2024/11/14
こんにちは、歯科医師の井畑です。 朝晩の寒暖差もあり、
体調を 整えるのが難しくなってきました。 最近の楽しみは、焼き芋を食べる事です。
砂糖が入ってないのに甘くて美味しいですよね。
今回はどうやって味を感じているのか、味覚の仕組みについてお話しします。
・味覚ってどんなものがあるの?
ヒトの味覚には、 甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の 「五大基本味」があります。
その中でうま味に関しては、 日本人が発見したと言われています。
昆布の煮汁からグルタミン酸を発見して 「うま味」と名付け、
特許登録されました。 世界的にも「UMAMI」として知られています。
・味覚どこで感じるの?
味覚という大役は、舌の表面の味蕾が その役の大部分を担っています。
味蕾の数は、乳児期には約1万個。 頬の内側や唇にも味蕾が存在しています。
それに対して、成人になると 7,500個ほどに減少してしまうと言われています。
赤ちゃんは大人よりも微妙な味の違いが 感じやすい、ということになります。
また、味覚が発達するのは3~4歳くらいでピークを迎え、
10歳頃までの味の記憶が、その後の味覚の基礎となります。
ピークを迎える前に色々な味の食べ物を経験し、
味覚の引き出しを増やせるようにしましょう。
また、味蕾という組織は、舌の中にある舌乳頭と 呼ばれる所に存在します。
口を大きく開けて舌を見てみます。 舌の表面、舌背があります。
舌には溝があり、細かい点があります。 この点は茸状乳頭、糸状乳頭です。
更に大口を開けて舌の奥をみますと、 ドーム型の膨らみがみられます。
有郭乳頭で7から12個ぐらい並んでいます。
舌側縁の奥には一見ポリープのような 凸凹があります。これが葉状乳頭です。
舌の中には、以上4つの乳頭が存在します。
ただ、その中で1つ、糸状乳頭には 味蕾が存在しません。
また、味蕾は、全ての場所でどのような味でも感じられるとされています。
しかし、舌の部位によって味覚受容体の種類が変わるため、舌の先、根本、
中央部分、左右などの部位によって感じやすい味が異なります。
舌のどのあたりでどんな味を感じやすいかをご紹介します。
ぜひ食事の際に試してみて下さい。
・甘味…舌の先の方
・酸味…舌の奥の側面
・塩味…舌の手前の側面
・苦味…舌の奥の方
・旨味…舌の中央
・味覚が感じにくくなることって あるの?
舌の前2/3:顔面神経(鼓索神経) 舌の後1/3:舌咽神経 軟口蓋:大錐体神経 という
神経で支配されています。 つまり、これらの神経自身、
あるいは これらの神経の中枢になんらかの異常が 生じると味覚異常が生じ、
味覚低下が 認められることとなります。
また、ほとんどの味覚異常は末梢性と言われてますが、
味覚異常の原因には様々な原因があります。
・乳頭の萎縮、消失 ・加齢など唾液分泌の低下
・カンジダ症 ・がん治療(放射線、抗がん剤)より、唾液腺機能 が障害され分泌低下、
などがあり、様々な要因で起こります。
それぞれの原因に合わせて治療をする必要が ありますので、
気になることは一度相談して みてください。
必要に応じて、専門医に紹介が必要な場合もあります。