2021/06/24
こんにちは、歯科医師の久貝です。
さぁ、もう6月も終わりに差し掛かり、これから7月・・・
夏真っ盛りになろうとしている、今日この頃ですが
皆さん、どうお過ごしでしょうか?
暑いからと言って、冷たい飲み物ばかり接種していませんか?
暑いからと言って、クーラーの効いた部屋にばかり籠っていませんか?
そんなんでは、体が着いて行けず夏バテにはなってしまいますよ。
夏バテになってしまうと、色々な障害・・・
たとえば体力の低下、免疫力の低下
そこからお口の中にまで影響を及ぼす事があります。
「えっ、夏バテと口の中って、関係なくね?」
と思われる方が多いですが、実は大いに関係があります。
では、どんな事が起こってくるのでしょうか?
例えば口臭です
夏バテが口臭を悪化させる原因のひとつに唾液の分泌量の減少があげられます。
唾液は単なる水ではなく、様々な成分が含まれ、その成分のうちの一つ「ヒスタチン」は傷の修復に貢献しています。
指などを小さく切ったとき「唾をつけて治す」と言う昔からの言葉は医学的に理にかなっているのです。
そしてハイドロキシアパタイトは、虫歯菌によって傷ついた歯の表面を修復します。
さまざまな作用を持つ唾液ですが、口臭と関係するのは「抗菌作用」と「虫歯修復」です。
抗菌作用が低下すると細菌が増え、それに伴って悪臭を放つ揮発性硫黄化合物が大量に作られます。
口臭の「生暖かいような臭さ」は硫黄の臭いなのです。
また虫歯自体が独特の臭いを放ちます。よって、唾液が減って虫歯の修復力が低下して虫歯になり、口臭が出てくるのです。
また、唾液の分泌が減少することにより、食材をうまく咀嚼できなくなります。
結果として、歯に歯垢がたまります。歯垢の原材料は食べかすなので、これも臭いを発します。
さらに歯垢は歯石へと形を変え、虫歯の進行に加速をつけます。
ここからも虫歯が進み、口臭を強くしてしまいます。
健康な成人は、1日に大体1.5リットルの唾液を分泌しますが、これが夏場になると人によっては0.5リットル/日にまで減ってしまいます。
夏は汗をたくさんかきます。その分の水分補給ができていないと、当然ですが唾液も減ります。
また、夏の暑さでイライラとストレスがかかると、人の脳は唾液量を減らそうとするのです。
人の脳は本能的に、なにかしらのストレスや要因があって、体に傷を負うことに備えて唾液の成分の濃度を高めておこうという本能の働きがあります。
その働きによって、唾液の濃度を高めるために、唾液中の水分を減らすのです。
また、こういう暑いときに頻繁に見られるのが水分摂取時の「スポーツドリンク」です。
スポーツドリンクは弱酸性のものが多いため「酸食症」になりやすいです。
まぁ色々書きましたが、結論「夏バテから口腔内が荒れてくる」というこです。
特に今は「コロナ」の影響もあり「Stay Home」のため、歯医者さんの定期健診に行きたがらない方も多いと思われますが、
夏の間はやはり「定期健診」は行っている方が良いと思います。
気になる事があれば、またタニダ歯科医院まで一度ご相談を
スタッフ一同お待ちしております。
2021/06/18
院長の谷田です。
歯周病の予防の上でとても重要な事が定期的なクリーニングです。
そのメンテナンスを担うのが歯科衛生士です。
当院には新卒から認定医の資格を持った超ベテランまで
多数の歯科衛生士が在籍しています。
そして全ての衛生士が、患者さんにデビューするまでは、
当院のいくつかの試験をクリアしなければ臨床の現場には立てません。
多くの医院では1ヶ月経たないうちに臨床に立っているケースもありますが、
当院では長ければ1年以上教育している場合もあります。
それが医院の文化になり、向上心のある衛生士が集まります。
もちろん最後にはドクターのチェックも入ります。
定期的な健診を受けて、できるだけご自分の歯を残すように頑張りましょう。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
2021/06/17
こんにちは。訪問歯科医師の村山です。
訪問歯科診療にあたっていると、これまでにおはなししてきた
「保険証」だけでなく「介護保険証」の確認も行います。
介護保険について詳しくご存知でしょうか?
