2023/08/22
こんにちは。院長の谷田です。
8月も終盤ですが、まだまだ日中の暑さは油断ができません。
熱中症への警戒はもちろんのこと、この時期は夏の疲れから来る体調不良にも気をつけたいところです。
「歯が痛む」「歯がしみる」といったお口の症状がでた場合には、どうぞお早めにご来院ください。
さて、上記の症状で歯科医院に行った際、「むし歯」と診断されることが少なくないと思います。
むし歯といえば先日、西宮市と西宮市歯科医師会のコラボで「むしば0教室」が行われました。
当日は私も相談歯科医師として、教室に参加されたお子さんとお母様の口腔内の診査を行い、悩みや質問にお答えしてきました。
この日のために、西宮市保健所の歯科衛生士さんが啓発用の展示物を用意してくれており、中でもインパクト大だったのがこちらです。
清涼飲料水に含まれている砂糖の量が、一目瞭然ですね。
炭酸飲料であれば、酸に砂糖のダブルパンチとなり、お茶や水がわりに飲んでいると悲惨な結果になってしまいます。
むし歯の原因の一つは、甘いものがお口の中に残ることでむし歯菌が作用し、口内を酸性にしてしまうことです。
たまに飲むのはいいと思いますが、飲んだあとは必ず歯みがきすることを強くおすすめします。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2023/08/17
こんにちは、歯科医師の久貝です。
いや~、暑いです。
ホントに暑いです
だって季節は8月・・・真夏ですわ!!
皆さん元気に過ごされていますか?
夏バテになっていませんか?
こんな時だからこそ、しっかりと食べて元気になりたい所ですよね。
やっぱり、「しっかり食べる」って、すごく大事な事なんですよね
食べられないと、体が元気になれません。
「口から食べる」って、何気なく毎日の生活の中でしている
行為ですけど、訪問診療に行っていて つくづく感じることは、
「しっかり食べられる人は元気」という事です。
季節によって、食欲が無い時もあります。今の季節なら「夏バテ」。
もう少ししたら「食欲の秋」で、「食」が楽しい季節がやってきますが、
やっぱり「食べられる人は元気」です。
でもね、そういう毎日の当たり前の行為を邪魔する病気があるんですよ
「口腔癌」です。
口腔癌とは、口の中やその周辺にできる悪性腫瘍の総称で、
歯科口腔外科で扱う診療分野の1つでもあります。
口内にできるがんというと、少し怖い気もするでしょうが、
体にできる癌全体を含めると、
口内でのがんの発生率はおよそ1%から3%程度となります。
発生する部位によって呼び方が変わりますが、
口腔癌には下記に示すものなどがあります。
・舌癌
舌にできる癌を特に舌癌と呼びます。
口腔癌の中でも、舌が癌になるケースが最も多く、
口腔癌のおよそ40%を占めるものとなります。
・・・こんなのは僕らでも、判らない
・歯肉癌
歯茎にできる癌が歯肉癌です。
口内でできる癌の中では、およそ18%程度で、
上顎よりも下顎の歯肉が、癌になるケースが多いものです。
・口底癌
口底とは、舌の下にある下顎部分です。
ここにできる癌を口底癌といいます。
癌が広がると、周囲の歯肉や舌に転移しやすい特徴があります。
・頬粘膜癌
頬の裏側や唇の裏側の粘膜部分などにできる癌を、
頬粘膜癌といいます。全口腔癌の中では、
およそ10%程度を占めるものとなります。
・口蓋癌
口蓋とは、上顎の天井部分を指し、ここにできる癌を
口蓋癌といいます。舌癌や歯肉癌と比べると、
発生率は少ないものですが、癌を見落としやすい
部位となっています。
・口唇癌
唇にできる癌が口唇癌です。
日本人の口腔癌全体の中では、およそ1%程度の発生率で、
唇は癌になりにくい部位といえます。
しかし、欧米では口腔癌全体のおよそ25%から40%を占めています。
癌は発生する組織によって、大きく3種類あります。
.造血器でできる癌、
.体の表面組織(上皮)にできる癌、
.筋肉や骨にできる癌(肉腫)
になります。
造血器でできる癌には、
白血病や悪性リンパ腫、骨髄腫などがあります。
体の表面組織(上皮)でできる癌には、
肺がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、乳がん、
そして口腔癌もその1つです。
口腔癌では口内の表面にできるものが多く、
見てすぐにそれと分かるという特徴があります。
また、肉腫としては、骨肉腫、軟骨肉腫、脂肪肉腫、
血管肉腫などがあります。
口腔がんの初期症状は、口内炎と似ているものです。
口内炎は、自然に治ってきますが、
口腔癌の場合は、自然に治癒しないものです。
2週間以上治らないような口内炎があるなら、
歯科口腔外科で診てもらうべきです。
また、口内の表面が白くなっている箇所がある場合など、
癌の初期段階とも考えられます。
口腔癌が疑われる症状は下記のとおりです。
・治りにくい口内炎がある
・口内に固いしこりがある
・口内に出血を繰り返す箇所がある
・唇や口内にピリピリしたしびれや痛みがある
・口内に白や赤くなっている部分がある
・首のリンパ節が長く腫れている
それでは、気になる治療方法です。
口腔癌の基本的な治療は、腫瘍の摘出、放射線治療
