タニダ歯科医院について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

子供の虫歯の発生、その仕組み、予防法

こんにちは。歯科医師の森岡です。

今回は子供の虫歯の発生、その仕組み、また予防法についてお話します。

最初に、3歳までに子供を虫歯菌から守るとその子は一生虫歯にならないかもしれません。

そもそも虫歯は再発が多く、

一度虫歯になってしまうと何度も治療を繰り返さないといけなくなるかもしれません。

そうなってしまうと歯の寿命も短くなり本当に注意が必要です。

今回のブログでお子さんを虫歯から守るために

子供の虫歯についてしっかり知ってください。

 

虫歯予防において歯磨きはすごく大切ですが、それより前にできることがあります。

まずは虫歯の成り立ちについてお話します。

虫歯というのは歯と糖質(虫歯菌のエサですね)、虫歯菌と時間、

この4つの要因が重なると虫歯になると言われています。

つまりこの4つのうち1つが足りなくなっても虫歯はできません。

例えば歯にただ糖質が付着し続けていてもそこに虫歯はできません。

そこに虫歯菌がいて歯を溶かすことで虫歯になってしまうのです。

また糖質が1秒くっついただけでは虫歯はできません。

先述した通りこの4つのうちどれか1つを防ぎことで虫歯は予防できるのです。

 

次に虫歯菌はどこからやってくるのでしょう。

これは皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、

周囲の大人や虫歯菌を保有している兄姉などから移ります。

その経路としては、

食器の共有や愛情表現のスキンシップである頬擦りやキスなどによって感染します。

 

虫歯菌は硬い組織に潜む傾向にあります。

お子さんのお口の中に虫歯菌が入ってきてもそこに歯がなければ虫歯菌は定着できません。

乳臼歯と言われる乳歯の奥歯が生え始めるのが2歳前後から3歳ぐらいです。

この奥歯に虫歯菌は定着しやすのです。

この時期の虫歯菌の定着が肝で、虫歯の感染の窓と呼ばれる時期となります。

この時に虫歯菌の定着がなければ、一生虫歯になりにくいお口になると考えられています。

 

 

大切なのは最初の虫歯にならないことです。

そのためには家族の虫歯菌を減らす(お家での歯ブラシの徹底と歯医者でのクリーニング)、

食器の共有などはできるだけ控えてください。

1度虫歯になってしまうと虫歯の負のスパイラルに入ってしまうと

結果的には歯を失う原因となってしまうことが多くなります。

虫歯の1番の予防は間違いなく最初の虫歯を作らないことです。

まずはこれを意識してください。

 

ただ3歳以降に虫歯になっていしまったとき、

まだあきらめないでください。

3歳以降では永久歯の萌出までにダラダラ食べの習慣を改善し、

歯のクリーニングやフッ素などで虫歯予防の環境を作っていきましょう。

その環境づくりが永久歯虫歯ゼロにつながっていることは間違いありません。

 

酸蝕症

こんにちは、歯科医師の池田です。

 

今回は「酸蝕症」をご紹介しようと思います。

 

虫歯や歯周病に続く第三の歯の疾患として

「酸蝕症」が最近注目を集めています。

 

虫歯は、食べ物や飲み物に含まれる糖を

虫歯の原因菌が分解することで酸が発生し、

それによって歯が溶ける病気です。

これに対して「酸蝕症」は、酸性の強い食べ物を

摂り続けることや胃酸によって歯が溶けてしまうものです。

つまり、「酸蝕症」は虫歯菌などの原因になる

細菌がいなくても生じるため、丁寧に歯を磨いても

歯が溶けていくという特徴があります。

 

「酸蝕症」の歯の特徴は、

①知覚過敏を起こして冷たいものがしみやすい

②歯全体が丸みを帯びる

③歯の表面のエナメル質が濁って見えたり、内部の象牙質が透けて見えたりする

④前歯の表面がスベスベしてツヤがある

⑤前歯の先端部分が透けており、ヒビが入ったり、欠けたり、ザラついたりする

⑥酸蝕により奥歯のすり減りが加速し、深い溝やへこみがみられる

などがあります。

 

「酸蝕症」の原因は、体内から口の中に酸が出てくる

内因性のもの、酸性度の高い飲食物を口にするなどの

ものの2つに分けられます。
内因性の原因としては、胃食道逆流症や摂食障害

(過食症、拒食嘔吐)、

アルコール依存性などがあります。
また、外因性の原因としては、酸性度の高い飲食物や医薬品、

サプリメントなどの過剰摂取が考えられます。

「酸蝕症」を起こしやすい物は
①みかんやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の果物や

果汁からつくられたジュース、梅干し、サラダドレッシング
②ビタミンCなどを含む酸性のビタミン剤やサプリメント
③アスピリンなどの酸性薬剤
④炭酸飲料、黒酢、栄養ドリンク、ワイン、スポーツ飲料
⑤塩酸や硫酸、硝酸など酸性のガスが発生する工場で働く方々やワインの試飲をされているワインティスターの方々などにもみられます。

 

