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タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

自覚がなくても要注意⁉骨粗しょう症と歯周病に深い関係が!

歯を守るための力のコントロール ⑲

歯を守るための力のコントロール ⑲

 

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆    垂直歯根破折の原因

 

歯根破折は8020財団の調査では抜歯原因の第3位であるが,

2005年の第1回調査に比べて,2018年の第2回調査では

歯周病やう蝕が減少傾向を示しているのに対して,

歯根破折は増加している。

また,十分にメインテナンスされている患者では歯周病やう蝕で

抜歯されることはきわめて少なく,ほとんどの抜歯は歯根破折が

原因と報告されている.これは,う蝕や歯周病については原因や治療法,

予防法が広く知られており,管理可能な疾患であるのに対して,

歯根破折の要因は多数かつ複雑なのが要因と考えられる。

 

歯根破折はスポーツや交通事故など強い衝撃が歯に加わって

水平性に破折する症例や,セメント質が剥離性に破折することもあるが,

歯根が歯軸方向に破折する垂直歯根破折がほとんどをしめている。

垂直歯根破折の診断や治療,予防法を明らかにしていくことは,

咬合を確保し口腔機能を維持するためにはきわめて重要である。

垂直歯根破折は歯頸部から生じて根尖側に伸展していく場合と,

根尖部から発生して歯冠側に広がっていく場合があり,

その頻度はおおむね同等である。

 

歯頸部からの破折では頰舌方向にも近遠心方向にも破折するのに

対して,根尖からの破折では,ほとんどが頰舌方向に破折線がみられた

したがって,歯頸部からの破折と根尖からの破折では,

要因も異なっていると考えられる。

垂直破折の要因として,硬いポストによる応力集中をはじめ,

フェルールの重要性などが報告されているが,抜去歯を用いた

これらに関する実験ではいずれも歯頸部から破折が生じており,

歯頸部からの破折に対して一因となっていると考えることに不合理はない.

一方,根尖からの垂直破折については,根管拡大形成による根管壁の菲薄化や

根管充塡時の過剰な力,NiTiロータリーファイルを用いた根管形成による

クラックの発生などの報告があるが,いずれもin vitroでの実験にとどまり.

NiTiロータリーファイルを使用すると歯根破折が増加するなどの

臨床的なエビデンスはなく,これらの要因の関与を推察する

症例報告もほとんどないことから,

根尖からの垂直破折のメカニズムは未だに不明な点が多い。

硬いポストによる応力集中が大きな要因と考えて

ファイバーポストが広く使用されるようになったが,

根尖からの破折対策としての効果はないと考えられ,

垂直破折の激減は当分期待できないと考えられる。

 

 

◆ 垂直歯根破折による歯周組織破壊

 

1) ポケット上皮の下方増殖

 

垂直歯根破折が発生すると破折線に沿って急速に歯周組織破壊が進み,

骨吸収が生じてプロービングデプスが深くなる.

この歯周組織破壊が歯周炎と同様にポケット上皮の根尖側移動や

歯周ポケット内のプラーク増殖が生じているのかを明らかにするために

行われた研究では、歯根破折後の初期には歯根膜にわずかな炎症を生じるのみで,

その後時間の経過とともに破折線に沿った狭い垂直性の骨吸収が起こり,

プロービングデプスが深くなった.しかしポケット上皮の根尖側移動は

ほとんど起こらず,歯根表面にプラークが増殖することもなかった。

したがって歯周炎とは異なり,炎症の原因は根管や破折線に増殖した細菌であり,

プロービングデプスが深くなったのはポケット上皮が根尖側移動し

たためではなく,ポケットプローブが垂直性骨欠損内の

炎症性結合組織内を穿通していたためであった。

 

2)歯根表面セメント質へのバイオフィルム形成

 

一方,垂直破折後に長期間を経過した歯を抜去してSEMで観察した研究では,

破折線周囲にバイオフィルムの形成が認められる症例が多かった.

