2024/06/04
こんにちは、院長の谷田です。
6月に入り雨模様が続くこの時期は、
なんとなく気分がすぐれない日も
あるかもしれません。
そんな気だるさから、
普段は当たり前に行っている習慣を
疎かにしてしまうと、
健康状態が悪化するリスクを
招くことがあります。
そのリスクのひとつが「歯石」です。
日々の歯みがきが不十分だと
歯に付着した歯垢(プラーク)が
やがて歯石となり、
色々な害を引き起こします。
中には
「歯石を自分で取り除いている」
という人もいるかもしれませんが、
この行為は効果が無く、
むしろ危険を伴うため注意が必要です!
◆毒性があるのは歯石ではなく、
歯石につく◯◯!
歯石とは、
歯の周囲に溜まった
細菌の塊である歯垢(プラーク)が
だ液に含まれるミネラル成分によって
石のように硬くなり、蓄積したものです。
歯石には大きく分けて、
目に見える黄白色の
「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」と、
歯ぐきの下に隠れている、黒っぽい
「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」があります。
この歯石自体に毒性はありませんが、
お口の健康のためには
取り除くことが必須です。
その理由は、
ざらざらした歯石の表面が
細菌の繁殖にはうってつけの環境であり、
この細菌が、歯や歯ぐきに
悪影響を及ぼしてしまうからです。
◆歯石を放置するとこんなことが…!
細菌だらけの歯石を
除去しないまま放置すると、
やがて歯周病が悪化する
原因となります。
歯石の表面の凹凸に入り込んでいる細菌は、
通常の歯みがきでは完全に除去できません。
その結果、歯石がついた周囲の歯ぐきで
炎症が起こって腫れてしまい、
歯と歯ぐきの間のみぞ(歯周ポケット)が深くなります。
この環境下で歯周病菌が増えることで、
歯周病が悪化していきます。
さらに、歯周病菌は
悪臭を伴うガスを放つため、
口臭も強くなってしまいます。
これらを回避するためには、
細菌のすみかとなる歯石を
早めに取り除くことが肝心です。
◆絶対やめた方がいい…
自分で歯石を取る危険性とは?
歯石を早く取ったほうがいい、となると、
「自分で歯石を取ってしまおう!」
と考える人もいるかもしれません。
しかし、自分で歯石を取ろうとすると
歯や歯ぐきを傷つけることになり、
歯石を全て取ることも不可能です。
また、取り残された歯石に付着した細菌は、
変わらず毒素を出し続けるため、
歯周病や口臭が確実に悪化します。
このように逆効果にしかならないため、
自分で歯石を除去する
メリットはありません。
これらの理由から、
歯石を自分で取ることは絶対に避けましょう。
◆歯石の害、どうしたら食い止められる?
歯石への最善の対処法、
それはズバリ、
「定期的に歯科医院で取ってもらうこと」です。
歯石は一度取った後も、
お口の中のプラークが再び歯石となり、
繰り返し付着してしまいます。
そのため、一般的には
3~6か月に一度のペースで
定期的に歯石取りに通い、
きれいな状態を保つことをおすすめします。
お口の悩みのタネとなる歯石を
歯科医院で安全かつきれいに取り除き、
健康な歯ぐきを維持していきましょう!
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2024/05/30
こんにちは歯科医師の久貝です
みなさん歯医者さんへ行っていますか?
よく「定期健診へ行きましょう!!」って聞きますが
そもそも「なんで歯医者に行かなアカンねん?」って、
思っている人も多いのでは?
「自分歯医者キライやねん。っていうか怖いし・・・」って
思っている人も多いのではないでしょうか?
