タニダ歯科医院ブログ

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西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

水の誤嚥

こんにちは。訪問担当歯科医師の岩本です。

今回は水の誤嚥についてお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

病気や加齢により嚥下の機能が落ちてくると、

まず、さらさらのお茶や水を飲んだ時にむせやすくなります。

その状態が続くと、誤嚥(誤嚥性肺炎)を防ぐために、

とろみ剤などを用いて水分にとろみをつけ、

飲みやすく調整したものを飲むように指示されることがあります。

 

ところが、このとろみ水(茶)は、

「喉の渇きを癒す」という点においては、

あまり美味しいものではありません。

脱水を起こしやすい高齢者にとっては水分の補給はとても大切なことなのですが、

人によってはとろみ水分を嫌がり、あまり飲まないという方もおられます。

また、とろみ水はまとまった量を飲むのが難しく、

結果的に水分摂取量が少なくなるという問題もあります。

 

体内の水分が不足すると、気道の粘膜表面が乾き気味になってしまい、

身体にとって有害な、痰を排出する力が低下します。

そして汚れた痰が体内に留まることにより、

肺炎の発症率が上がると考えられています。

 

一般的には誤嚥=肺炎の原因と考えられがちですが、

水そのものは誤嚥しても、呼吸器にダメージを与えることなく、

速やかに血中に吸収され、有害ではありません。

肺の炎症を起こすのは細菌であり、飲料水の中に含まれる細菌数は、

唾液に含まれる細菌数と比較するとかなり少ない数です。

 

アメリカにおける調査で、

「とろみ水分の摂取を指導されている患者が隠れて普通の水を飲んでいても、

その患者達に肺炎発症が増えたという事実は無かった」というものがあります。

これらに基づき、「きちんと管理した上で、飲水を認めても良いのでは?」という考えが生まれました。

1984年から始まったこの試みはFree Water Protocolと呼ばれているものですが、

嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)で水分誤嚥が認められる患者であっても、

一定の条件下において飲水を許可するというアプローチです。

 

一定の条件とは何か、そのガイドラインは以下のようなものです。

1.言語聴覚士のスクリーニングによる適応患者の選定

2.検査機器を用いた嚥下精査の実施

3.経口摂取を認められており、水分を誤嚥する患者においては「食間」のみ飲水可能

4.3の患者の「食事中の」水分摂取は必ずとろみを付ける

5.絶飲食患者においては随時飲水可能

6.全職員で対象患者の情報共有

7.口腔ケアの徹底

8.有効な姿勢調整の積極的導入

9.水による服薬の禁止

  1. 家族(介護者)教育

 

この方法で食間の飲水を許可することにより、

喉の渇きを解消できる安心感からか、

食事中のとろみ水は拒否なく受け入れられるようになったそうです。

また、水分を十分摂取することにより、肺炎発症率の低下、

尿路感染症予防、などにおいて良い結果も得られ、

患者の精神的満足度は高かったとの報告があります。

 

 

 

もし、日本においても調査が進みこの考えが認められるようになれば、

今よりも肺炎発症率が下がるのかもしれません。

 

 

 

 

唾液①

こんにちは、歯科医師の豊原です。

春の陽射しが暖かい気持ちの良い日が続きますね。

この春、ご入学あるいは新社会人になられる皆様、おめでとうございます。

もう新生活が始まっていらっしゃることでしょう!

