2025/02/27
こんにちは。歯科医師の井畑です。
寒波の襲来により寒い日が続いていますね。
冷たい空気によって歯がしみる時ががあります。
今回は知覚過敏についてお話ししたいと思います。
知覚過敏は、冷たい飲み物や酸味のある食べ物を
口にした時や冷たい風を感じると鋭い痛みとして、
多くの人が経験するお口のトラブルです。
その主な原因は以下の通りです。
・歯茎の退縮
加齢や歯周病が進行すると、歯茎が下がり、
象牙質が露出することで知覚過敏が発生します。
・酸性食品の摂取
柑橘類や炭酸飲料などの酸性食品を頻繁に摂取すると、
歯の表面が溶けやすくなり、エナメル質が薄くなります。
・歯の損傷
強いブラッシング、虫歯、亀裂、歯ぎしりによる
ダメージが歯を弱め、知覚過敏を引き起こすことがあります。
では、知覚過敏をそのまま放置するとどのようなリスクが
起こるのでしょうか。
それは以下のような問題が発生する可能性があります。
・症状の悪化
軽度の知覚過敏が放置されると、刺激に対する敏感さが増し、
食事や日常生活に支障をきたすようになります。
・虫歯や歯周病の進行
象牙質が露出している状態では、細菌が入り込みやすく、
虫歯や歯周病のリスクが高まります。
・歯の破損リスク
エナメル質がさらに失われると、歯が弱くなり、
欠けたり割れたりする可能性があります。
知覚過敏の症状を軽減するためには、
以下のようなセルフケアが効果的です。
・知覚過敏用歯磨き粉の使用
知覚過敏用の歯磨き粉は、刺激を遮断する成分(硝酸カリウムやフッ素)
を含んでおり、症状の軽減に役立ちます。
・柔らかめの歯ブラシの選択
硬い歯ブラシではなく、柔らかい毛の歯ブラシを選び、
優しく磨くことでエナメル質を保護できます。
・食生活の改善
酸性食品や砂糖を控え、バランスの取れた食事を
心がけることで、歯の健康を維持できます。
・力から歯を守る
睡眠中に無意識でやってしまう歯ぎしりの力から
歯を守る為にナイトガード(マウスピース)の使用を検討しましょう。
知覚過敏がセルフケアで改善しない場合は、
歯科医院での治療が必要です。以下は、一般的な治療法の一部です。
・コーティング材の適用
歯の表面に特殊なコーティング剤を塗布することで、刺激から歯を保護します。
・歯周病治療
歯周病が原因の場合は、歯茎の治療を行い、歯周ポケットの改善を図ります。
・神経治療
重度の場合、歯の神経を除去して症状を緩和する治療が選択されることがあります。
知覚過敏をそのままにしておくと、症状が悪化し、
歯の健康全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、適切なセルフケアや歯科医院での治療を行うことで、
症状を改善し、再発を防ぐことが可能です。早めの対応と予防策を実践し、
快適な日常生活を取り戻しましょう。