タニダ歯科医院ブログ

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西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

口腔管理について

こんにちは歯科医師の法貴です。

梅雨に入り、天気がすぐれない日も多くなりましたが

体調には気をつけてください。

今回は小児期のライフステージに応じた、

機能と歯列・咬合の口腔管理についてお話しします。

哺乳・離乳期からの口腔機能の発達不全は、

育児のうえでの利便性とも関係し、

「噛めない、噛まない、飲み込めない」などの

咀嚼機能の未発達につながります。

これらは歯肉炎、虫歯、不正咬合とも大いに関係するとともに、

その後の生活習慣病ともかかわります。

口の機能が発達しないと将来どんなことがおこるのでしょうか?

口の機能が発達しないと、歯列の上下顎のアーチフォームは崩れ、

上下の歯は正常な機能を営むことが難しくなり、

代償的な運動によって、歯や顎関節に負担をかけることになります。

これらによって日常生活においては、食べる喜び、

話す楽しみなどの生活の質が低下します。

これらを防ぐために乳児期から学童期にかけて、

良好な成長発育及び適切な口腔機能を獲得することが重要です。

口腔機能の発達を支援し、向上させることは、

健康長寿の一助となり、また人生の質を向上させることになります。

口腔機能は本来、遊びや食事、家庭の育児環境や考え方などの

日常生活を反映して発達します。

口腔機能に問題がある症例の多くは、

特に低年齢児ほど、生活要因に関わることが多く、

その際、正しい咀嚼と嚥下の為には、

鼻呼吸や全身の姿勢、口唇と舌の姿勢位が重要になります。

口腔機能は機能と歯列・咬合の両者が揃って発達します。

これを阻害する口腔の過敏や、歯の萌出遅延、

舌小帯や上唇小帯などの形態異常、虫歯がある場合には、

機能への対応の前に器質的な対応を優先します。

しかし、学童期以降で機能不全によって歯並び、

噛み合わせがすでに乱れて、舌房が縮小することで、

口唇、舌、頬によってなされる口腔機能を

さらに障害している場合には機能的対応に先立ち、

器質的対応として歯科矯正が優先されることもあります。

口腔機能は位置の問題と機能の問題に分かれます。

位置の問題に対しては、

「口唇閉鎖して鼻呼吸」「舌は口蓋に挙上して安静にする」

これらを無意識下にコントロールできるようにすることを

最終ゴールとしてトレーニングを行います。

機能の問題については、食べる、飲むことに関して、

正しい捕食・咀嚼・嚥下動作について、

確認と学習を行う必要があります。

何かわからないことがあればいつでも相談に来てください。

「よく噛む」ってこんなにすごい!

口腔粘膜保護材

こんにちは。訪問担当の岩本です。

今回は口腔粘膜炎とその薬について

お伝えしたいと思います。

 

口の中に起きた炎症は

一般的には「口内炎」と呼ばれています。

小さいものがたった一つ出来ただけでも

憂鬱になるほどの痛みが出たりします。

 

がんを患っている方が

抗がん剤治療や放射線治療をうけた際には

副作用としてもっと重篤な

炎症が起きることがあります。

がん治療が口腔粘膜に直接影響して

起こる炎症を

「口腔粘膜炎」と呼びます。

 

抗がん剤はがん細胞を壊す一方で

正常細胞にも悪影響を及ぼします。

口腔粘膜は特に影響を受けやすいため、

がん薬物療法を受ける人の40~70%が

口腔粘膜炎を発症すると言われています。

 

炎症は唇の内側や頬の粘膜、舌の縁など

柔らかく動く部分に発症します。

症状のピークは抗がん剤投与後

10~12日後であり、

投与期間が終わると1か月ほどかけて

ゆっくりと治癒していきます。

 

 

 

口腔粘膜炎の発症を予防する方法は

まだ確立されていないので

対症療法でケアを行うことになります。

 

口腔内を清潔に保ち、保湿を行うことが

まず基本ではあるのですが、

 