はい、そーゆー僕自身も歯医者さんは怖いです。
何かねぇ・・・口の中をゴリゴリされているし
自分の目では、何をされているのかよく判らないし・・・
とりあえず「怖い」の一言ですよねぇ・・・
「歯科恐怖症」って言うんでしょうか
過去の歯科治療によって、「怖い思い」や、
「嫌な思いをした事」で、そのトラウマによって
歯科治療が怖くなってしまっている、
そんな人は案外多いのではないでしょうか
そういう患者さんによく見られる事として
「虫歯になっても歯科医院への受診をためらってしまう」
そのため、簡単には受診ができず、
痛み止めを飲んでやり過ごす方も多々いらっしゃいます。
ところが虫歯は自然には治らないので、
虫歯がどんどん進んでしまい、
気がついたら、激痛になり、食べることも生活しているだけでも
ズキズキとしてしまいます。
そうすると、さらに恐怖心が増してしまい、
さらに歯医者に行きづらくなる、そんなケースがあります。
歯科が苦手な理由としては様々ですが、
例えば以下の様な事が挙げられます
・小さい頃の歯科治療でのトラウマ
・機械の音が合わない
・削られるのがイヤ
・歯医者の匂いが合わない
・先生が怖かった
・十分な説明がなかった
・歯がボロボロで恥ずかしい
・麻酔の注射がダメ
・麻酔が効かなかったことがある
・パニック障害がある
・嘔吐反射で型取りが苦手
・嘔吐反射で口の中に器具を入れることができない
・先端恐怖症
・閉所恐怖症
では、このようにして歯科恐怖症になってしまった場合、
どのように歯科治療を受ければよいのか?
原因が様々なため、「コレをしたらOK!!」という解決法はありませんが
対処方法としては幾つか考えられます。
初診の時は必ず問診(カウンセリング)がありますので、
そのときに伝えるようにしましょう。実はここが一番大事です。
まず、しっかりと自分のことを知ってもらい、
できることできないことをあらかじめ伝えることで
かなりスムーズに治療を行うことができます。
それによって、歯科医療者側は対応を変えることができます。
もちろん、クリニックによって対応は違いますが、
できる限りの対応はしてくれるはずです。
万が一、全く対応してくれないクリニックではあれば、
安心して通院することができないので、
遠慮なく別のクリニックに変えましょう。
例えば「機械の音が嫌だ」という患者さんに。
⇒5倍速エンジンという音の小さい切削器具や
、機械ではなく、手用の器具にて対応することで、
音ない、あるいは、極力小さい音で治療を行うことができます。
麻酔の注射が痛くてつらい。
⇒注射による麻酔を浸潤麻酔といいますが、
浸潤麻酔を行う前に、表面麻酔という塗り薬を塗ることにより、
注射による痛みや負担は軽減されます。
また、浸潤麻酔をゆっくりめに注入してもらうことでも
痛みは軽減することができます。
それでもしんどい時は、笑気麻酔や静脈内鎮静法による治療をすることで、
ほとんどの場合、スムーズに麻酔の注射を行うことができます。
麻酔が効かなかったことがあって不安。
⇒浸潤麻酔と呼ばれるお口の中に注射をすることにより
鎮痛させる麻酔でのトラウマがある場合、
なぜその時麻酔が効かなかったのか、
また、今回も効きづらかった場合は、
追加で麻酔を足すこともできることを伝えれば、
ほとんどの場合、安心して治療を受けることができます。
嘔吐反射があり、型どりができない。
⇒嘔吐反射がある場合は、型どりを行う際、
型取りの材料を極力少なめにする、小さめのトレイを使う、
診療台を起こし気味で行う、笑気麻酔や静脈内鎮静法を行い、
嘔吐反射を抑えた上で治療を行う、光学印象という粘土のような材料ではなく
、光によるスキャンによる型取りシステムで行う、
喉付近に反射を抑制する浸潤麻酔を行う、等様々な対応方法があります。
パニック障害や不安症があって不安。
⇒とにかく少しずつできる治療を増やしていくことが重要です。
前歯の歯ブラシはできるか、奥歯の歯ブラシはできるか、
ミラーは口に入れても大丈夫か、機械を使ったブラッシングはできるか、
など、少しずつできることを増やす、
達成感をつくるようにしていくことで不安が軽減されます。
急ぎの治療箇所がある場合は、笑気麻酔や静脈内鎮静法を有効です。
という風に、あらかじめ患者さんの不安事項や懸念事項がわかっていると、
対応できることも多いので、しっかりとした「伝える」コミュニケーションが重要です。
