2023/12/28
こんにちは、歯科医師の西田です。
年の瀬が迫ってきました。毎日寒いですが、皆さま、お変わりないでしょうか?
歯を抜く際に、私達は皆さまに守って頂きたいこととして、
いくつかのお願い事をすることがあります。
①飲まれているお薬や治療中のご病気、過去のご病気について教えて頂きたいこと。
②抜歯後血が止まるまではうがいを控えて頂きたいこと。
③化膿止めのお薬をお出しするので飲んで頂きたいこと。
④抜歯後、血が止まった翌日からは歯磨きをして、お口の中を清潔にして頂きたいこと。
等々。
これらの事柄は、抜歯後の傷の治りに関わる重要な事柄なのです。
まず、①のお薬や病歴について。
お薬によっては、抜歯後に血が止まりにくくなるものや、
骨に直接作用するため抜歯が望ましくないものがあります。
病歴や健康状態については、糖尿病のような傷の治りの遅い病気もありますし、
肝臓や腎臓にご病気のある方の場合はお出しできないお薬もあります。
また、現状で抜歯が差し支えないか、医科の主治医の先生に直接お問い合わせをする場合もあります。
②のうがい、③の化膿止め、④の歯磨きについて。
抜歯の後の傷口にはかさぶたができます。
かさぶた でしっかりと傷口に封がされなければ、後の治りに影響が出ます。
うがいをしすぎて、良いかさぶたができないと、強い痛みを生じて傷がなかなか治らない、
ドライソケットという状態になります。
かさぶたが固まってからは感染を防ぐため、お口を清潔にしていただき、化膿止めを指示のとおりにお飲みください。
ここまでは、一般的なお話。大多数の方は、上記の事柄を守って頂いたら、傷口は治っていきます。
ただ、小さな歯の根っこを抜いただけなのに、傷口が塞がらず、いつまでも骨が剥き出しのまま、強い痛みが長く続く・・・
少数ながら、そんな方もいらっしゃいます。見落としがちなことですが、少し前に骨粗鬆症の注射をしませんでしたか?
骨粗鬆症や癌のお薬の中には、抜歯をすると、極端に傷の治りの悪くなるものがあります
(ボナロン、リカルボン等のビスホスホネート製剤、ランマーク等)。
これらのお薬は、骨を強くする作用があるので、骨粗鬆症や高カルシウム血症の予防・治療に用いられています。
一定期間以上服用中に抜歯などの外科処置を行うと、あごの骨が露出して腐ったり(顎骨壊死)、
炎症がひどくなるといった副作用がでることがあります。
これらのお薬は、骨の代謝を抑えることで、骨からカルシウムが出ていくことを防いでいます。
しかし、同時に新しい骨や歯ぐきなどの組織を作る機能も抑制されます。
そこに細菌が感染することにより傷が治りにくくなり、骨が腐るなどの副作用がおこります。
抜歯やインプラント手術の他、入れ歯の傷が原因になることもあると言われています。
一度骨壊死が起こると自然治癒は困難あるいは長期間を要するため外科手術にて対応する場合もあります。
骨粗鬆症のお薬は飲み薬だけではなく、たまに行う注射もありますので、抜歯の可能性のある方は、忘れずお知らせ下さいね。
今日のお話は以上です。今年も残すところあと少しとなりました。
この一年もお世話になりました。来年も宜しくお願い申し上げます。
2023/12/21
こんにちは。歯科医師の秋田です。
世間はクリスマスムード一色になっておりますが
過ぎるともう今年も終わりますね。
今日からまた寒波がやって参りますので
みなさんも風邪をひかないようお気をつけください。
さて、今回は先日臨床で見かけた
薬物性歯肉増殖症についてお話しします。
薬物性歯肉増殖症とは、文字通り薬の副作用によって
歯茎が腫れてしまう病気で現在関連が認められているのは
①抗てんかん薬(一般名:フェニトイン)
②免疫抑制剤(一般名:シクロスポリンA)
③降圧剤(一般名:カルシウム拮抗剤)の3種類です。
①、②は服用中の方は限定的かつ服用に際し
副作用の説明を良く説明されている事が多いです。
③に関しては具体的にはよくわからないと思います
例を挙げるとアムロジピン〈アムロジン〉
ニフェジピン〈アダラート〉
注:〈〉内商品名
と、この記事を読んで下さってる方の中にも
服用されている方がおられると思います。
時には狭心症予防薬として投与されている事もあります。
上記薬によって、様々な新血管イベントから
守られているため薬が悪いわけではありません。
しかし、これら薬服用中に口腔清掃状態が悪い、
すなわち汚れが溜まっている状態が重なると
歯肉増殖を引き起こす事があるとされているのです。
すなわち、薬物性歯肉増殖症とは
薬によって無条件に引き起こされるわけではなく、
歯周病と合わさる事で引き起こされる事が報告されています。
治療法としてはまず徹底したプラークコントロール
(ご自身での歯磨き技術の向上、歯科医院で行う歯の掃除)を
行うことが重要となります。
その上でまだ歯肉の腫れが引かない場合に
その歯茎を切除し、磨きやすくするという流れになります。
先に外科処置をするのではなく、まずは状態を
落ち着かせることを優先すると言うことです。
これは歯周病治療全てにおいて言えることなので、
薬物性歯肉増殖症と診断されたからと言えど、
焦ることなく基本的な治療を継続していくことが重要となるわけです。
1人でモチベーションを維持する事は誰でも
難しい事ですので、我々は定期受診をお勧めしております。
分からない事があれば定期検診の際担当医にお気軽にご相談ください。
2023/12/20
こんにちは。院長の谷田です。
早いものでもうすぐ大晦日!
2023年も終わりが近付いています。
皆さまにとってどのような1年だったでしょうか。
やり残したことをしっかりと整理して、新たな気持ちで2024年のスタートを切っていきましょう。
さて、当院では一人でも多くの患者さまに、予防への高い意識を持って頂きたいと考えており、検診の時期を迎えた患者さまにハガキでご案内をしております。
このたび、そのハガキのデザインが新しくなりました!
歯が痛い時のみ来院される方より、定期的に検診に来られる方のほうが、生涯で残る歯の本数が明らかに多いということがデータでも立証されています。
このハガキを受け取った方は、ぜひスケジュールをご確認の上、お早めに定期検診のご予約をお取り下さい。
皆さまの大切な歯をこれからも一緒に守っていきましょう!
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
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