歯周炎では骨欠損内に露出する根面の大部分がプラークで覆われているが,

垂直歯根破折では破折線周囲に限局されていた。しかし,歯根表面に

バイオフィルムが形成されれば,その部位の歯根膜も失うことになる。

これらのことから,垂直歯根破折は,細菌感染が根管や破折間隙に限局

していれば,細菌を除去して破折間隙を封鎖することによって炎症は消失し,

骨欠損は修復される可能性がある。

しかし,破折してから時間が経過した症例では

歯根表面の細菌を除去する必要があり,

また炎症は消失させることができても,

歯根膜が失われていれば術後に深い歯周ポケットが

残存する危険性が高くなると考えられる。

 

 

◆ 垂直歯根破折の予後

 

垂直歯根破折の多くは強い衝撃でなく疲労性に破折することが多く,

初期には自発痛や腫脹は少なく,軽度咬合痛や根尖部の違和感に始まり,

炎症が拡大するとプロービングデプスが深くなっていく。

プロービングデプスが限局的に1カ所のみ深くなることが大きな特徴で

あるが,根尖部から破折した症例では,炎症が歯頸部まで拡大

しなければプロービングデプスは深くならないので,

プロービングデプスが深くなった時には炎症が広い範囲に拡大していることが多い。

 

垂直歯根破折の治療成績は,骨欠損状態や歯根の分離状態,

負荷される咬合力などさまざまな要因が予後に影響すると考えらえる

プロービングデプスが3mm以下で,骨吸収が見られなかった

症例に対して,根管内から治療を行った症例では,

10年後の生存率が90%を超えていたが,

プロービングデプスが7mm以上で,歯頸部から根尖部まで

骨欠損が生じている症例では2年以内に70%の歯が抜歯となる。

 

また,最後方の咬合接触歯は他の歯に比較して予後が悪いこと

なども明らかで、このことは大臼歯部へのインプラント埋入が

不可能な症例で小臼歯部インプラントには

大臼歯インプラントと同様の咬合力がかかることから、

歯列内で最後方に位置するインプラントには

充分な負担能力を有するインプラント体の適用が必要と

考えられていることと符合する。

 

したがって,歯周組織の喪失状態や負荷される咬合力を十分に

検討して治療の可否を決めることが大切と考えられる。

また、これまでの疫学研究において、睡眠時ブラキシズムと

垂直歯根破折の直接的な関連は明確には結論づけられてはいないものの、

日常臨床ではブラキシズムに代表される過剰な咬合負担が

垂直歯根破折の発症の誘因と推察される症例も多く見受けられる。

よって、垂直歯根破折への対応の一環として、ナイトガードの

装着などにより応力の分散に配慮が必要と考えられる。

 

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

 

