こんにちは。
訪問担当の岩本です。
皆さんはお薬を飲むのは得意でしょうか?
私は、ちょっと苦手です。
今回は、錠剤嚥下障害についてお伝えします。
ある製薬会社の調査によると、薬を服用している2千人のうち、
約3割が錠剤などの飲みにくさを感じた経験があるそうです。
・口や喉に薬が残る、胸にひっかかる感じがする
・錠剤やカプセルを飲むのが怖い
・処方された薬が飲みきれない
これらの症状は、
加齢や神経疾患等による嚥下機能の低下や、薬剤自体の大きさ、形状によっても起こり得ます。
このような「薬が飲みにくい」状態は
「錠剤嚥下障害」と呼ばれ、近年、医療や介護の現場で問題視されるようになりました。
私達が口腔ケアを行う際にも、
患者さんの口腔内に大量の粉薬が残っていたり、錠剤が張り付いていることがあります。
錠剤嚥下障害があると、色々な問題が生じます。
錠剤やカプセルは胃腸に届くタイミングで有効成分が溶け出すように設計されていますので、口やのど、食道に錠剤がとどまると正しい効果が得られません。
さらに薬の残留した部分には傷や潰瘍ができる可能性もあります。
残ったのが食道であれば食物で流すことが可能ですが、誤嚥により気道に残ってしまうと、咳で出せない場合は長時間とどまることになり大変危険です。
また、この障害に気付かずにいると、
飲みにくさから服薬をやめてしまいがちになり、疾患の治療に支障をきたします。
逆に無理に飲もうとして錠剤を砕いたり、カプセルから薬剤だけ取り出したりすれば、
意図しない作用が強く現れることがあります。
こちらも危険です。
では、正しく服薬するにはどうすれば良いのでしょうか。
1. 薬剤の変更(形状、剤形)
まずは医師や薬剤師に相談してみましょう。
錠剤やカプセルから粉薬、液剤、ゼリー剤などに変更できるかもしれません。
分割や粉砕については、
行ってはいけない(効果が変わる)ものもありますので、必ず専門家に確認が必要です。
2. 服薬補助食品の活用
服薬ゼリー等の補助剤を用いることで、スムーズに飲めるようになる場合があります。
但し、とろみ調整剤については薬剤が体内でうまく溶けず効果が得られないなどの問題があるようです。
3. 飲み込みやすい方法
口腔内が乾燥していると飲みづらくなります。薬を口に入れる前に100ml程の充分な水を含むようにしましょう。
また、飲むときに頭を後ろに傾けると実は嚥下が難しく、誤嚥しやすくなります。顎を少し引き、頭は前に傾けるようにしましょう。
嚥下機能を維持・改善するような運動を取り入れることも有効です。
「薬が飲み込みにくい」と感じる⽅は、
専⾨医や薬剤師に相談して早めに対処することが大切です。