タニダ歯科医院ブログ

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西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

薬物性歯肉増殖症

こんにちは。歯科医師の秋田です。

春を迎えて、歓送迎会シーズンとなりました。

別れと出会いがあり様々な気持ちがある季節ですね。

さて、今回は先日診察中で見かけた薬物性歯肉増殖症についてお話しします。

薬物性歯肉増殖症とは、文字通り薬の副作用によって歯茎が腫れてしまう病気で

現在関連が認められているのは

①抗てんかん薬(一般名:フェニトイン)

②免疫抑制剤(一般名:シクロスポリンA)

③降圧剤(一般名:カルシウム拮抗剤)

の3種類です。

①、②は服用中の方は限定的かつ服用に際し

副作用の説明を良く説明されている事が多いです。

③に関しては具体的にはよくわからないと思います

例を挙げるとアムロジピン〈アムロジン〉ニフェジピン〈アダラート〉

注:〈〉内商品名

とこの記事を読んで下さってる人の中にも服用されている方がおられると思います。

時には狭心症予防薬として投与されている事もあります。

上記薬によって、様々な新血管イベントから守られているため薬が悪いわけではありません。

しかし、これら薬服用中に口腔清掃状態が悪い、

すなわち汚れが溜まっている状態が重なると

歯肉増殖を引き起こす事があるとされているのです。

すなわち、薬物性歯肉増殖症とは薬によって無条件に引き起こされるわけではなく、

歯周病と合わさる事で引き起こされる事が報告されています。

治療法としてはまず徹底したプラークコントロール

(ご自身での歯磨き技術の向上、歯科医院で行う歯の掃除)を行うことが重要となります。

その上でまだ歯肉の腫れが引かない場合にその歯茎を切除し、磨きやすくするという流れになります。

先に外科処置をするのではなく、まずは状態を落ち着かせることを優先すると言うことです。

これは歯周病治療全てにおいて言えることなので、薬物性歯肉増殖症と診断されたからと言えど、

焦ることなく基本的な治療を継続していくことが重要となるわけです。

1人でモチベーションを維持する事は誰でも難しい事ですので、我々は定期受診をお勧めしております。

分からない事があれば定期検診の際担当医にお気軽にご相談ください。

 

入れ歯について(4)

こんにちは。
訪問歯科医師 阿部です。

今回のお話も「入れ歯について」です。

昔の人はどんな入れ歯を使っていたのか? についてお話ししたいと思います。

● ワシントンの入れ歯

アメリカの大統領ジョージ・ワシントンは歯が悪く、
28歳で部分入れ歯を使い始め、生涯で何個も入れ歯を作ったようです。
1789年に58歳で大統領になった時には、自分の歯は1本しか残っていませんでした。
彼は、牛やカバの歯を用いたもの、象牙の土台のもの、金属製のもの等、
色々な入れ歯を試していたという記録が残っています。

当時の入れ歯は上下がバネでつながっており、口を開ける時は、
バネの力で入れ歯が開くようになっていました。
反対に口を閉じる時は、バネに逆らって食いしばらなければ
ならなかったそうです。
有名な米1ドル札の彼の肖像画は、口をグッと引き締めた表情が印象的です。
これは、入れ歯が口から飛び出さないように口を閉めていたからと言われています。

●日本の入れ歯の歴史

では、我が国の入れ歯の歴史はどうだったのでしょうか?
実は、日本の入れ歯の歴史はもっと長く、ワシントンの時代よりもずっと前、
16世紀半ばには、「咬める入れ歯」が実用化していました。
木ロウで型をとり、ツゲの木などを彫刻して仕上げた「木製の入れ歯」です。
ツゲの木は緻密で硬く、抗菌作用もあり、入れ歯の台として最適だったようです。

この職人芸的な木の入れ歯は、明治時代まで用いられます。
最初は仏師の片手間の仕事から始まり、その後江戸時代には、「入れ歯師」と
呼ばれる専門職の仕事として定着したようです。

それにしても、昔は入れ歯に関しては日本のほうが進んでいたなんて、驚きですね。

さて、その後の入れ歯の歴史はというと・・・。

明治以降、西洋からゴム製の入れ歯が伝わり、木製の入れ歯は姿を消しました。
その後、アクリル樹脂が開発され、入れ歯は飛躍的に進化を遂げ、
現在のような素材に移り変わっていきました。

人間は昔から、歯が抜けると、それを補うためにいろいろ苦労して
工夫してきたのですね。

訪問歯科でも、義歯の修理、調整を行うケースはとても多いです。
新しく作成することも可能です。
歯がなくなっても、『しっかり咬んでおいしく食べる』ことを、
あきらめなくてよいのです。
入れ歯を作ってみようかな、というときは、ぜひご相談ください。

