タニダ歯科医院ブログ

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西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

早めが肝心!事故などで抜けた歯を戻すための注意点

 

こんにちは。院長の谷田です。

海や山にプールなど、
お出かけする機会が増える楽しい季節ですが、
そうした場所では
思わぬ事故や怪我に
遭遇してしまうこともあります。

 

いざというときに、
慌てず迅速に対応することが
皆さんの健康を守ることに繋がりますので、
しっかりと準備を行い、
楽しい夏を過ごしましょう!

 

そこで今回は、
「もし事故や怪我で歯が抜けてしまったら
どのようにすれば歯の生存率を上げられるか」
ご紹介したいと思います。

 

 

 

 

◆抜けた歯を守るカギは
『歯根膜(しこんまく)』

 

事故や怪我などで抜けた歯
元に戻せるかどうかは、
「歯根膜を守れるかどうか」
大きく左右されます。

 

そもそも歯根膜とは、歯の根っこを覆う
0.3mmほどのとても薄い膜のことです。

 

歯を支える『歯槽骨(しそうこつ)』と、
歯の根を結びつけているほか、
食べものを噛んだり、
歯に強い力が加わったりしたときに
その衝撃を吸収する
クッションの役割も果たしています。

 

 

 

もし、事故や怪我などで
不意に歯が抜けたとしても、
この『歯根膜』が無事なら、
元の位置に戻せる可能性が高くなります。

 

 

しかし、
歯根膜は非常にデリケートなため、
扱い方を間違えると
あっという間に失われてしまうのです。

 

 

 

 

◆歯根膜が危ない!NG行動

 

歯が抜けたときに
絶対にやってはいけないこと、それは

・歯の根を持つ
・汚れを取ろうとする

この2つです。

 

 

まず、抜けた歯を持つときは必ず
歯の頭(歯冠部分)を持つようにしましょう。

 

歯の根には歯根膜がついており、
そこを素手で触ってしまうと、
歯根膜が傷ついてしまう可能性があります。

 

また、抜けた歯を
地面などに落としてしまった場合には、
汚れを取りたくなるかもしれませんが、
その際には細心の注意が必要です。

 

ゴシゴシとこすったり、
石鹸や消毒液で念入りに洗ったりすると、
歯根膜まで取れてしまいます。

 

 

抜けた歯を洗うときには、
・歯の頭を持つ
・流水で10~20秒以内にサッと洗い流す

この2つのポイントを必ず守りましょう!

 

 

 

 

 

◆「早めの受診」は絶対条件!

 

歯根膜は乾燥に弱く、
たったの20分弱で
歯根膜の生存率は大きく低下する
といわれています。

 

そのため、抜けた歯を元に戻すには
1秒でも早い受診が必要不可欠なのです。

 

 

しかし、状況によっては
そんなすぐに歯医者へ行けない…
という方もいらっしゃるかと思います。

 

そのような場合におすすめなのが、
『牛乳』や『生理食塩水』に浸けておくことです。

 

 

一番おすすめなのは、
『専用の保存液』に浸けておくことですが、
近くのお店では手に入らない場合もあります。

 

その点、牛乳や生理食塩水は
ご家庭でも用意しやすいため、
保存液が手に入らないときには
この2つで代用しましょう。

 

専用の保存液であれば約24時間、
牛乳なら約6時間、
生理食塩水1時間程度まで
歯根膜の生存率を延ばせる可能性があります。

 

 

 

 

 

歯根膜がきれいな状態で、
なおかつ早めに受診できれば、
歯を元に戻せる確率は
それだけ高くなります。

 

歯が抜けてしまった際には、
適切な方法で歯を保存して、
可能な限り早く
歯科を受診することを心がけましょう!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE


歯周病と定期検診の重要性について

こんにちは。歯科医師の森岡です。

今日は聞き慣れた内容かもしれませんが、歯周病と

歯科検診の重要性について改めて説明させていただきます。

 

皆さんご存じの歯周病は、歯と歯茎の周囲の組織に

影響を及ぼす慢性的な炎症疾患であり、

放置すると歯の喪失や全身の健康への影響をもたらす

重篤な問題となります。

それに対抗するには予防と早期発見が重要です。

 

 

まず、歯周病の対策としては、適切な口腔衛生を

保つことが挙げられます。毎日の歯磨きやフロスの使用、

歯間ブラシの活用などで、口腔内の細菌や歯垢を除去し、

歯周病の進行を防ぐことができます。

また、定期的な歯科検診が非常に重要です。

歯科医師や歯科衛生士による専門的な清掃や検査によって、

歯周病の早期発見が可能となります。

早期に発見すれば、適切な治療やケアを

行うことで進行を食い止めることができます。

検診の重要性は以下の点に由来します

【早期発見と予防】

定期的な検診によって、歯周病の初期段階やリスクを把握できます。

早期に発見することで、症状の進行を防ぎ、治療の負担を軽減します。

【カスタマイズされた治療】

検診により、個々の口腔状態に合った治療プランが立てられます。

これにより、患者のニーズに適した治療が提供されます。

【予防指導】 

歯科医師や歯科衛生士から、適切な歯磨きや口腔ケアの方法について

アドバイスを受けることができます。

予防的な指導を受けることで、歯周病のリスクを低減できます。

【全身への影響】 

歯周病は全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。

心疾患や糖尿病などとの関連も指摘されています。

定期的な検診によって、早期に歯周病のリスクを把握し、

全身の健康を守ることができます。

 

 

以上の理由から、歯周病の対策と予防には、日常的な口腔ケアと

定期的な歯科検診の重要性を理解し、実践することが大切です。

健康な歯と口腔を維持することは、全体的な健康にも

大きく影響することを忘れないようにしてください。

 

もしかして、ぼくもわたしも顎関節症?

