2021/08/04
こんにちは。院長の谷田です。
暑い日が続きますが、
皆さまいかがお過ごしですか?
日本では毎年、夏から秋にかけて、
台風や大雨が多く発生します。
今年もすでに各地で被害が発生しており、
被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。
災害時には、
停電・断水・用品の不足などで、
お口のことは後回しにしがち。
しかし、
お口の中を清潔に保つことは、
非常時だからこそ、とても大切なのです。
もし、お口の清潔を保つことができずに
細菌が増殖してしまうと、
さまざまな感染症や誤嚥性肺炎といった
身体全体に関わる大きなトラブルを招く危険
もあります。
そこで今回は、
いつどこで起こるかわからない災害時における
事前の備えや、お口のケアについてお話します。
◆事前に準備しておくとよいもの
・歯ブラシ
・洗口液
・ウェットティッシュ
・ティッシュペーパー
最低限、上記のものを
防災グッズに含めておきましょう!
他にも、
歯間ブラシやデンタルフロス、
キシリトールガムやシュガーレスガムも
準備しておくと役に立ちます。
また、入れ歯を使用されている方は
入れ歯ケース、入れ歯洗浄剤も
忘れないようにご注意を!
◆おぼえておこう!
災害時オーラルケアのススメ
●歯ブラシがない場合
せめてうがいをするだけでも
洗浄・殺菌効果があります。
30ml程度の水かお茶を使い、
一気に水を含まずに、2~3回に分けて
しっかりとブクブクうがいをしましょう。
●歯ブラシはあっても水が少ない場合
30ml程度の水をコップに用意。
その水で歯ブラシを濡らしてから歯みがきします。
歯ブラシが汚れてきたら
ウェットティッシュやティッシュペーパーなどで
汚れをよく拭き取って、また歯みがき。
これを繰り返したら、
最後に2~3回ブクブクとうがいをします。
●水も歯ブラシもない場合
ウェットティッシュや
ティッシュペーパーで歯をぬぐい、
汚れを拭き取ります。
普通に歯を磨くよりも
当然ながら効果は少ないですが、
物資が揃うまではしばらく
この方法で耐えしのぎましょう…!
●入れ歯の方は特に気をつけて!
入れ歯ケースを忘れていたことで、
入れ歯を何日もお口の中に入れっぱなし
の状態で過ごしていると
細菌が非常に増殖します。
また、入れ歯が破損した場合、
そのまま使用すると、
口腔粘膜を痛める原因になります。
逆に「入れ歯を外しっぱなし」にしていると
歯ぐきが痩せてしまい、
入れ歯が合わなくなって使えなくなってしまう恐れも。
入れ歯ケースと洗浄剤は、
必ず忘れないようにしましょう。
◆水分不足=だ液不足にもご注意を!
だ液には、お口の中の汚れを
洗い流す働きがあります。
しかし、災害時には、強いストレスや、
水分摂取が少なくなることなどにより、
だ液の分泌が減ってしまいがちです。
マッサージしたり、
キシリトールガムやシュガーレスガムで
だ液の分泌を促すように意識してみてください。
今回は
災害時こそ疎かにできないお口のケアについて
ご紹介させていただきました。
万が一、災害に見舞われてしまった時には
今回お伝えした口腔ケアを、ぜひ実践していただき、
困ったことがあれば近くのお医者さんや
避難所の職員さんに相談するようにしましょう!
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE
2021/07/20
こんにちは。院長の谷田です。
当院ではテレスコープ(精密拡大鏡)を
全ての歯科医師、歯科衛生士が装着して診療を行っています。
正確な診断と治療を行うため
心臓血管外科や形成外科の手術に使う
倍率が3~10倍のテレスコープを使用しています。
当院ではテレスコープ無しの治療は考えられないほどの
必需品となっています。
インプラント手術はもとより、むし歯治療、歯周病治療、
外科処置と全ての処置で活用しております。
今後も患者様へ精密・正確な治療を提供してまいります。
タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
2021/07/15
こんにちは。歯科医師の法貴です。
今年は梅雨入りが早く毎日天気予報が傘マークで憂鬱な毎日でしたが、
もうすぐオリンピックも始まります。
新型コロナウイルスの猛威はまだ収まることがなく
無観客での開催となりますが、テレビの前から応援したいと思います。
骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)や
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)という疾患名を
聞いたことがある方も多いと思います。
しかしながら、実際にどのような方がARONJやMRONJを発症しやすいのか、
どのような薬を飲んでいるとリスクが
高くなるのかについて説明していきたいと思います。
まず初めにBRONJ、DRONJ、
ARONJならびにMRONJと何故呼び名がたくさんあるのかと言う事です。
ビスホスホネート製剤を使用する患者でBP製剤関連顎骨壊死の発症が
報告されこれをBRONJと呼んでいます。
次に抗RANKL抗体製剤であるデノスマブを使用する患者で
デノスマブ関連顎骨壊死が相次いで報告されこれをDRONJと呼んでいます。
そして、BRONJとDRONJを惹起する薬剤であるBP製剤とデノスマブは
共に骨吸収抑制薬に分類されることから、
これらをあわせてARONJと呼ばれるようになりました。
その後、骨吸収抑制薬や血管新生抑制薬を含めたさまざまな薬剤が
顎骨壊死を惹起する可能性が報告されている為、
これらを総称してMRONJと呼ぶようになりました。
MRONJを引き起こす薬にはどのようなものがあるのか?
