歯周病が全身に及ぼす影響

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

歯周病が全身に及ぼす影響

こんにちは。歯科医師の柏谷です。

前回は歯周病ついて書かせていただきました。

今回は歯周病と全身疾患の関係性について書かせていただきます。

歯周病と心臓疾患・脳血管疾患

歯周病の原因となるのは、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌です。

歯垢は、歯磨きが不十分な部分に付着する

ネバネバした黄白色の粘着物です。

歯周病の炎症によって出てくる毒性物質が

歯茎の血管から全身に入り、

心臓疾患や脳血管疾患の病気を引き起こしたり

悪化させる原因となります。

動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、

ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、

別の原因として歯周病原因菌などの細菌感染も

関連があるとされています。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を

誘導する物質が出て血管内にプラークができ

血液の通り道は細くなります。

プラークが剥がれて血の塊が出来ると、

その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。

脳の血管のプラークが 詰まったり、

頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て

脳血管が詰まります。

歯周病の人はそうでない人の2.8

脳梗塞になり易いと言われています。

歯周病と糖尿病

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。

歯周病の人は糖尿病になりやすく、

糖尿病の人は歯周病になりやすいという相互の関係になっています。

妊娠性歯肉炎

妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれています。

これには女性ホルモンが大きく関わってくるといわれており、

特にエストロゲンという女性ホルモンがある

特定の歯周病原細菌の増殖を促すことと言われてます。

これらのホルモンは妊娠終期には

月経時の1030倍になるといわれており、

このため妊娠中期から後期にかけて

妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。

低体重児出産

妊娠している女性が歯周病になっている場合、

低体重児および早産の危険度が高くなることが言われています。

歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して

胎児に直接感染するのではないかといわれています。

その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、

タバコやアルコール、高齢出産などより高い数字です。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って

気管や肺に飲み込んでしまう発症する肺炎です。

肺や気管は、咳をすることで

異物が入らないように守ることができます。

しかし、高齢になるとこれらの機能が衰えるため、

食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、

その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。

誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、

歯周病菌であると言われており、

誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。