、化学療法の3つが主流となっています。
良性腫瘍の場合には、腫瘍を摘出する手術が主体ですが、
癌は浸潤していると、きれいに切除できないこともあり、
転移している可能性もあるので、放射線治療や化学療法を
組み合わせる場合もあります。
外科手術は、癌に冒された病巣を切除する手術です。
浸潤する性質がある癌は、周囲の組織に入り込んでいるので、
癌細胞と正常な組織も含めた安全域といわれる部分を、
取り除く手術になります。
もちろん、切除する箇所は部位によって異なりますが、
お口の中を切除するので、手術後に咀嚼障害(食べ物を噛む障害)、
嚥下障害(飲み込む時の障害)、そして、見た目の変形といった
後遺症が残ることもあります。
また、取り除く範囲が広い場合には、
形成外科による修復が必要となることもあります。
放射線治療は、病巣部に放射線を当てることで、
癌を小さくしたり、死滅させる方法です。
特に、初期のがんで、病巣が小さい場合には、
放射線の照射だけで除去することも可能です。
化学療法は抗がん剤などを投与して、癌の勢力を弱める治療です。
化学療法を用いるのは、3つのケースがあります。
外科手術では切除できない場合や、手術前に腫瘍の活動を抑える場合、
手術後に転移の可能性のあるがんを死滅させる場合があります。
口腔癌に限らず、癌は早期発見と早期治療が肝心です。
口腔癌の初期のステージⅠであれば、
5年生存率がおよそ9割程度と高いものなので、
早期発見が第一です。
口腔癌は口内を見て分かるものがほとんどなので、
その多くは、歯科の治療中に見つかることが多いものです。
従って、定期的に歯のチェックを行っていれば、
発見される確率も高くなります。
なかなか、見つかる事はありませんが、やはり早期発見が一番です。
なので、タニダでの定期健診の際に、気になる事があれば
是非遠慮なさらずにご質問くださいね。
2023/08/10
こんにちは。訪問歯科医師の村山です。
高齢社会を迎え、生活機能に支援が必要な人が多くなり、
医療・保健・福祉の密接な連携が必要とされています。
介護を必要とする人達の生活の場における支援を考えると、
医療・保健・福祉を分離して考えることなく、
それぞれの領域が密接に連携して「よりよく生きる」ための支援が必要です。
歯科からみると、口腔保健・歯科医療は生活機能の大きな柱である食物摂取機能と
言語表出機能の維持や回復を通して、自立と社会参加を支援していく領域で関与します。
今後も高齢社会に不可欠な福祉と連携した生活支援型保健・医療に積極的に参画して
介護を必要とする多くの人達の生活の質の向上に寄与することが求められます。
〔介護保険法〕
介護保険法は高齢者の自立支援を基本理念に、1997年に成立し2000年から施行されました。
これはわが国の高齢化に伴い、要介護高齢者が増加することに対して医療と福祉のサービスが
対応しきれなくなったことから、社会保険方式を創設し、
国全体で高齢者の介護を支える仕組みをつくろうとしたものです。
歯科医師はかかりつけ歯科医を中心に関与するとともに、
介護認定審査会の審査委員として介護認定にかかわる場合も多く、
また介護支援専門員の要請に応じてサービス担当者会議に出席して意見を述べる機会もあります。
要介護者・要支援者の多くが歯科治療や口腔ケアを必要とすることから、
介護保険法の内容とそれに基づく保健・医療と福祉の連携内容を理解することが求められているのです。
・介護保険法の目的
介護保険法第1条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、
入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、
これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、
必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、
その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
・介護保険の制度としての特徴
→老後の最大の不安要因である介護を社会全体で支える制度
→社会保険方式により給付と負担の関係を明確にした制度
→利用者の選択により、さまざまな保健・医療・福祉サービスを総合的に受けられる制度
→介護を医療保険から切り離し、社会的入院解消の条件整備を図る制度
・介護保険の保険としての特徴
→北欧型の税金方式と、ドイツの保険方式の両者の長所を取り入れている。
→要介護に加えて、虚弱老人に対しての要支援(要介護になることの予防)を給付に加えた。
→残された能力を伸ばし、自立を図ることを積極的な目的として掲げている。
次回、歯科との関係についてもう少し詳細にお伝えしましょう。
2023/08/04
こんにちは。院長の谷田です。
海や山にプールなど、
お出かけする機会が増える楽しい季節ですが、
そうした場所では
思わぬ事故や怪我に
遭遇してしまうこともあります。
いざというときに、
慌てず迅速に対応することが
皆さんの健康を守ることに繋がりますので、
しっかりと準備を行い、
楽しい夏を過ごしましょう!
