2021/07/20
こんにちは。院長の谷田です。
当院ではテレスコープ(精密拡大鏡)を
全ての歯科医師、歯科衛生士が装着して診療を行っています。
正確な診断と治療を行うため
心臓血管外科や形成外科の手術に使う
倍率が3~10倍のテレスコープを使用しています。
当院ではテレスコープ無しの治療は考えられないほどの
必需品となっています。
インプラント手術はもとより、むし歯治療、歯周病治療、
外科処置と全ての処置で活用しております。
今後も患者様へ精密・正確な治療を提供してまいります。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
2021/07/15
こんにちは。歯科医師の法貴です。
今年は梅雨入りが早く毎日天気予報が傘マークで憂鬱な毎日でしたが、
もうすぐオリンピックも始まります。
新型コロナウイルスの猛威はまだ収まることがなく
無観客での開催となりますが、テレビの前から応援したいと思います。
骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)や
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)という疾患名を
聞いたことがある方も多いと思います。
しかしながら、実際にどのような方がARONJやMRONJを発症しやすいのか、
どのような薬を飲んでいるとリスクが
高くなるのかについて説明していきたいと思います。
まず初めにBRONJ、DRONJ、
ARONJならびにMRONJと何故呼び名がたくさんあるのかと言う事です。
ビスホスホネート製剤を使用する患者でBP製剤関連顎骨壊死の発症が
報告されこれをBRONJと呼んでいます。
次に抗RANKL抗体製剤であるデノスマブを使用する患者で
デノスマブ関連顎骨壊死が相次いで報告されこれをDRONJと呼んでいます。
そして、BRONJとDRONJを惹起する薬剤であるBP製剤とデノスマブは
共に骨吸収抑制薬に分類されることから、
これらをあわせてARONJと呼ばれるようになりました。
その後、骨吸収抑制薬や血管新生抑制薬を含めたさまざまな薬剤が
顎骨壊死を惹起する可能性が報告されている為、
これらを総称してMRONJと呼ぶようになりました。
MRONJを引き起こす薬にはどのようなものがあるのか?
現在科学的根拠を持って顎骨壊死を引き起こすとが
はっきりとわかっている薬剤は、BP製剤とデノスマブの2種類だけです。
具体的には薬剤は下記の画像を参照して頂ければと思います。
またMRONJに類似した疾患を引き起こす可能性がある薬剤として、
チロシンキナーゼ阻害薬、
モノクローナル抗体製剤(血管新生抑制薬、抗スクレロスチン抗体製剤、
抗CD20抗体製剤、並びに抗TNF−α抗体製剤など)、
m TOR阻害薬、融合タンパク質、免疫抑制剤(メトトレキサート、ステロイド製剤)
という薬剤が報告されています。
次回は発生頻度や症状について書きたいと思います。
お口の中で気になる事があればタニダ歯科医院までご相談下さい。
2021/07/08
こんにちは。訪問歯科医師の岩本です。
今回は薬についてのお話です。
訪問診療先では、
外来診療と同様に、
化膿するのを防ぐための抗菌薬や、
痛みを抑えるための鎮痛薬を
処方することがあります。
その時には、必ずお薬手帳を見せていただき、
こちらからの薬をお渡ししてよいかどうかの確認を行います。
訪問診療を希望されるようなご高齢の方の手帳には、
大抵、たくさんの薬の処方記録が
貼りつけられています。
お部屋の壁に吊られている日々の薬袋を見ると、
こちらから更にお渡しするのが申し訳なく思えるほどの
大量の錠剤が入っていることも少なくありません。
最近よく言われるようになった
「ポリファーマシー(多剤併用)」という言葉、
皆様も耳にされたことがあるのではないでしょうか。
「ポリファーマシー」とは、
「poly(複数)」+「pharmacy(調剤)」からなる言葉で、
多剤併用の中でも害をもたらすものを指します。
単に、服用する薬剤の種類や量が多いというだけでは
ポリファーマシーとは呼びません。
必要以上に多くの薬剤が投与されていることにより、
有害な事象のリスクが上がったり、
服薬の管理が困難になる、
服薬アドヒアランスが低下する、などの
問題を引き起こす可能性がある状態のことを指します。
ポリファーマシーについての明確な定義はありませんが、
5~6種類以上の薬剤が併用されている状態を表すことが一般的です。
この事態はどのようにして起こるのでしょうか。
寿命が延び、たくさんの疾患を抱えてしまった高齢者は、
複数の診療科を受診し、それぞれの診療科から薬を処方されます。
そしてそれら処方薬の副作用が現れると、
それを抑えるために新たに薬が追加されることもあります。
また、高齢者の中には認知機能が衰え、
きちんと服薬できない方もおられます。
もし処方した側が、このことに気づかず
「飲んでいるのに効果が表れない」と判断した場合、
さらに処方量が増え、過剰投与となる可能性があります。
現在では、これらの問題を解消するために、
・お薬手帳のさらなる活用
・飲み残しのチェックなど薬剤師による一括管理
・不必要な薬剤の減薬や中止
・高齢者にとって有害な薬剤の代替薬への変更
などが検討されています。
健康になるための薬のはずなのですが、
その副作用や相互作用のせいで、
食欲が無くなったり、
口が乾いて食べづらくなったり、
上手に飲み下せなくなったり、
といった摂食嚥下機能の障害が起き、
栄養がとれなくて衰えていくこともあります。
従って、歯科においても、
他科で処方されている薬の服用状況を正しく把握
しておくことは、非常に重要なのです。
訪問診療を受診される際は、お薬手帳のご準備をお願いいたします。
2021/07/06
こんにちは。院長の谷田です。
蒸し暑い日が増えてきたように感じますが
いかがお過ごしでしょうか。
7月といえば七夕ですね。
現在では
「○○が欲しい」
「○○になりたい」など
幅広い願いごとが書かれる七夕の短冊ですが、
もともとは織物の上手な織姫にあやかって、
「物事が上達しますように」との願いを込めて
短冊をしたためていました。
みなさんはこの夏、何を上達させたいですか?