歯を磨こうにも

水で口をゆすぐだけでも非常に痛く、

痛みのために食事すらままならない、

 

と日常生活にもかなりの支障が出るため

疼痛のコントロールはとても重要です。

 

 

日本では、2018年より粘膜保護の薬剤として

「エピシル」が保険適用されました。

 

 

 

こちらは医師の処方箋が必要です。

また、普通の口内炎で処方することはできません。

 

 

その他にも、2021年から2022年にかけて

以下の2種類が発売開始されました。

これらはネットや電話注文などで

個人購入が可能です。

 

 

「ジェルクレア口腔用液」(テルモ)

 

 

 

 

個包装のジェルを水に溶かして口をゆすぐか、

直接粘膜に塗るタイプのものです。

口内炎の出来ている時に

自分でも使ってみましたが、一度の使用で

ズキズキしていた痛みがすぐおさまりました。

口の中が粘つくような不快感もありません。

 

 

 

「バトラーマウスベール」(サンスター)

 

 

 

容器がスプレー状になっており、

直接粘膜に噴射して使用します。

こちらはまだ使用したことはありませんが

サンスターの方に実物を見せていただいたところ

とろっとしたジェル状に近い液体でした。

 

いずれも粘膜の表面に保護膜を作り、

外からの刺激や感染を防いでくれるようです。

 

 

近年では通勤通学、普段通りの生活をしながら

がん闘病をされる方が増加しています。

日常生活の質を落とさないために

これらの薬剤が開発されたのは

本当にありがたいことだと思います。

油断大敵!磨きすぎ?「くさび状欠損」とは

 

こんにちは。院長の谷田です。
季節柄どうしても雨模様が続き、
お出かけもしにくいこの時期は、
心も身体も滅入ってしまいがちです。

 

そのようなときこそ、
ストレッチエクササイズで身体を動かし、
読書音楽鑑賞などで気分をリラックスさせ、
心身ともに健康を保つことが重要です。

 

それに加え、6月4日から10日は、
『歯と口の健康週間』でもありますので、
ぜひ「お口の健康」にも気を配ってみてくださいね。

 

さて、そんな「お口の健康」のために
欠かせないことといえば、毎日の歯みがき。

 

しかし、「薬も過ぎれば毒となる」とあるように、
歯みがきもあまり頑張りすぎると、
思わぬトラブルを招くことがあります。

 

 

 

 

◆これってむし歯?
歯がしみるのは「くさび状欠損」かも!

 

毎日きちんと歯を磨いているにもかかわらず、
「冷たいものが歯にしみる」
「歯ブラシを当てると痛い」
と、感じたことはありませんか?

 

その要因のひとつとして考えられるのが、
『くさび状欠損』です。

 

 

皆さんは「くさび」というものをご存じでしょうか?
建築などで用いられる
「V字型の部品」のことなのですが、
それにたとえて、
「くさびが打ち込まれたように
歯と歯ぐきの境目が欠損している状態」のことを、
『くさび状欠損』といいます。

 

 

 

歯の根元を触った際に段差を感じる場合、
くさび状欠損の可能性は高くなります。

 

違和感こそあるものの、
初めのうちは「痛み」や「しみる」といった
自覚症状がないため、
気づかずにそのまま放置してしまうことも
少なくありません。

 

症状が進行すると、
「冷たいものが歯にしみる」
「歯ブラシを当てると痛い」
といった症状が表れるほか、
プラークが溜まって
むし歯や歯周病になるリスクが上がります。

 

 

 

 

◆歯みがきには「いい加減」が大切

 

くさび状欠損が生じる原因として
意外と多いのが「過度なブラッシング」、
つまり、「歯の磨きすぎ」です。

 

たとえば、
・力を入れて歯をゴシゴシ磨いてしまう
・しっかり磨けるように硬い歯ブラシを使っている
・1日に何回も歯を磨く
など、特に「歯みがきに熱心な方」ほど、
その傾向に陥りやすいです。

 

 

