口腔機能低下症について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

口腔機能低下症について

こんにちは。歯科医師の法貴です。

急に暑い日が続いていますが、

体調は崩していないでしょうか?

今回は口腔機能低下症についての話になります。

口腔機能低下症は、う蝕や歯の喪失など従来の器質的な

障害とは異なり、複数の口腔機能の低下による

複合要因によって現れる病態です。

適切な管理と動機づけを行うことで、

さらなる口腔機能低下の重症化を予防し、

口腔機能を維持、さらに回復することが可能となります。

口腔の機能低下を経由して、

全身の機能低下が進行する過程の概念が初めて示され、

口腔の機能低下はオーラルフレイルと表現され,

身体的フレイルの予防には口腔機能の維持が

重要であることが強調されています。

 

 

口腔機能低下症を診断するための口腔機能精密検査の

項目としては、

口腔衛生状態不良口腔乾燥咬合力低下舌口唇運動機能低下

舌圧低下咀嚼機能低下嚥下機能低下

7つの項目がある。

そのうち3つの項目が該当した場合,

口腔機能低下症と診断します。

今回は当院でも実施している項目を紹介します。

 

1口腔衛生状態不良

舌苔スコア

Tongue Coating IndexTCI)を用いて、

舌苔付着程度の計測を行います。

視診にて評価エリアの舌背を9分割し、

舌苔の付着程度を3段階(スコア0 1 2)で評価する。

TCI50%9/18)以上の場合,

口腔衛生状態不良と評価します。

 

2口腔乾燥

口腔粘膜湿潤度検査

口腔水分計ムーカス®を用いて、

舌から10mmの位置でセンサー部を圧着し計測を行う.

3回計測を行い,中央値が27.0未満の場合,

口腔乾燥と評価します。

 

3咬合力低下

残存歯数

口腔内診査により,保存不可(残根や動揺度3

の歯を除いた残存歯が20本未満の場合,

咬合力低下と評価します。

 

4舌口唇連動機能低下

「毎日パタカラ(サンスター)」等を用いて、

pa/ta/ka/をそれぞれ5秒間連続して発音し、

計測を行います。(オーラルディアドコキネシス)。

1秒あたり 6回未満の場合、

舌口唇運動機能低下と評価します。

 

5舌圧低下

JMS舌圧測定器を用いて、

舌圧プローブのバルーンを舌で押し潰し、

3回計測を行い,最大舌圧の平均値が

30kPa未満の場合,低舌圧と評価します。

 

6嚥下機能低下

聖隷式嚥下質問紙

摂食・嚥下に関する15項目の質問に対して、

3段階(A~C)で回答し、

Aの項目が1つ以上ある場合、

摂食・源下障害の疑いありと評価します。

 

何かわからないことがあればいつでも相談してください。