喫煙の話

こんにちは。歯科医師の法貴です。
段々と暖かくもなる日が増えてきました。忙しくなる日が続く方もいるとは思いますが体調には気をつけて新年度新生活頑張りましょう。

今回は喫煙の話になります。
喫煙の健康影響については,厚生労働省「たばこ白書」が日本人における喫煙と各種疾患との因果関係のエビデンスを、
「米国公衆衛生総監報告書」にならいレベル1~4で判定しています。喫煙者本人および周囲の人への影響についての科学的根拠が
「レベル1:因果関係を推定するのに十分である」と判定された疾患を示しています。
さらに、歯科口腔領域においては「レベル2:因果関係を示唆しているが十分ではない」と判定された疾患も示しています。
「たばこ白書」には含まれていないが、妊娠中喫煙と唇裂口蓋裂との因果関係もすでに確立しています。

加熱式タバコは紙巻きタバコに比べて、ニコチン以外の有害化学物質の曝露量を減らせる可能性はあります。
しかし有害化学物質の曝露に安全域はなく、紙巻きタバコの研究から推測されるとおり、
曝露量の減少に見合っただけタバコ関連疾患のリスクが減少するかどうかは明らかではありません。
発がんリスクの推定モデルを用いた研究では、
加熱式タバコ(1日15本使用)は57人/10万人(紙巻きタバコの約1/40)と算出されています。
しかしこの結果は、明らかに有害な紙巻きタバコに比べて発がんリスクが低下する可能性が示されているだけで、
一般に許容されるリスクレベル(1人/10万人~100万人)に比べると大きいものになります。
加熱式タバコは発売開始からまだ10年程度しか経っていないため、長期の健康影響についてはわかっていないが、
新たな科学的知見が集積されつつあります。

全身疾患への影響
呼吸器疾思については、ヒト呼吸器細胞への影響やマウスでの肺傷害が確認されており、
実際国内において急性好酸球性肺炎の複数例の報告があります。
循環器系疾患については、動脈硬化につながる酸化ストレスの亢進や血管内皮細胞の障害が示されています。

妊婦への影響
妊娠中の加熱式タバコの使用が、妊娠性高血圧症候群 低出生体重
在胎不当過小児 子どものアレルギーと関連したことが報告されています。

歯・口腔への影響
ヒトの歯肉・口腔粘膜の細胞やマウスの細胞を用いた研究においては、
加熱式タバコの細胞毒性が報告されており、口腔がんの発症や口腔粘膜の角化異常
インプラント手術後の創傷治癒への影響が懸念されています。

様々な疾患に対して関連づけされることが増えてきています。

今後のご自身の健康の為にも早めの禁煙をお勧めします。

歯の本数で決まる!?食事の楽しみと健康の深い関係

こんにちは。院長の谷田です。
この時期の旬の食べものと言えば
たけのこですね。

 

さわやかな風味とシャキシャキした食感が
食欲をそそります。

 

このような食の楽しみを
この先ずっと感じられるかどうかを
大きく左右するもの、
それが歯の本数です。

 

 

 

 

◆歯が少ないと食べられるものが激減!?

 

「歯の調子が悪くて、好きなものを我慢している」
という経験がある方は
意外と少なくありません。

 

なかでも「歯の本数」
私たちの食生活と密接に関係しています。

 

人間の永久歯は28本、
親知らずを入れると32本あり、
およそ20本以上あれば
ほとんどの食べものを自由に食べることができます。

 

しかし、それを下回ると肉類やナッツ類、
たくあんなど歯ごたえのあるものが
徐々に噛めなくなり、
半数以下になるとお米やはんぺんなど
比較的やわらかいものまで噛めなくなります。

 

さらに、5本以下になると
食べられるものがかなり制限され、
バナナやうどんのような
やわらかいものしか食べられなくなります。

 

 

 

 

◆しっかり噛めれば満足度もアップ!

 

歯の本数は食の満足度と深い関係があることも、
明らかになっています。

 

高齢者を対象にしたある調査では、
歯の本数が多い人ほど、
食事の満足度や期待感が高いという
結果が出ています。

 

 

 

このように、健康な歯を保つことは
食事の選択肢を広げるだけでなく、
食事の楽しさや生活の質
大きく左右しているのです。

 

 

 

 

◆食べものが噛めないと要介護の危険も

 

とはいえ、
「やわらかいものが食べられれば十分」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、やわらかい食品中心の食事は
肉類や野菜類が不足しがちで、
健康維持に不可欠なタンパク質やビタミン、
食物繊維が摂取しにくくなります。

 

その結果、筋力や免疫力が徐々に低下し、
将来の要介護リスク
高める要因になってしまいます。

 

実際に高齢者を対象にした調査では、
歯が19本以下の人は
20本以上ある人に比べて
要介護認定を受けるリスクが1.2倍も
高くなることがわかっています。

 

つまり、自分の歯でしっかり噛めることは、
すこやかな老後を過ごすための
重要な要素なのです。

 

 

 

 

 

◆歯を守る=人生の喜びを守る!

 

何歳になっても自分の歯で
おいしく食事を楽しむことは、
健康的な生活を支える大切な要素であり、
人生の喜びの1つです。

 

 

 

 

「もっと歯を大事にしておけば良かった」
と後悔する前に、
定期的な歯科受診を習慣にして
歯の健康を守っていきましょう。

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
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