タニダ歯科医院なら個室も完備しているため、
人目を気にすることなく不安なことを相談して下さい。
患者さんと、僕らスタッフの信頼関係を築く事が、
より良い治療を進める上での第一歩であると思っています。
2024/05/23
こんにちは 歯科医師の西川です。
最近関節が痛むようになり、関節痛について調べていたところ、
リウマチと歯周病の関係についての情報を見つけましたので、
皆様にもお伝えさせていただきます。
歯周病をもつ関節痛を訴える患者さんは、
歯周病のない患者さんに比較して、その後関節リウマチと診断され
抗リウマチ治療を開始されるリスクが約2.7倍高くなる
歯周病は、30歳以上の成人の約80%が罹患している慢性疾患で、
口腔内のみならず、虚血性心疾患や脳卒中など全身のさまざまな疾患に
影響を与えていることが知られています。
その中でも最近特に、歯周病と関節リウマチとの関係が最近注目されています。
関節リウマチ患者の約8割の血液中には、抗シトルリン化蛋白抗体(抗CCP抗体)という、
シトルリン化という反応を経たタンパクを認識する抗体(血清マーカーの一種)が
検出されますが、この抗体はしばしば関節リウマチの発症に先立って検出されます。
また近年、歯周病菌の一種であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌(ポルフィロモナス菌)が、
現在知られている中で唯一シトルリン化を起こす酵素を産生する細菌であることが報告されました。
そのため、歯周病の罹患が、この歯周病菌の持つシトルリン化酵素による過剰なシトルリン化を介して、
関節リウマチの発症に先立って検出される抗CCP抗体の産生を引き起こし、
ひいては関節リウマチの発症につながっているのではないかと考えられるようになったのです。
2015年、京大病院リウマチセンターを受診した未治療・未診断の関節痛患者72名の追跡調査により、
歯周病をもつ関節痛患者は、歯周病のない患者に比較して、その後関節リウマチと診断され
抗リウマチ治療を開始されるリスクが約2.7倍高くなることを示しました。
慶應義塾大学病院 医療健康情報サイトより
また、スタンフォード大学などアメリカの大学の研究では、歯周病を放置してしまうと、
関節リウマチの症状が悪化することが研究で明らかになっています。
抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)も保有している関節リウマチ(RA)患者では歯周病の発生率が高く、
これら2つの疾患の間に関連性があることが示唆されています。ブリューワーらは、歯周病の有無にかかわらず
RA患者から縦断的に採取した血液サンプルから、ヒトと細菌のトランスクリプトームの一対の分析を実施しました。
彼らは、関節リウマチおよび歯周病患者における反復する口腔菌血症および
臨床的関節炎の再発と相関する炎症性単球サブセット内の転写サインを特定した。
これらの口腔細菌は広範にシトルリン化されており、これらのシトルリン化エピトープの一部は、
親和性成熟を経た RA血漿芽細胞によって発現されるACPAの標的でした。
これらの結果は、歯周病が口腔粘膜の損傷を引き起こし、シトルリン化細菌を血中に放出し、
炎症性単球とACPA特異的B細胞を活性化する可能性があることを裏付けています。
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abq8476
以上のように、リウマチを引き起こしたり、悪化する原因にもなる歯周病。
歯周病とは、歯周プラーク(歯垢)の中の歯周病菌がハグキに炎症を起こし、徐々に周りの組織を破壊していく細菌感染症です。
痛みなどの自覚症状がなく進行するので、別名サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)と呼ばれ、
症状が進行すると歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし、やがて歯が抜けてしまう原因になります。
歯周病の症状の進行に伴い、ハグキが腫れると、些細な刺激で出血しやすくなります。
また病的口臭(歯周病が原因の口臭)や起床時のお口の不快なねばつきなども症状としてみられます。
そうなる前に、きちんと歯周病を予防していくことが大切です。