新しい生活に緊張したり、ワクワクしたり、

皆それぞれ期待と不安がお有りだと思いますが、

そういった緊張や不安を逆に楽しむくらいの軽い気持ちで、

新たなステージへ進んでいってください。

何事も力を抜いて自分らしくが一番だと思います。

さて、今回は唾液の働きについて書きたいと思います。

唾液は普段は意識して過ごす事はないと思いますが、

実はすごく大事な消化液であり潤滑液なんです。

しっかり噛むことで食べやすくなるのは、

食べ物がすりつぶされてやわらかくなるからです。

ここで重要な役割をするのが唾液です。

唾液によってやわらかくなった食物は嚥下しやすく、

またその後の器官での消化の手助けにもなります。

普段は無意識に飲み込んでいますが、唾液は1日トータルでは1~1.5ℓ分泌されています。

口の中に常に1.5~3ml 存在しているといわれ、

一般に高齢になると分泌量が減少します。

パンやせんべい、芋類など、パサつくものが食べにくいと感じるようになると、

唾液分泌量が減少している可能性があります。

食べ物を噛むときに口の中の唾液が少ないと、食べ物がまとまりにくく、

噛み砕いたものを飲み込みやすい状態にまとめることができません。

食べ物の味わいにも影響します。

まとまっていないパサパサしたものは食べづらく、

誤って気管に入ってしまうと窒息の原因になることもあります。

そこでしっかり噛むことで口腔筋が刺激されて、耳下腺や顎下腺、

舌下腺といった大唾液腺から唾液が流出されます。奥歯でしっかり噛めてないと、

思うように唾液腺が刺激されず唾液の流出量が減少します。

また、基礎疾患で服用している薬の副作用の中に唾液減少を来たすものがあり、

高齢で唾液腺が萎縮してくることでの唾液減少に加え、

噛めて唾液の分泌を促すことにつながります。

薬の副作用による口腔乾燥についてはかかりつけ医や薬剤師に相談することで、

薬を変更してもらえるかもしれませんので、

心当たりのある方は一度相談してみると良いかもしれません。

次回もまた唾液について書きますね。

新型コロナウイルスの変異型が兵庫県でも増えてきています。

どうぞ、お気をつけください。

放置しないで!知覚過敏

 

こんにちは。院長の谷田です。
4月7日は「世界保健デー」、
世界保健機関(WHO)が誕生した日です。
WHOは世界の人々の健康を守るため、
毎年この日にテーマを決めて啓発活動を行っています。

 

お口の健康は全身の健康にも影響を与えますので、
歯は大切にしてくださいね!

 

 

さて、お口の健康維持に欠かせない定期検診ですが、
患者さまを診ていると、中には
「むし歯じゃないのに歯がしみる…」
という方がいらっしゃいます。

 

むし歯や神経の炎症がないのに歯が痛いときは、
『知覚過敏』かもしれません。

 

 

 

 

 

◆知覚過敏とは!?

 

冷たいものや甘いものを口にした時、
そして歯を磨いている時などに
ピリッとした鋭い痛みが起こる症状を
『知覚過敏』といいます。

 

知覚過敏をもっとも多く患っているのは
20歳〜50歳で、
日本人の4人に1人が経験している
と言われています。

 

知覚過敏は一過性の痛みで
刺激がなくなればおさまるため、
放置している方も多いのではないでしょうか?

 

 

とはいえ!

 

知覚過敏は放置しておいても治るとは限らないので、
注意したい症状です。

 

 

 

 

◆知覚過敏はなぜ起こる?

 

知覚過敏は
「象牙質(ぞうげしつ)の露出」によって起こります。
歯の中心には神経があり、
やわらかい象牙質と硬いエナメル質に覆われています。

 

 

通常であれば、
歯の一番外側をエナメル質が覆っていて
痛みを感じることはありません。

 

ですが、象牙質が露出すると神経に刺激が伝わり、
痛みを感じやすくなります。

 

 

 

 

象牙質が露出する原因は、
・打撲で歯が欠けた
・歯ぎしりや食いしばりで歯がすり減った
・酸の強い食べものや飲みもので歯が溶けた

 

などが考えられます。

 

 

 

硬い食べものばかり食べている人も、
歯に強い負担をかけることがあるので
注意しましょう。

 

 

 

 

◆歯ぐき下がりも知覚過敏の原因に!

 

歯の根っこも知覚過敏が起こりやすい部分です。
歯ぐきが下がると歯の根が露出して、
象牙質がむき出しの状態に…。

 

 

 

 

歯ぐきが下がるのは、
・加齢
・歯周病
・過度なブラッシング

 

などが主な原因。

 

 

 

 

 

◆知覚過敏は放置しないで!

 

知覚過敏を放置していると、どうなるのでしょうか?

 

まず、歯ブラシが触れると痛みを感じるため、
歯みがきもおろそかになりがちです。
すると、プラークという細菌のかたまりが歯に付着し
むし歯になってしまうことも。

 

また、歯周病が原因の場合は、放置していると
いずれ歯が抜けてしまう原因にもなります。

 

そもそも歯がしみると、
おいしい食事も楽しめませんので
早めの受診をおすすめします。

 

 

 

◆歯みがきと治療で歯の健康を守ろう!

