歯周病 × 肥満 = 認知症?

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

歯周病 × 肥満 = 認知症?

こんにちは。訪問担当の岩本です。

 

今回は、歯周病と肥満が認知機能に及ぼす影響についてお伝えします。

 

 

認知症(認知機能障害)は世界で最も罹患者数の多い神経疾患ですが、未だに有効な予防法や治療法は確立されていません。

 

 

しかし、認知症の発症メカニズムの一つとして、脳内で起こる炎症が関与しているのではないかと考えられています。

 

 

さて、『肥満』ですが、全身に軽度の慢性炎症を引き起こすことで、様々な疾患のリスクを高めるとされています。

 

『歯周病』は局所の炎症性疾患であるにもかかわらず、原因となる歯周病菌やその産生する毒素が全身性の慢性炎症を引き起こし、心血管疾患や糖尿病などの疾患と関連することが報告されています。

 

 

広島大学の研究チームは、この両疾患に着目し、両者の相互作用が認知機能に及ぼす影響を検討しました。

 

高脂肪食を与えた中年期肥満マウスの口腔内に歯周病菌を塗布したところ、このマウスが認知機能障害を引き起こすことを発見しました。

 

肥満による全身の慢性炎症と、歯周病による局所的な炎症が組み合わさることで、全身の炎症レベルが上昇し、脳に悪影響を及ぼすようです。

 

具体的には炎症性物質や歯周病菌の毒素が血液を介して脳に到達し、神経細胞の損傷や脳内炎症を引き起こすと考えられています。

 

研究の結果、肥満と歯周病はそれぞれが独立して認知症のリスクを高めるだけでなく、相互作用によってその影響をさらに増大させる可能性があることが分かりました。

 

 

※広島大学Webサイトよりお借りしました

 

 

 

歯周病は、重度に進行するまであまり自覚症状が無い人もいます。痛みがないからと放置せず、歯科による定期的なメンテナンスを続けることが重要です。

 

体調により通院することが難しい場合は、訪問診療による口腔ケアという方法もあります。

歯科衛生士が週に一度、隅々まで清掃するだけでも歯肉の炎症や不快症状を改善することが可能です。

気になる方は、一度ご相談下さい。