「酸蝕症」を防ぐためには、
①酸性の飲食物を口にした後は水で口をゆすぐ
②酸性飲食物をだらだら食べたり飲んだりしない
③寝る前には酸性の飲食物を控える

(就寝中は唾液の分泌が少なくなり、口のなかのpHが

中性に戻りにくくなります)
といった対策が必要です。

最近は残存歯の増加があるため、長年の酷使によって

年齢を重ねるほど傷み、酸蝕の影響をうけやすくなっています。
なかでも口が乾きやすいという方は、歯を守る唾液の力が

十分に働かなくなり、「酸蝕症」を発症する可能性が

高くなると考えられます。

「酸蝕症」によって溶けた歯は元には戻りません。
冷たいものなどでしみやすくなったり、

虫歯になりやすくなることもあります。
歯磨き粉の薬用成分などで歯を強くすることもできるため、

気になる方はぜひ相談してくださいね。

 

あなたはいくつ当てはまる?むし歯を作る4要素

 

こんにちは。院長の谷田です。
11月は子どもの着物姿が微笑ましい
七五三がありますね。

 

七五三に食べる千歳飴は、
「長寿を連想させる縁起物」として知られています。
飴は引っ張るとどこまでも伸ばせることから、
「細く長く、いつまでも健康で長生きしてほしい」
という、子どもへの願いが込められているそうです。

 

飴といえば、皆さんは
「ちょっとだけなら」「口寂しいから」と
キャンディやキャラメルなどを
間食の代わりに食べることはありますか?

 

もし心当たりがある場合は、
通常よりも「むし歯リスクが高い状態」
ですので、要注意です!

 

 

 

 

◆ひとつでも当てはまったら要注意!

 

「甘いものばかり食べているとむし歯になりやすい」
という話を聞いたことがあるかもしれませんが、
実際にむし歯が発症するのは、
(1)細菌
(2)糖分
(3)歯質
(4)時間

これら4つの要因が揃ったとき。

 

つまり、
甘いもの(糖分)を控えるだけでは
むし歯予防としては不十分なのです。

 

より確実に予防効果を高めるためには、
4つの要因すべてを意識することが、
とても重要になってきます。

 

 

 

 

◆要因1.細菌
プラークは細菌の塊です!

 

私たちのお口の中には、
さまざまな種類の細菌が存在しています。

 

それらの菌の中には
むし歯の原因になるものも含まれており、
もっとも有名なのが
『ミュータンス菌』という細菌です。

 

よく『むし歯菌』と言われるのもこの細菌で、
「お口に残った食べかす」などに入り込んで
増殖します。

 

このときに出す
「ネバネバとした物質」が歯に付着して
プラーク(歯垢)になります。

 

そう、プラークとは単なる食べかすではなく
『細菌の塊』なのです。

 

 

 

ミュータンス菌を減らすために大切なこと。
それは、お口の中を清潔に保つことです。

 

丁寧なブラッシングでプラークを除去し、
ミュータンス菌が増えないようにしましょう!

 

 

 

 

◆要因2.糖分
むし歯菌も甘いものが大好き!

 

ミュータンス菌は増殖する際、
『糖分』を餌に増殖します。

 

実はこのとき、ミュータンス菌は
『酸』を作って吐き出しますが、
この酸によって
歯の表面が溶かされてしまう状態
むし歯なのです。

 

 

疲れているときや、お菓子が大好きな方は
ついつい甘いものを食べてしまいがちですが、
砂糖が多く含まれる
「キャンディ」「ケーキ」
むし歯になりやすいため要注意です。

 

おやつには、砂糖が使われていない
「おせんべい」「クラッカー」といった、
糖分が少なく、お口の中に
残りにくいもの
がおすすめ
です。

 

 

 

 

 

◆要因3.歯質
子どもの歯を強い歯に!

 

「むし歯になりやすいかどうか」
人によって異なります。

 

「磨かなくてもむし歯になりにくい人」や、
反対に「丁寧にケアしているのにむし歯になる人」。

 

この違いが生まれる要因のひとつが
『歯質』です。

 

 

歯質は「遺伝によるもの」や、
「お母さんのお腹の中にいたときの栄養状態」
が関係している、といわれています。

 

しかし、
「カルシウム」や「ビタミン」などの栄養
乳幼児期からバランスよく摂ることで、
将来作られる永久歯の歯質
強くすることができます。

 

 

 

 

◆要因4.時間
『間食』は『むし歯のもと』!