現在科学的根拠を持って顎骨壊死を引き起こすとが
はっきりとわかっている薬剤は、BP製剤とデノスマブの2種類だけです。
具体的には薬剤は下記の画像を参照して頂ければと思います。
またMRONJに類似した疾患を引き起こす可能性がある薬剤として、
チロシンキナーゼ阻害薬、
モノクローナル抗体製剤(血管新生抑制薬、抗スクレロスチン抗体製剤、
抗CD20抗体製剤、並びに抗TNF−α抗体製剤など)、
m TOR阻害薬、融合タンパク質、免疫抑制剤(メトトレキサート、ステロイド製剤)
という薬剤が報告されています。
次回は発生頻度や症状について書きたいと思います。
お口の中で気になる事があればタニダ歯科医院までご相談下さい。
2021/07/08
こんにちは。訪問歯科医師の岩本です。
今回は薬についてのお話です。
訪問診療先では、
外来診療と同様に、
化膿するのを防ぐための抗菌薬や、
痛みを抑えるための鎮痛薬を
処方することがあります。
その時には、必ずお薬手帳を見せていただき、
こちらからの薬をお渡ししてよいかどうかの確認を行います。
訪問診療を希望されるようなご高齢の方の手帳には、
大抵、たくさんの薬の処方記録が
貼りつけられています。
お部屋の壁に吊られている日々の薬袋を見ると、
こちらから更にお渡しするのが申し訳なく思えるほどの
大量の錠剤が入っていることも少なくありません。
最近よく言われるようになった
「ポリファーマシー(多剤併用)」という言葉、
皆様も耳にされたことがあるのではないでしょうか。
「ポリファーマシー」とは、
「poly(複数)」+「pharmacy(調剤)」からなる言葉で、
多剤併用の中でも害をもたらすものを指します。
単に、服用する薬剤の種類や量が多いというだけでは
ポリファーマシーとは呼びません。
必要以上に多くの薬剤が投与されていることにより、
有害な事象のリスクが上がったり、
服薬の管理が困難になる、
服薬アドヒアランスが低下する、などの
問題を引き起こす可能性がある状態のことを指します。
ポリファーマシーについての明確な定義はありませんが、
5~6種類以上の薬剤が併用されている状態を表すことが一般的です。
この事態はどのようにして起こるのでしょうか。
寿命が延び、たくさんの疾患を抱えてしまった高齢者は、
複数の診療科を受診し、それぞれの診療科から薬を処方されます。
そしてそれら処方薬の副作用が現れると、
それを抑えるために新たに薬が追加されることもあります。
また、高齢者の中には認知機能が衰え、
きちんと服薬できない方もおられます。
もし処方した側が、このことに気づかず
「飲んでいるのに効果が表れない」と判断した場合、
さらに処方量が増え、過剰投与となる可能性があります。
現在では、これらの問題を解消するために、
・お薬手帳のさらなる活用
・飲み残しのチェックなど薬剤師による一括管理
・不必要な薬剤の減薬や中止
・高齢者にとって有害な薬剤の代替薬への変更
などが検討されています。
健康になるための薬のはずなのですが、
その副作用や相互作用のせいで、
食欲が無くなったり、
口が乾いて食べづらくなったり、
上手に飲み下せなくなったり、
といった摂食嚥下機能の障害が起き、
栄養がとれなくて衰えていくこともあります。
従って、歯科においても、
他科で処方されている薬の服用状況を正しく把握
しておくことは、非常に重要なのです。
訪問診療を受診される際は、お薬手帳のご準備をお願いいたします。