タニダ歯科医院ブログ

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西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

骨粗鬆症 その①

こんにちは、豊原です。朝晩はかなり冷え込むようになり体調を崩しやすい今日この頃ですが、

柿や栗、お鍋料理などが美味しく感じられ、秋らしい季節になりましたね。

今回は、今や身近でよく知られる病気となった骨粗鬆症について書きます。

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下してもろくなる病気です。

このため骨折をきたしやすくなります。

その要因としては、女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏、

加齢や運動不足などの生活習慣が指摘されています。

とりわけ閉経後の女性が発症しやすいことが知られています。
骨の強度を規定する要因としては、骨密度と骨の質 (骨質) があります。

骨の強度に関しては、70%が骨密度、残りの30%は骨質に影響されるといわれています。

健康な骨の維持には骨の形成や吸収といった代謝のバランスが鍵となります。

しかし、加齢に伴うビタミンDや副甲状腺ホルモンのはたらきの変化により骨代謝のバランスが崩れていき、

さらに女性の場合、閉経や加齢により、

骨の分解を抑制するエストロゲンというホルモンの分泌が急速に低下します。

その結果、骨の形成が吸収に追いつかなくなり、より骨を壊す方向へと傾いてしまいます。

このほか、無理なダイエットや偏食により栄養バランスが偏ると、カルシウムやタンパク質、

ビタミンD、ビタミンKなどが不足し、骨量が減りやすくなります。

遺伝的要因や特定の病気、薬の影響によって二次的に起こることも知られています。

たとえば、甲状腺機能亢進症やクッシング症候群などの内分泌疾患、

胃切除や吸収不良症候群など栄養に関連した疾患、ステロイドなどの薬剤、糖尿病などの生活習慣病、

先天性疾患などさまざまな疾患が挙げられます。

糖尿病の患者さんでは、同じ骨密度であっても骨折のリスクが高くなることが知られており、

骨質の変化が発症に関わることがわかっています。女性に多い病気ではありますが、

男性が発症した場合には生活習慣病が原因となっている場合が多く、

症状が重篤になりやすいとされています。
診断はX線検査でも可能ですが、骨の量や成分(骨密度)を測定するためには、

デキサ法(2重エネルギーX線吸収法)、超音波法、MD法、CT法といった検査をします。

骨粗鬆症は予防が大切な病気です。

転ばないよう注意したり、カルシウムやビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウム、

適量のタンパク質の摂取も大切です。禁煙し、アルコール控えめな生活を心がけ、

適度な運動と日光浴も有効です。

治療しては内服薬や注射などがあります。

次回はこの治療薬について、歯科との関連から書きたいと思います。

空気が乾燥しているため風邪を引きやすいですから、

お部屋の加湿やうがいをしっかりなさって、喉を潤してあげてくださいね。

 

全身疾患や投与薬剤と歯科治療と関連

こんにちは、歯科医師の久貝です。
季節は「秋」、だんだんと朝晩の寒さが身に染みる季節になってきましたね。
皆さん体調はいかがですか?風邪を引いてはいませんか?
ウガイ、手洗いを行うように、日頃から十分に気を付けてくださいね。

さてさて、最近 医院にて診療をしていたり、

訪問診療にて患者さんを診ていて痛感することが1つあるのですが、
やっぱり「問診」は大切だなぁ・・・という事です。

どの歯科医院にも問診票が置いてあります。
初めて歯科を受診すると「問診票を書いて下さい」と言われます。
①「今までにどのような病気に罹ったことがありますか」
②「現在飲んでいる薬はありますか」

といった内容の質問が記載されています。

その問診票の質問に正確に答えることが大切なのです。
「歯が悪いのだから歯の病気について答えればいいだろう。」
「内科的な病気は歯科治療と関係ないだろう。」
と思われるかもしれませんが、