 

歯は食事のたびに、
むし歯菌によって溶かされる
『脱灰(だっかい)』という現象と、
だ液によって修復される
『再石灰化(さいせっかいか)』
という現象を繰り返しています。

 

 

ところが、
食後の歯みがきが不十分だったり、
間食が増えたりすると、
「むし歯菌が活発な時間」が長くなります。

 

すると、いずれ修復が間に合わなくなり、
むし歯になってしまうのです。

 

食後にしっかりと歯を磨き、
間食を控える
ことは、歯を守る大切な条件。

 

 

特に、「乳歯」や「生えたばかりの永久歯」は
歯質が弱く、むし歯になりやすいので
注意深くケアしましょう。

 

 

 

 

しかし、セルフケアにも限界があり、
どれだけ丁寧に行っていても、
磨き残しむし歯ができることもあります。

 

そこで重要なのが
数か月に1度の定期検診です。

 

定期検診では、
歯みがきでは取れないプラークの除去や
むし歯のチェックを行います。

 

皆さんの歯を守っていくためにも、
定期的なご来院をお待ちしております。

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
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歯を守るための力のコントロール Ⅹ

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ メカニカルロード

 

咬合構成を的確に行ううえでの構成基準は、

残存組織保全の見地から適正な力のコントールを図り、

力学的負荷(メカニカルロード)を顎口腔系の局所に

集中させることなく均等に配分することが大切です。

つまり、左右の顎関節と筋群、更にガイドする歯列に

メカニカルロードの集中する部位を生じさせない

構成が望ましいのです。

 

  • 側方ガイドの方向

 

偏心位ガイドの方向で大きな問題になるのは

前歯部ガイドではなく側方ガイドです。

側方ガイドの方向が顎関節の機能と調和していないと、

ブラキシズムや硬い食品の長時間咀嚼により、作業側の

顎関節がダメージを受け、外側靭帯や関節円板、顆頭や

下顎窩、関節結節にまで障害をもたらします。

 

この側方ガイドの方向は、生理的な側方運動経路と

調和させ、後方へのブレーシングイコライザー

(lateral protrusive tooth guidance M型ガイド)を

必ず付与し、前方へのブレーシングイコライザー

(lateral retrusive tooth guidance D型ガイド)も可能な

範囲で付与することが望ましく、これにより作業側顎関節

へのメカニカルストレスを最小限に抑制することができます

 

M型ガイドは、上顎犬歯舌面の近心にある前方へ向いた面と

下顎犬歯の遠心に向いた面で誘導する側方ガイドであり

下顎を後方へ押し込むことはありません。

 

しかし、下顎を後方へ押し込むことはないが、作業側顆頭を

前方へ引き出し、咬頭干渉が生じる可能性があります。

 

 

D型ガイドは、この逆で下顎を後方へ押し込む形になるので

顎関節に障害を起こしやすいガイドです。

 

 

M型+D型ガイドは、側方ガイドの経路が3種のなかで

最も安定していて、下顎を後方へ押し込むことなく安全です。

 

 

 

  • グループファンクション

 

近年、顎口腔系の特性が様々な角度から究明されており

顎口腔系の機能と調和させてグループファンクションを

構成することが、極めて困難であることが明らかになりました。

 

作業側顆頭の最大噛みしめ時の移動量は、軽く噛み合わせて

側方運動を行った時の作業側顆頭の移動量(平均0.7mm)の

2倍~3倍程度に増大します。そのため、軽く噛み合わせて

側方運動を行った際に作業側で犬歯から第2大臼歯までが均等に

ガイドしているグループファンクションでは、睡眠時の

パラファンクションとしてのグラインディング時には、顎関節に

近接する後方歯ほど著しく大きくゆさぶられ、最後方臼歯の

粉砕咬頭である上下顎第2大臼歯の頬側咬頭の双方に力学的負荷

が大きく加わる。このうち下顎の頬側咬頭は機能咬頭であるため

加わった負荷が支持組織の比較的広い範囲に分散し、歯冠の破折

や咬合性外傷による歯周組織の破壊にまで至らないことが多い。

一方、上顎の頬側咬頭は非機能咬頭であるため、加わった負荷が

頬側部分に集中し、歯冠の破折や歯周組織の破壊を招きやすい。

このようにグループファンクションは決して理想的な側方ガイド

の様相ではなく、残存組織保全の観点から少なくとも大臼歯部では

ディスクルージョンとし、犬歯誘導に近づけることが得策です。

 

 

  • 側方運動における犬歯誘導の有利性

 

ⅰ 後方へのブレーシングイコライザー

(lateral protrusive tooth guidance M型咬合)の構成に

適した歯冠形態を備えており、顎機能と調和した

側方ガイドの方向を的確に設定できる。

ⅱ 歯冠が長く、側方ガイドに適している

ⅲ 歯根が長く、力の分散に有利である

ⅳ 歯根が太く、力の分散に有利である

ⅴ 歯根膜感覚受容器メカノレセプターに富み、優れた

センサーとして高い顎位コントロール能を備えている

ⅵ 周囲骨が緻密で、高い支持能力を備えている

ⅶ 垂直被蓋が4mm程度で大きく側方ガイドに適している

ⅷ 側方運動時に必要な直線的誘導接触を

最も与えやすい舌面形態を備えており、

臼歯群の適正なディスクルージョン量の設定にも有効

ⅸ 正中に近く左右の顎関節にほぼ均等に機能圧を配分できる

ため、側方で噛みしめた際の下顎骨のたわみを

可及的に抑制できる

Ⅹ 顎関節と閉口筋に対する側方ガイド部の位置関係が

Ⅲ級テコであるため、同じ力で噛みしめながら側豪運動を

行ったとしても、犬歯誘導では第1大臼歯でガイドさせた

場合と比較して1/5以下の力でガイドでき力学的に極めて有利

 

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。