また、「歯ぎしり」や「食いしばり」などによって、
強い負荷が加わり続けると、
その力が根元に集中して、
歯の表面に細かなヒビが入り、
くさび状欠損が生じてしまうこともあります。

 

 

 

 

 

◆くさび状欠損が大きくなる前に!
早めに受診を

 

くさび状欠損は、
歯科用の樹脂を詰めることで、
しみるのを軽減させつつ、
見た目も綺麗にすることができます。

 

 

 

しかし、ブラッシングや歯ぎしりなど、
原因となる日々の習慣を解決しない限り、
せっかく樹脂を詰めてもすぐに剥がれ落ち、
くさび状欠損が更に大きくなるばかりです。

 

そのためにも、まずは
「ブラッシング法や歯ブラシの選び方を見直す」
「歯ぎしり用マウスピースを着用する」など、
原因に対するアプローチが重要です。

 

 

歯科医院では、皆さまの症状に合わせた、
最適なアドバイスをすることができます。

 

原因や対処法についてのご相談など、
いつでもお待ちしておりますので、
症状が悪化する前に、
早めの受診を心がけてくださいね!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

歯が残る、残らないのはここが分かれ道

こんにちは、歯科医師の加藤です。
今回は「歯が残る、残らないのはここが分かれ道」
というテーマでお話ししたいと思います。

歯の残し方は、少しの心配りです。
① 1日に1回しか磨かない又は磨かない
② デンタルフロス又は歯間ブラシをしない
③ 朝、昼だけしか磨かない
④ 同じ歯ブラシを何か月も使っている
⑤ 定期検診に通えてない

など、これらが原因で治療されずにお口の中で虫歯と歯周病が進行して、
最悪の場合、もっと早く治療していれば歯が残ってたかもしれない歯も
残らなくなってしまいます。
つまり、少しの心配りとは「歯磨きの習慣」と
「歯医者さんへの定期検診」なのです。
ひいては、この2つのかかりかたに影響し、
早期に歯が残らなくなるといえるでしょう。
故に、虫歯や歯周病は、生活習慣病の一部なのです。
虫歯や歯周病は、細菌が関係している病気です。
細菌は、単独で単独で虫歯や歯周病を起こすわけではありません。
しかも、虫歯や歯周病の原因となる細菌のほとんどは、
お口の中にある常在菌といってほとんど全ての人の口の中にある細菌ですから、
それらのすべてをお口の中から除去することはできません。
このような、誰にでもお口の中にある細菌が虫歯や歯周病を引き起こすのは、
これらの細菌が歯垢またはプラークと呼ばれる細菌の塊を
歯の表面または歯と歯ぐきの間の溝に中長期的に溜まってしまうときなのです。
虫歯の原因の1つが糖分であることは周知されていると思います。
お口の中では、糖分が多糖体という粘着性の物質に変化、
また糖分を細菌が分解して酸を作ることで歯が溶かされる状態がつづき
唾液による自己修復が出来なくなったときに虫歯になります。
この、細菌と多糖体のネバネバした塊が歯垢またはプラークと呼ばれています。
プラークに覆われた歯の表面は唾液の自己修復が出来ず、
うがいや少々の歯ブラシではプラークは除去されません。
残ったプラークは、
新たなプラークを呼び寄せてまた大きくなる細菌繁殖の温床となります。
歯周病は、同じプラークの影響で別の細菌が歯と歯ぐきの隙間に入り込みあるいは、
歯ぐきの中に入り込み、歯を支えている周りの骨を少しずつ溶かしていく病気です。
したがって、虫歯と同様に歯周病もプラークが主な原因である
といっても過言ではないのです。
お口の中の細菌をなくすこと、
プラークをつくる食べ物をとるのをやめることも不可能です。
とすれば、プラークが作られるのを防ぎ、
一旦できたプラークを出来るだけ早く取り除くことが必要になってきます。
そのためには、誰にでもできる歯磨きとフロス、歯間ブラシが大切なのです。
また、お口の環境に応じて細かなメンテナンスをするためにも
歯科の定期検診に出来る限りいらしてください。ご来院お待ちしております。