IOS(口腔内スキャナー)について

こんにちは。歯科医師の柏谷です。

最近IOSという新しい機械が導入されました。

そこで今回はIOSについて書いていきます。

IOSとは「Intra Oral Scanner」の略で、

日本語では「口腔内スキャナー」といいます。

歯医者で型取りをされた方は多くいらっしゃると思いますが、

なかなか嫌な気持ちになられてる人がほとんどだと思います。

そこで少しでも楽になってもらいたいと

院長は思われてると勝手な予想ですが、購入されました。

今までは、歯科医院でセラミックのかぶせ物を作る時は、

粘土のようなアルジネートかシリコンという材料を

印象トレーに盛り、それを口の中で歯に押しつけて型をとっていました。
この方法は、口の中で3~5分間保持する必要があり、

これを苦手とする人が多く、歯医者が嫌な原因の一つとなっていました。
印象材にはにおいや味があるため、不快感を覚えたり、

嘔吐反射を起こしてしまったりする患者様もいらっしゃいます。

ところが、IOS(口腔内スキャナー)を使用した場合、

従来の方法とは全く異なり、粘土のようなあの材料は

全く使わず型がとれます。

方法は、口の中に小型カメラのようなものを入れて、歯の撮影を行います。

しかも、撮影だけなので、あの不快感や嘔吐反射がありません。

いたって簡単に型取りは終わります。

その後、数分でコンピュータ上で模型の確認ができます。

従来、粘土みたいな物でとった型に、石膏を流し込み模型を作り、

その模型に合うように歯科技工士が手作業でかぶせ物を作っていました。

IOSは、撮影した画像をコンピュータ上で3Dの模型にします。

それに合わせてコンピューター上でかぶせ物を設計し、

CADCAMという技術を使って機械がかぶせ物を削りだして作ります。

石膏や粘土のような材料のように寸法変形もほぼありませんので、

かぶせ物の精度が抜群に良くなります。

治療の際に口腔内スキャナーを使うと、次のようなメリットが得られます。

患者様の負担を減らすことができる
治療の精度向上につながる
人的ミスが削減できる

いずれも患者様の満足度や歯科医院としての質を高めるために

重要なメリットです。自分も何回か試しましたが、格段に型取りより楽と感じています。

タニダ歯科では虫歯にならないことを目指して予防にも力を入れてますが

虫歯になってしまったとしても痛くない、

不快感を少しでも減らせればいいと院長を始め、

スタッフ全員が思っていますので歯が気になられた方はお気軽にご連絡ください。

補綴方法

こんにちは、川村です。
急に寒くなったり続きますが体調に気をつけてください。
 
今回は、補綴の方法(歯を抜いたあとの)についてです。
 
先ず、どうして歯を抜いた後に何かしら治療しなくてはいけないのでしょうか。
・咬みあわせが少なくなるので咬みにくくなるから
・歯を抜いた反対側の歯が浮いてくるから(挺出してくる)
・歯を抜いた隣の歯が傾いてくるから(傾斜してくる)
・前歯の場合、見た目があるから
と、簡単に書くとこれくらいあります。
 
次に、どうやって治療していくかです。
はじめに大きく分けると、保険診療の方法と自費診療の方法があります。(材料
の種類は不問)
自費診療の方法については、インプラント治療のことになります。
今回は、保険診療のことについてです。
 
保険診療で出来ることとは、ブリッジと義歯になります。
ブリッジとは、真ん中に歯がなくなってしまった場合に、両端の歯を支えにして
橋渡しをするような感じにするものです。(特別に認められているブリッジは構
成が違います)
歯科用のセメントでつけるので、固定式のものになります。
最大の欠点としては、支えとなる歯を必要とするので歯を削らなくてはいけない
ということです。
支えとなる歯が平行でないと、ブリッジを入れるときに引っかかってしまうため、
平行にするために歯を削る量が多くなります。
神経を抜いてある歯は、削っても歯自体の痛みはありません。
しかし、神経が残っている歯を削るときは注意が必要です。
削ったら削った分だけ神経までの距離が短くなるので、ある程度削ると神経が反
応してしまいます。
つまり、しみてきたり、ひどいときにはズキズキしてきたりします。
そのため、ブリッジの支台にするために歯を削ったことが原因で神経を取ってし
まう可能性があるということです。(虫歯がひどくなってしまったわけではない
のに)
また、ブリッジの設計に依れば(保険で認められている設計)、支台となる歯が
両端1本ずつではない可能性があります。
また、ブリッジの支えとなる歯に関しては、力がかかる(歯がないところの力の
負担をしなくてはいけない)ので、揺れが大きくなっていたり、弱っていたりし
てると歯の支えとしては使えず、ブリッジができない可能性もあります。
 

