味覚のしくみ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

味覚のしくみ

こんにちは、歯科医師の井畑です。
朝晩の寒暖差もあり、

体調を
整えるのが難しくなってきました。
最近の楽しみは、焼き芋を食べる事です。

砂糖が入ってないのに甘くて美味しいですよね。

今回はどうやって味を感じているのか、味覚の仕組みについてお話しします。

 

・味覚ってどんなものがあるの?

ヒトの味覚には、
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の
「五大基本味」があります。

その中でうま味に関しては、
日本人が発見したと言われています。

昆布の煮汁からグルタミン酸を発見して
「うま味」と名付け、

特許登録されました。
世界的にも「UMAMI」として知られています。

 

・味覚どこで感じるの?

味覚という大役は、舌の表面の味蕾が
その役の大部分を担っています。

味蕾の数は、乳児期には約1万個。
頬の内側や唇にも味蕾が存在しています。

それに対して、成人になると
7,500個ほどに減少してしまうと言われています。

赤ちゃんは大人よりも微妙な味の違いが
感じやすい、ということになります。

また、味覚が発達するのは3~4歳くらいでピークを迎え、

10歳頃までの味の記憶が、その後の味覚の基礎となります。

ピークを迎える前に色々な味の食べ物を経験し、

味覚の引き出しを増やせるようにしましょう。

また、味蕾という組織は、舌の中にある舌乳頭と
呼ばれる所に存在します。

口を大きく開けて舌を見てみます。
舌の表面、舌背があります。

舌には溝があり、細かい点があります。
この点は茸状乳頭、糸状乳頭です。

更に大口を開けて舌の奥をみますと、
ドーム型の膨らみがみられます。

有郭乳頭で7から12個ぐらい並んでいます。

舌側縁の奥には一見ポリープのような
凸凹があります。これが葉状乳頭です。

舌の中には、以上4つの乳頭が存在します。

ただ、その中で1つ、糸状乳頭には
味蕾が存在しません。

また、味蕾は、全ての場所でどのような味でも感じられるとされています。

しかし、舌の部位によって味覚受容体の種類が変わるため、舌の先、根本、

中央部分、左右などの部位によって感じやすい味が異なります。

舌のどのあたりでどんな味を感じやすいかをご紹介します。

ぜひ食事の際に試してみて下さい。

・甘味…舌の先の方

・酸味…舌の奥の側面

・塩味…舌の手前の側面

・苦味…舌の奥の方

・旨味…舌の中央

 

 

 

・味覚が感じにくくなることって
あるの?

舌の前2/3:顔面神経(鼓索神経)
舌の後1/3:舌咽神経
軟口蓋:大錐体神経
という

神経で支配されています。
つまり、これらの神経自身、

あるいは
これらの神経の中枢になんらかの異常が
生じると味覚異常が生じ、

味覚低下が
認められることとなります。

また、ほとんどの味覚異常は末梢性と言われてますが、

味覚異常の原因には様々な原因があります。

・乳頭の萎縮、消失
・加齢など唾液分泌の低下

・カンジダ症
・がん治療(放射線、抗がん剤)より、唾液腺機能   が障害され分泌低下、

などがあり、様々な要因で起こります。

それぞれの原因に合わせて治療をする必要が
ありますので、

気になることは一度相談して
みてください。

必要に応じて、専門医に紹介が必要な場合もあります。