実は全身疾患や投与薬剤の中には歯科治療と関連のあるものが意外に多いのです。

たとえば、ある種の病気では血栓を予防するために抗凝固薬が処方される場合があります。

抗凝固薬は血液が固まらないようにする薬ですから、

歯科治療で歯を抜いたあと血が止まらなくなってしまう可能性があります。

抗凝固薬を飲んでいる患者さんには歯科医師が内科の先生と相談して、

抗凝固薬をそのまま続けるか、あるいは減量するか、

あるいは一時的に中止するかを決定します。

また、アスピリン喘息という病気がありますが、

アスピリン喘息の患者さんは抜歯後などに処方される痛み止めの薬で喘息発作が起こることがあります。

むしろ歯科医院でふつうに処方される鎮痛薬の多くはアスピリン喘息を起こしやすいのです。

もし歯科医師がアスピリン喘息であること知らないと、いつもの鎮痛薬を渡してしまう可能があります。

高血圧症で血圧を下げる薬を飲んでいる患者さんは、

その降圧薬の作用によって血圧が安定しているわけですから、

もしも降圧薬を飲まずに歯科治療を受けると、血圧がひどく上がってしまって、

めまい、吐き気、頭痛といった症状が出てしまうことがあります。

ですから、歯科治療を受ける日の朝も、いつものように降圧薬を服用して下さい。

長年、高血圧の薬を飲んでいる方の中には、「もう飲まなくてもいいだろう、どうもないから」

と自分で判断して降圧薬を中止してしまう方がいます。

そうすると知らないうちに血圧が上がっていて、

歯科医院で血圧を測ったら200を超えていたということになりかねません。
これでは歯科治療どころではありません。

内科の先生の指示をよく守って、血圧が安定した状態で歯科治療を受けてください。

なので、繰り返し言いますが「必ず問診票には処方されている薬の名前を書いて欲しい」のです。

薬の名前が分かれば歯科治療と関連があるかどうかを歯科医師が判断します。

ときとして歯科治療中に気分が悪くなることがあります。

内科的な病気がある患者さんばかりではなく、日頃から元気な患者さんでも、

歯科治療中に気分が悪くなることがあります。
たいていの場合は、歯科治療に対する「不安感」、「恐怖心」、「歯科治療中の痛み」などが原因です。

もしも歯科治療中に気分が悪くなったら、早めに歯科医師に知らせて下さい。

遠慮して我慢していると、もっと気分が悪くなってしまうことがあります。

早めに対処すれば治りますから、決して我慢しないで、歯科医師に「気分が悪い」とおっしゃって下さい。

【医療保障】

こんにちは。訪問歯科医師の村山です。

前回、社会保障制度についてお伝えしましたがここから社会保険のうちの1つ、

医療保障についておはなししましょう。

【医療保障】

全ての国民が健康維持・回復・増進を図ることができるように、

国の責任において制度の枠組みを作り、

基本的人権として健康に対するさまざまな権利を保護する体制を医療保障制度といいます。

この制度は誰でもどこでも、いつでも差別なく、

のような制度をとろうと包括的医療サービスを経済的苦痛なく(あるいは無償で)受けられる、

等の要素を満たすことが求められます。

 日本の医療保障制度は社会保険方式を基本としています。

病気やけが等をした時の負担(リスク)を保険に加入する人たち全体で支え合い、

特定の個人(国民)に過重な経済的負担がかからないようにするためです。

・公的医療保険制度

上記の仕組みを使いながら、なおかつ個人の負担が過重にならず国や企業が責任を持つために、

医療全体にかかる費用のうちの多くの部分を企業や国、

自治体が公費(税金)を投入して支える制度のことです。(民間の保険は財源の全てを加入者の保険料で賄う)

 公的医療保険制度の財源は公費(税金)・保険料(事業主と被保険者が負担)

・一部負担金(窓口負担)3つで構成されます。

この割合がどうなっているかで、医療保険制度が国民にとって本当に安心できる制度かどうかが決まります。

 現在日本は医療を受けるための公的医療保険に全ての国民が加入することになっています。

これは国民皆保険制度といい、いわゆる強制加入のことです。

国民は経済的能力に応じて保険料を負担し、必要に応じて医療を受け、

その受けた医療に要した費用の一部を一部負担金として支払います。

 医療が必要な人に、保険給付として医療行為そのものがその都度提供される仕組みのことを

「現物給付」といい、日本はこの仕組みを採用しています。

これに対して患者が一度、医療機関に全額支払った費用を(場合によってはその内の何割か、

または一定の金額)現金で給付する制度を「療養費払い」制度といいます。

療養費払いの場合、医療が終了した後に患者が自ら加入している保険に請求して返金してもらう

(「償還払い」という)ことが原則となります。

・保険者と被保険者

保険者とは保険事業を行う主体の名称で、ここでは医療保険への加入、

保険料の徴収、保険給付等の管理運営を行う組織のことです。

また医療保険に加入し、保険料を納めて医療サービスを受ける個々人は被保険者と呼ばれます。

 