 
もう一つの方法は、義歯です。
一般的に言う入れ歯です。
ブリッジとの違いは、着脱式ということです。
つまり、取ったり、着けたりしなくてはいけないということです。
また、ブリッジに比べると歯の削る量が圧倒的に少ないということです。
今ある歯に金属の金具を引っかけるので、歯を全周削って小さくする必要があり
ません。ただし、全く歯を削らなくて済むかというと、そうではありません。
義歯の形態上、歯の咬む面のところや歯と歯の間の所に金属の金具が通ります。
上と下の歯を咬み合わせたときに、金属の金具が入る隙間が必要になってきます。
隙間がないと、金属の金具を通すことは勿論できません。
そのため、隙間を作るために少しだけ削って調整する可能性があります。

いずれの方法にしても、型を取らないといけないので、歯肉の治りを待つ必要が
あります。どちらの方法も利点欠点があります。抜歯した後、1か月程度はかか
りますので、それまでに治療の時間をとって時間があるときに話を聞いて、どの
方法にするのか検討してみてください。

10代に異変多数!顔のゆがみは口の中に原因が⁉


 
こんにちは。院長の谷田です。
2月28日は日本で初めてビスケットが作られたことから
「ビスケットの日」とされています。
 
ビスケットの歴史は古く、古代ヨーロッパ人が航海に携えた硬い保存食が起源と言われています。
 
現代では広く親しまれているビスケットですが、
最近、若い世代ではこのような硬い食べものよりも、
柔らかい食べものの方が好まれる傾向にあります。
 
そして、この傾向が身体の発達に深く関わる問題として注目されています。
 
 
◆高齢者よりも深刻!10代の「食べる力」
 
近年、若い世代を中心に
「硬い食べもの離れ」が進んでいます。
 
これは、10代のお口の機能の発達に
深刻な影響が及んでいることを暗に示しています。
 
日本歯科医師会の調査によると、
10代の2人に1人が食事中にあごの疲れを感じており、
その割合は70代の2.7倍に及ぶことがわかりました。
 
同調査ではほかにも、若い人の間で
「滑舌が悪い」「食べこぼしが多い」といった症状も多数報告されており、
10代の「食べる力」の低下が大きな問題となっています。
 

 
これらの症状は「口腔機能発達不全症」として、
近年歯科医療の現場でも重要視されています。
 
 
◆顔つきや発音にも影響?
 「口腔機能発達不全症」とは
 
口腔機能発達不全症は、
2018年に新しく保険適用となった病名で、
18歳未満の子どもに見られる、口腔機能の発達の遅れを示しています。
 
「食べる」「話す」「呼吸する」といった日常の動作は、
噛む筋肉やあごの骨の発達にも深く関わっています。
 
これらの機能が十分に発達しないまま放置すると、
筋肉やあごの正常な発育が妨げられ、次のような問題を招いてしまうおそれがあります。
 
・歯並びやかみ合わせが悪くなる
・顔の形にゆがみが生じる
・発音が不明瞭(滑舌が悪い)
・鼻腔や気道が狭くなり、呼吸がしづらくなる
・噛む力の低下により、成長期に必要な栄養が不足する
 

 
◆早期の対応が重要!今すぐチェック!
 
口腔機能発達不全症は
早い段階での気づきと適切なケアにより、
多くの場合で改善が期待できる病気です。
 
一方で、「食べこぼし」「ゆっくり食べる習慣」など、
その兆候は子育ての日常でよく見られるものも多く、
そのまま見過ごされてしまうことも少なくありません。
 

 
口腔機能発達不全症は、
「食べる」「話す」「その他(体格など)」の各項目のチェックリストにより診断されます。
 
以下に基準の一部を記載しますので、
これらをはじめ、お口の機能に不安がある場合は、お早めに当院までご相談ください。
 
□咀しゃく時間が長すぎる(または短すぎる)
□食事の量や回数が多すぎる
(または少なすぎる、ムラがある)
□「カ・サ・タ・ナ・ラ」行がうまく発音できない
□いつも口を開けて息をしている
□睡眠時のいびきがある
 
タニダ歯科医院
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