もし現在、目標としているものがあれば、
その上達をお願いしてみるのも
いいかもしれませんね。
さて、歯科において
上達しておいていただきたいこと
といえば、やはり
ブラッシング!
今回は、ブラッシングの基本と、
リスクとなりやすい部位ごとの
ブラッシングのコツをご紹介いたします。
◆ブラッシングの基本
まず大事なのは持ち方。
「えっ?そんなところから?」
と思われるかもしれませんが、
歯を傷つけないために大切なことです。
歯ブラシは力の入りすぎを防ぎ、
細かく丁寧に動かせるように、
えんぴつのように持ちます。
歯面には歯ブラシの毛先を垂直に当て、
小刻みに往復(5mm〜10mm程度を目安に)させながら、
1〜2本ずつ丁寧に磨きましょう。
この時、力を入れ過ぎて
ブラシの毛先が広がらないように注意してくださいね。
次は、少しコツが必要な部位について。
◆磨き残しが多い5か所
1.歯と歯の間
歯間ブラシやデンタルフロスの使用が効果的です。
歯と歯の間の歯垢(プラーク)は、
歯ブラシだけでは6割ほどしか除去できないのに対し、
歯間ブラシやデンタルフロスを併用すると
9割近くのプラークを除去できる
というデータがあります。
2.歯と歯ぐきの間
歯や歯ぐきの状態によって、歯ブラシを45度、
または90度になるように当て、
弱めの力でマッサージするように細かく振動させます。
3.前歯の裏側
歯ブラシを縦に使い上下に動かして磨きます。
下の前歯の裏側はブラシのかかと部分を使い、
汚れをかき出すように磨いてみましょう。
4.奥歯のかみ合わせ
奥歯の「かみ合わせ面」は溝が深く、
磨き残しが多い場所です。
くぼみ部分にブラシの毛先を入れ込むように当て、
小刻みに動かして磨きます。
5.奥歯の後ろ側
歯ブラシを斜めに入れるなど
奥まで届くように角度を調整しながら、
ブラシのつま先を使って磨きます。
難しい場合には
ワンタフトブラシ(毛束が1つのみのブラシ)など、
ヘッドがコンパクトなブラシを使用してみましょう。
ちょっとの心がけで、
ブラッシングの効果はグンと高まります。
全てを一度にマスターするのは難しいかもしれませんが、
「今日はここを頑張ってみよう」と、
ひとつずつチャレンジしてみてください!
上手に磨けているか不安な方や、
自分に合ったブラシが分からない…など
お悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
いつでもお待ちしております。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
2021/07/01
こんにちは、歯科医師の豊原です。
今年はいつもよりもかなり早く梅雨入りしましたね。
昨年くらいからシトシト雨ではなくザーザーと
しっかり降る雨の印象を強く感じます。
まだ梅雨は続きそうですが、
今年は農作物への影響が少ないといいですね。
大きな災害が起こらないことを祈ります。
今回は前回に続き、唾液の作用について書きます。
まずは粘膜保護機能です。口の中に唾液が潤うことで、
粘膜同士や歯と粘膜との接触時のこすれを緩和し、
結果的に粘膜を保護をします。
歯自体も唾液に覆われることで摩耗や脱灰を防げます。
唾液は粘膜保護するとともに粘膜間に介在することで、
自浄作用も期待できます。唾液が多く流出される方はそれだけで食物が洗い流されやすく、
虫歯のリスクが減ります。
赤ちゃんや幼児は唾液がたくさん出ますよね!
あれもまだちゃんと歯磨きできない幼い時期には理に叶った現象なんです。
口腔内は呼吸することで乾燥しやすい環境になりがちですが、
唾液が流出されることでそれを免れます。
口腔内が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなるため、
舌炎や口唇炎の原因にもなります。
こういうことから、唾液は粘膜にとってはすごく大切なものなのです。
また、唾液には炭酸・重炭酸・リン酸などの成分が含まれていて、
口腔内のpHバランスを保っています。これをpH緩衝作用といいます。
口腔内のpHは本来は中性ですが、
唾液が少なく口腔内に砂糖や酸がさらされる環境にあると、
虫歯菌がそれをエサにして、それらを分解したときに酸が発生し酸性に傾いて歯の脱灰につながります。
すなわち、虫歯の第一歩です。
何らかの原因で唾液が少ない方は虫歯のリスクが高いことを意識して、
より一層歯ブラシやデンタルフロスを頑張っていただきたく思います。
唾液はその他にも、リゾチームやペルオキシダーゼ、免疫グロブリン、
ラクトフェリンなどを含んでおり、口腔内に侵入した細菌の活動を抑え、
抗菌作用を発揮します。ラクトフェリンは母乳、特に初乳の中にもたくさん含まれていて、
新生児にとっては大事なタンパク質です。
口は消化管の入り口とよく言われますが、
外敵である細菌やウイルスなどの入入り口でもあります。
こういう点でも唾液の重要性がわかりますね。
次もまた唾液について書きますね。
そろそろ暑くなってきますので、みなさま、
水分接種をしっかりなさってくださいね。