診療設備・器具

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

診療設備・器具

こんにちは。訪問歯科医師の村山です。
歯科医院に入ると特有のにおいと音がしませんか。また診療台へ腰かけるとその周囲には多くの器具が配置されています。これらは術者が治療をしやすいように、だけではなく患者様の安全確保や、疲労感軽減にも配慮された構造となっているのです。

上の図は全てを合わせて歯科用ユニットと呼びます。歯科治療が能率的かつ精密に行うことができるよう、切削装着(歯を削る器械のこと)・給排水などの器械・器具を集約した装置が歯科用ユニットです。キャビネットテーブルは患者様の背面や横に設置されることが多く、診療エリアの隔壁として大型で固定されたキャビネットと、移動可能な小型のキャビネットテーブルとがあります。これらは歯科治療に必要な滅菌消毒された器具や材料、薬品など整理する戸棚としての機能のほか、術者やアシスタントの作業台として使用します。患者様のチェアは背もたれと足元を別に動かすことができ、体調不安や腰痛などに応じ角度を微調整します。フットスイッチによって手を使わずに術者は患者様の姿勢を操作する場合もあります。治療が開始された後でも、「少し起こしてほしい。」といった希望があれば術者にお伝え下さい。

 

こちらは歯科基本診査セットです。上から順に歯科用ピンセット、デンタルミラー(歯鏡)、エキスカベーター、ストッパー(練成充塡器)、エキスプローラー(歯科用探針)といいます。歯科用ピンセットは綿やガーゼなどの小材料を口の中へ運搬することに用いたり、歯の揺れに対する検査などにも用います。デンタルミラーは口の中の直視できない部分を映し出して明視(投影)し、光を反射させて術部を明るく照らし(照明)、舌や頬の粘膜を排除するのに用います。エキスカベーターは虫歯の診査・既に軟らかくなった歯質の除去、仮詰め材料の除去などに用います。ストッパーは仮詰め材料使用の際に用い、セメント材料使用でも用います。エキスプローラーは虫歯や歯石、硬組織疾患の有無などの探索時、またはみ出したセメント材料の除去などに用います。歯科医院で使う器具は非常に多く、歯の根の治療、詰め物や被せ物、入れ歯など治療によって使用する器具が異なります。
以上で全ての器具の紹介ができたわけではなく、あくまでも基本の案内となります。私が担う訪問診療では患者様のお部屋や広間など、診療スペースをお借りしますので荷物は最小限に、でも治療は滞りなくできるよう、器具を選別します。緊急時には器具を揃える為に一度病院へ戻ったり、近くのチームで貸し借りしたり、時には別の器具を代用して使用することもあります。訪問車にはたくさんの道具を積んで毎日動いています。