そこで今回は、
「もし事故や怪我で歯が抜けてしまったら
どのようにすれば歯の生存率を上げられるか」を
ご紹介したいと思います。
◆抜けた歯を守るカギは
『歯根膜(しこんまく)』
事故や怪我などで抜けた歯を
元に戻せるかどうかは、
「歯根膜を守れるかどうか」で
大きく左右されます。
そもそも歯根膜とは、歯の根っこを覆う
0.3mmほどのとても薄い膜のことです。
歯を支える『歯槽骨(しそうこつ)』と、
歯の根を結びつけているほか、
食べものを噛んだり、
歯に強い力が加わったりしたときに
その衝撃を吸収する
クッションの役割も果たしています。
もし、事故や怪我などで
不意に歯が抜けたとしても、
この『歯根膜』が無事なら、
元の位置に戻せる可能性が高くなります。
しかし、
歯根膜は非常にデリケートなため、
扱い方を間違えると
あっという間に失われてしまうのです。
◆歯根膜が危ない!NG行動
歯が抜けたときに
絶対にやってはいけないこと、それは
・歯の根を持つ
・汚れを取ろうとする
この2つです。
まず、抜けた歯を持つときは必ず
歯の頭(歯冠部分)を持つようにしましょう。
歯の根には歯根膜がついており、
そこを素手で触ってしまうと、
歯根膜が傷ついてしまう可能性があります。
また、抜けた歯を
地面などに落としてしまった場合には、
汚れを取りたくなるかもしれませんが、
その際には細心の注意が必要です。
ゴシゴシとこすったり、
石鹸や消毒液で念入りに洗ったりすると、
歯根膜まで取れてしまいます。
抜けた歯を洗うときには、
・歯の頭を持つ
・流水で10~20秒以内にサッと洗い流す
この2つのポイントを必ず守りましょう!
◆「早めの受診」は絶対条件!
歯根膜は乾燥に弱く、
たったの20分弱で
歯根膜の生存率は大きく低下する
といわれています。
そのため、抜けた歯を元に戻すには
1秒でも早い受診が必要不可欠なのです。
しかし、状況によっては
そんなすぐに歯医者へ行けない…
という方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合におすすめなのが、
『牛乳』や『生理食塩水』に浸けておくことです。
一番おすすめなのは、
『専用の保存液』に浸けておくことですが、
近くのお店では手に入らない場合もあります。
その点、牛乳や生理食塩水は
ご家庭でも用意しやすいため、
保存液が手に入らないときには
この2つで代用しましょう。
専用の保存液であれば約24時間、
牛乳なら約6時間、
生理食塩水は1時間程度まで
歯根膜の生存率を延ばせる可能性があります。
歯根膜がきれいな状態で、
なおかつ早めに受診できれば、
歯を元に戻せる確率は
それだけ高くなります。
歯が抜けてしまった際には、
適切な方法で歯を保存して、
可能な限り早く
歯科を受診することを心がけましょう!
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2023/08/04
こんにちは。歯科医師の森岡です。
今日は聞き慣れた内容かもしれませんが、歯周病と
歯科検診の重要性について改めて説明させていただきます。
皆さんご存じの歯周病は、歯と歯茎の周囲の組織に
影響を及ぼす慢性的な炎症疾患であり、
放置すると歯の喪失や全身の健康への影響をもたらす
重篤な問題となります。
それに対抗するには予防と早期発見が重要です。
まず、歯周病の対策としては、適切な口腔衛生を
保つことが挙げられます。毎日の歯磨きやフロスの使用、
歯間ブラシの活用などで、口腔内の細菌や歯垢を除去し、
歯周病の進行を防ぐことができます。
また、定期的な歯科検診が非常に重要です。
歯科医師や歯科衛生士による専門的な清掃や検査によって、
歯周病の早期発見が可能となります。
早期に発見すれば、適切な治療やケアを
行うことで進行を食い止めることができます。
検診の重要性は以下の点に由来します
【早期発見と予防】
定期的な検診によって、歯周病の初期段階やリスクを把握できます。
早期に発見することで、症状の進行を防ぎ、治療の負担を軽減します。
【カスタマイズされた治療】
検診により、個々の口腔状態に合った治療プランが立てられます。
これにより、患者のニーズに適した治療が提供されます。
【予防指導】
歯科医師や歯科衛生士から、適切な歯磨きや口腔ケアの方法について
アドバイスを受けることができます。
予防的な指導を受けることで、歯周病のリスクを低減できます。
【全身への影響】
歯周病は全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。
心疾患や糖尿病などとの関連も指摘されています。
定期的な検診によって、早期に歯周病のリスクを把握し、
全身の健康を守ることができます。
以上の理由から、歯周病の対策と予防には、日常的な口腔ケアと
定期的な歯科検診の重要性を理解し、実践することが大切です。
健康な歯と口腔を維持することは、全体的な健康にも
大きく影響することを忘れないようにしてください。