介護保険制度は、介護を必要とする高齢者などがそれぞれの能力に
応じ自立した日常生活を営むことができるように、必要な保健、
医療、福祉サービスを提供するものです。
40歳以上のすべての国民が加入し、一部のケースを除き、
65歳以上で要介護・要支援の認定を受ければサービスが利用できます。
介護保険給付の医療系サービスには、
医師・歯科医師などが行う居宅療養管理指導や訪問看護、
訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、短期入所療養介護、
および施設系サービスの介護療養型医療施設、介護老人保健施設があります。
〈介護サービスの給付〉
・利用者の負担:介護保険の給付率は、サービス利用者の所得に応じて7〜9割、
利用者は原則1〜3割を負担する。
・利用対象者:介護サービスを利用できるのは保険料納付者で、
第1号被保険者(65歳以上の人)が要介護・要支援状態になった場合。
または40〜64歳の医療保険加入者で、初老期認知症や脳血管疾患などの特定疾病が
原因で要介護認定を受けた場合(第2号被保険者)に区分される。
・給付内容:歯科医師と歯科衛生士は訪問先の患者に対し、
要介護者には居宅療養管理指導、要支援者には介護予防居宅療養管理指導を実施する。
なお、居宅サービスでは支給限度額が定められているが、
居宅療養管理指導費は支援限度額の範囲に含まれない。
・利用までの流れ:介護サービスを利用するには市町村の介護認定が必要。
申請を受けた市町村が、認定調査・主治医意見書による一次判定後、
介護認定審査会の二次判定を受けて認定を行う。
要介護認定を受けると、居宅サービスの場合、居
宅介護支援事業者の指定を受けた事業所のケアマネージャーが
居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、計画に基づきサービスの利用が開始される。
*ケアマネージャー
介護保険法におけるケアマネージャーは、要介護者または
要支援者(以下「要介護者等」という。)からの相談に応じ、
要介護者等がその心身の状況に応じ適切なサービスを利用できるよう、市区町村、
サービス事業者等との連絡調整等を行う者であって、
要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な
援助に関する専門的知識および技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたもの。
介護保険の認定を受けている患者さんに訪問診療する場合、
ケアマネージャーとの連携が必要になります。
患者さんを担当するケアマネージャーと連絡をとり、
サービス担当者会議にも必要に応じて出席するなどして患者さんの情報を得るためです。
訪問診療の申込み時には担当のケアマネージャーをお知らせ下さい。
2021/06/10
こんにちは、歯科医師の森岡です。
このブログをご覧の方の中にも「小さい頃から歯が弱くて、、、」と
何度も虫歯ができてしまい、繰り返し治療のために歯科医院に
通われる方はいらっしゃいませんか。
今回は「虫歯を治す」ではなく「虫歯をなくす」ことに焦点を当て、
予防の重要性、どうして定期健診に来ていただきたいかということを
改めてお話させていただきます。
まず前提として歯科医師が歯を削って詰めれば虫歯は治るという考えは要注意です。
治療後に虫歯の原因が改善されていなければ、
結局また新しい虫歯ができてしまいます。
歯に穴が開くのは、口腔内の様々な細菌が出す酸
(もしくは食べ物や飲料水に含まれる酸)が歯を硬くする
力に勝り歯を溶かしていくからです。
そのような口腔内の環境は飲食や歯磨き、日々の生活環境から作られていきます。
つまり虫歯の予防のためには、虫歯の原因を知り、
虫歯に関わる因子をコントロールできる生活習慣を患者様自身が
作り上げることが最も重要になります。
それでは今回は虫歯に関わる因子を順に3つ説明させていただきます 。
歯の表面に付く細菌の塊、バイオフィルムの中には虫歯や
歯周病の原因となる細菌が1mgに2~3億いるといわれています。
虫歯で歯が溶けるのは、バイオフィルム内の細菌が口に入ってきた糖を
栄養にして酸を出すためです。
つまり虫歯菌の住処であるバイオフィルムを取り除くことが
虫歯を予防する第一歩となるのです。
またバイオフィルムは薬剤や水流では落とせないので歯ブラシや歯間ブラシ、
フロスなどをしっかり当てることが重要です。
毎日磨いていても磨き残しのある部位(バイオフィルムが付着し続けている部位)は
1年中磨いていないのと同じです。
歯科医院の定期健診ではでは磨き残しの部位を確認しています。
始めは難しいかもしれませんが、
健診などを通して正しい歯磨きを身につけましょう。
フッ素の働きは、①歯の修復を早める(再石灰化促進)、
②歯が溶けるのを遅らせる(脱灰抑制)、③歯の結晶を強くする、
④最近の活動を阻害する、の4つでこれらの働きにより虫歯の進行を遅らせてくれます。
子供へのフッ素塗布を不安に思う方もいると思いますが、
乳歯や生えたての永久歯は資質が弱く、
とても虫歯になりやすいためフッ素による予防を実践していただきたいと思います。
虫歯を引き起こす細菌は、糖を栄養にしてエネルギーを得る際に酸を出し、
歯を溶かします。糖をたびたび摂取していると、
細菌が絶えず酸を出すようになり口の中が虫歯になりやすい環境へと変化します。
糖を摂らなければ虫歯にはなりませんが、
現代社会で糖を摂らない食生活を送ることは不可能といってよいでしょう。
虫歯予防という点では、糖の量を控えることより回数を減らすことのほうが重要です。
1日に少量の砂糖を何度も食べた人のほうが、
食事の時にだけ大量の砂糖を食べた人よりも虫歯が多く、
砂糖の摂取が4回以下だと虫歯が少なかったという報告もあります。
甘いものが欲しい時には、
キシリトールなど虫歯の原因になりにくいもの代用糖を有効に利用してください。
以上の虫歯のメカニズムを理解して虫歯になりにくい生活習慣を作ることが、
治療の繰り返しをなくし、歯を健康に保つ鍵となります。
少しの知識を得て簡単なことを
いくつか行っていただければそう簡単に虫歯にはならなのです。
よかったら皆さんも虫歯予防の意識を持ち、実践してみてください。