 

「知覚過敏かも!?」と思ったら、
歯みがきの仕方を見直してみるのも一つの方法です。

 

知覚過敏で歯がしみる時は、

①余分な力をかけない「ペングリップ」で歯ブラシを持つ
②毛先のやわらかい歯ブラシで力を入れず小刻みにみがく
③常温もしくはぬるま湯で口をゆすぐ
④歯みがき粉は知覚過敏に有効な「硝酸カリウム」入り

 

などのポイントに気をつけて歯を磨くのがおすすめ。

 

 

 

ご自身でできることもありますが、
痛みが続くときは我慢せず、
お早めにご相談ください!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/

歯並びと噛み合わせ

こんにちは、歯科医師の久貝です。

だんだん暖かく、心地よい季節になってきましたね。
通りを歩いていると、桜の花も咲いて、

思わず「外にお散歩に行こ~~」って気持ちになる、春うららかな季節です。

そんな季節なので、お外へ出て、花見、花見、花見・・・・

お団子、おだんご、オダンゴ・・・・

と、食べる事ばかり考えてしまいます。

皆さんは、こんな春をどの様に過ごしていますか?

キチンと美味しくご飯を食べていますか?

お口は健康の入り口です。

ちゃんと食べられないと、体が元気になれません。

そういうことを痛感するのが、訪問診療で仕事をしている時です。

後期高齢化社会もあると思いますが、

やはり訪問で拝見する方々のほとんどの患者さんが

入れ歯を使用されています。

入れ歯はただ食べるだけのものではなく、見た目にも自然で、

違和感なく、堂々と笑ったりできるものであるべきなのです。

大事なのは「合った入れ歯を装着すること」と

「きちんと適応させること」なのです。

合わない適応していない入れ歯を使い続けることは残っている歯に負担を掛け、

抜けて行くスピードを速めて行ってしまうのです。
そして何より、豊かな食生活が損なわれてしまい、

全身の健康にとっても良くないのです。
最も重要なのが「歯並び」なのです。
歯並びは特に前歯で審美性が大切ですが、左右の並び方のバランス、

前後の出っ張り方、くちびるとの関係など様々な要件がからんできているのです。
入れ歯を入れているだけでは何も痛くないし、

しゃべることもできるのだけれど、噛むと痛くてたまらない入れ歯、

あるいは、噛むと落ちて来たり、ずれたりする入れ歯があるのです。
原因は「噛み合わせ」にあるようです。
1ヶ所でも変な噛み合わせがあると入れ歯はスポンと落ちるようです。
入れ歯を使い始めたほとんどの方が入れ歯の痛みに直面するのです。
特に保険治療の調整段階で、歯ぐきが赤く腫れるなど、

入れ歯の完成後に痛みがあるときは、その入れ歯は合っていないのです。
上下の噛み合わせは非常に微妙なバランスで当たっているので、

どこか1ヶ所だけ変な当たり方をしているだけで、

入れ歯全体がおかしくなるようです。
いくら歯ぐきにピッタリとした入れ歯でも噛み合せが1点でもおかしいと、

入れ歯は台無しになり、うまく噛むことはできないのです。
入れ歯の噛み合わせの悪さは、

アゴや口の中だけではなく頭痛や肩こりを引き起こすことがあるのです。
また顎の形(顎堤の形)は段々と変化していきます。

体の一部であるため形は常に変化していき、

「作った時の顎の形」と「今の顎の形」は違います。
なので、その時その時で顎の形に合わせて「裏打ち」を行い適合を上げるか、

新しく「新規作成」をしていく必要があります。
もしも、今このブログを読んで、自分の義歯に不安や、

疑問がある方は、定期健診の時にでも構わないので、

タニダ歯科のドクターに気軽に訪ねてみてください。
お待ちしております。

安心の口腔外科処置

こんにちは。院長の谷田です。

 

当院では口腔外科の処置も日々多く行われています。

 

患者さんにはいかなる場合においても

安心して治療を受けて頂くために、

生体情報モニター・酸素吸引器・AED(自動体外式除細動器)等

万全の医療機器を備えています。

 

◆生体情報モニター

 

◆酸素吸引器

 

◆AED(自動体外式除細動器)

 

 

また国立がん研究センターがん情報サービスによると、

日本の口腔癌による死亡者は30年前と比較して

4倍以上の上昇を示しています。

 

治療には何よりも早期発見が重要です。

 

当院では口腔外科専門医も在籍しており、

口腔癌の早期発見につとめております。

 

気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

タニダ歯科医院
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