誰でも保険証を持ち、医療が受けられるのはこういった社会保障制度があってのものです。

そして保険証にも様々な種類があります。また紹介していきましょう。

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皆様に役立つ情報をご案内します。

他人事ではない摂食嚥下障害

院長の谷田です。

 

今日と明日の2日間、神戸国際会議場で摂食嚥下障害の研修会に参加しています。
摂食嚥下障害を治療するには他職種による連携が必要です。
この研修会では、医師・歯科医師・歯科衛生士・薬剤師・言語聴覚士・理学療法士・看護士・栄養士など他職種によるそれぞれの立場でのノウハウを提供して、お互いに吸収する意図で開催されています。

 

当院は訪問診療も行っています。
各歯科医師・衛生士はそれぞれ研修会に参加してレベルの高い訪問診療を目指しています。

 

私も訪問診療をしていますが、私の専門は嚥下内視鏡(VE)を使用した摂食嚥下障害のある方への訪問診療です。

 

簡単に言うと以下のような症状が出ている方を診察して欲しいという、施設や医科の主治医や家族の方からの依頼です。

 

*最近食事時にむせるようになった。
*食べ物が喉を通らない。
*原因不明の突発性の発熱が出る。
*脳梗塞などの病気で入院して胃ろうにしていたが、口から食べてよいか判断して欲しい。
*認知症が有りうまく食事が取れない。
*誤嚥性肺炎を予防したいが、どんな食事形態(刻みにするのか、ミキサー食にするのか、トロミをどれくらいつけたらよいか)にすればよいか。
などなどです。

 

日本の現在の死亡原因の第1位は悪性新生物(ガン)で、第2位が心疾患、そして第3位が肺炎です。この肺炎による死亡者が急激な勢いです増えています。

 

肺炎の死亡者の8割以上が65歳以上の高齢者で、そのまた8割以上が摂食嚥下障害などで起る誤嚥性肺炎による死亡です。

 

言い換えれば肺炎イコール誤嚥性肺炎と言っても過言ではありません。

 

なぜこれほどまでに誤嚥性肺炎によって亡くなられる方が急増しているのでしょう。

 

まず誤嚥性肺炎という病態の認識が意識されだしたのが最近になってからということ。
あとは誤嚥性肺炎を診療する医師・歯科医師が潜在患者の数に対してとてつもなく少ない事です。
入院されている方が誤嚥性肺炎の診療を受けるのは何ら問題はないのですが、家庭や施設に入ってる方の診療となると話は違ってきます。

 

誤嚥性肺炎の診療で喉を診るために、訪問診療されている耳鼻科の先生は現在ほとんどおられないのではないでしょうか。
歯科でも喉を診るために嚥下内視鏡を使って診断し、なおかつ食形態や食事時の姿勢、もっと踏み込んで栄養状態までアドバイスできる歯科医師はごくごく限られているのが現状です。
当院でも将来に向かって私の嚥下内視鏡の技術を勤務の歯科医師の先生方に伝えようと計画しています。

 

摂食機能障害はわれわれ誰にでも起こりうる機能障害です。

 

摂食嚥下障害は、老化によって飲み込みに関連する筋肉(首周り)が衰えてもおこりますし、姿勢が悪くなっても(猫背)起こる可能性があります。
特別な事ではなく、誰にでも起こりうる可能性があるのです。

 

もちろん、脳梗塞やパーキンソン病の影響でも起こりますし、認知症でも起こります。
もっと言えば、服用する薬(向精神薬や一部の睡眠薬など)によっては摂食嚥下障害を起こす事もあるのです。
摂食嚥下障害は症状がでてしまうと、リハビリテーションが必要になってきます。

 

介護する方にも負担がかかります。
完全に回復しない場合もあります。

 

摂食嚥下障害においては何よりも予防が大切なのです。

 

ですから少しでも摂食嚥下障害に関連するような症状が出たら早めに医療機関に相談に行かれる事が重要です。
もちろん当院でも相談・治療が可能です。