塗りが必要な場合もあります。
もちろん虫歯が原因で歯がしみることはあります。
気になる方は早めに診てもらいましょう。