8月休診日情報

生え代わり

こんにちは

歯科医師の池田です。

 

 

歯は気づいたら生えてきますが、いつ頃から出来始めるのかご存知ですか?

実は生まれる前から歯は作られ始めています。

 

胎生7週から10週頃になると、口の表面の上皮細胞が数を増して内部に入り込み、

乳歯の芽となる歯胚(しはい)が形成されます。

また、胎生3ヶ月半頃になると永久歯の歯胚の形成も始まります。

これらの歯胚は数年の期間をかけて歯槽骨の中で発育し、

やがて歯として口の中に生えてきます。

 

最初の乳歯は、生後6ヶ月から8ヶ月にかけて下の中央から生えてきます。

この歯は乳中切歯と呼ばれ、少し遅れてその隣の乳側切歯や、

相対する上の乳中切歯が生えてきます。

1歳半くらいになると1本離れたところに奥歯の第一乳臼歯が、

また2歳までには乳側切歯と第一乳臼歯の間に乳犬歯が生え、

最後に1番後ろの乳歯である第二乳臼歯ぐ2歳半から3歳頃にかけて生えてきます。

 

歯が生える時期には多少の個人差があり、

上記に記載した目安から数ヶ月遅れることもあります。
逆に早い場合もあります。

出生時あるいは生後1ヶ月以内に歯が萌出することがあります。

このような歯を先天性歯と呼んでいます。

先天性歯の大部分は下顎の乳中切歯部位に出ますが、

まれに乳犬歯にみられることもあります。

 

先天性歯の障害として、授乳のときに母親の乳頭を傷つけて乳腺炎を起こすことがあります。

 

また、先天性歯周囲に歯肉炎が生じたり、

乳児の舌下面や舌小帯に潰瘍ができ哺乳障害を起こします。

先天性歯が生えてもこのような症状がみられなければ良いのですが、

出てくる場合には歯科の受診をおすすめします。

 

 

顔や顎さらには全身の成長に対応するために、

乳歯から永久歯への生え代わりが起こります。

赤ちゃんは1歳頃になると母乳や人工乳だけでは栄養の摂取量が不足し、

もっと栄養価の高い固形食品の効率的な摂取に対応するため、食物を咀嚼し、

細かく粉砕するための歯が必要になります。

 

しかし、硬い永久歯ができるためには5年以上の長い時間を費やすため、

まず小さめでエナメル質や象牙質の厚みが永久歯の半分程度と薄く、

成長変化に対してすり減ることができる適度な硬さを持った乳歯が、

生後1〜2年の間に生えます。

その乳歯を使って成長期前半の栄養摂取が進められます。

 

そして、6歳前後から12歳頃にかけて、乳歯から丈夫な永久歯への生え代わりが進み、

1番後ろの第二乳臼歯のさらに後ろに第一大臼歯と第二大臼歯が生えてきて、

大人の顎の大きさと筋肉の強さに適した永久歯の歯並びと噛み合わせが完成します

 

 

6歳前後になると最初の永久歯が生えてきます。

以前は下の第ニ乳臼歯の後ろにある第一大臼歯が、

最初に生える永久歯となるのが普通だったのですが、

最近は下の乳中切歯が永久歯に生え変わる方が早い場合も多いようです。

永久中切歯が生えて6ヶ月から1年くらい過ぎるとその横の側切歯が生え代わり、

さらに数ヶ月遅れて上の側切歯が生え代わります。

 

9歳から12歳くらいにかけては、側方歯群と呼ばれる乳犬歯、第一乳臼歯、

第ニ乳臼歯が順次生え代わり、さらに、これらの歯の1番後ろに第2大臼歯が生えて、

永久歯の歯並びが完成します。

人によっては20歳頃になると、

さらに後ろに親知らず(第三大臼歯)が生える場合もあります。

 

親知らずは退化傾向が強く、生える時期も極端に遅く、

さらに最も奥に生えてくるなど、萌出に伴う障害を受けやすく、

高頻度に萌出異常を起こします。

先天的に欠如する頻度も高く、萌出してこなくても異常とはいえません。

また埋伏することも多くみられます。

下顎の親知らずではたとえ萌出しても傾斜したり、

水平位に半分埋伏したりすることはよく知られています。

親知らずの傾斜や水平位の半埋伏は、

第二大臼歯の後ろの面を不潔にし、

放置すると深部に虫歯をつくります。

また、親知らずの周りは不潔になりやすく、しばしば炎症をおこします。

このため、このような状態の親知らずは通常抜歯の対象となります。

 

 

生え代わりなどに不安があるようなら気軽に聞いてくださいね