歯周病治療
歯ぐきの出血、口臭、ぐらくら。原因は歯周病
歯周病になってしまうと…
- 顎の骨を溶かして、歯が抜けてしまう
- 口臭の原因になる
加齢やむし歯が歯を失う原因と思われがちですが、現実は違います。46歳~55歳の方の歯が抜ける原因の約半分は、歯周病によるものです。
歯周病とは、歯茎の中にある歯槽骨(しそうこつ)という骨を溶かす病気です。歯槽骨がなくなると、乗っている歯も土台を失い抜け落ちてしまいます。
自覚症状がなく進行し、歯を脱落させる
自覚症状があるむし歯と違い、歯周病は気付かない間にゆっくり進行し、歯を根元から奪う危険な病気です。実際に、当院にむし歯の痛みで来院された患者さまの半数以上が軽度から重度の歯周病を患っています。日本の成人の80%以上が歯周病の何らかの段階に入ると言われています。
一度溶けた歯槽骨は元に戻せません。歯周病が顎の骨まで進行してしまうと外科的手術が必要になるとても厄介な病気です。歯の表面であれば悪いところを削って詰めて被せ物で補えますが、歯茎の下にある歯槽骨を削って詰めることはできません。条件によっては再生療法で溶けた歯を復活できますが、大きな費用と時間の負担がかかります。
口臭の原因は、歯周病菌
歯周病は、口臭の一番の原因になっています。本来、歯と歯ぐきは密着し、境目の深さは健全な状態で1~2mm程度です。ところが歯周病が進行すると歯ぐきが炎症を起こし、歯ぐきの密着を剥がして歯周ポケットといわれる深い溝を作ります。
一度歯周ポケットができてしまうと、ポケットに歯周病菌が繁殖しやすくなります。歯周病菌は代謝の過程でメチルメルカプタンや硫化水素(生ごみなどの匂い物質)を生成し、口臭の原因になるのです。
歯周病になったらどのように治すのか?
当院は2つの治療方法を合わせています
- 精密歯周ポケット清掃
- お薬で歯周病菌のコントロール
精密拡大治療が歯周病根治のカギ
歯周病の治療は、歯周ポケットに存在する歯周病菌をいかに減らすかがポイントです。テレスコープを使って徹底的な清掃をします。精密拡大治療でポケット内をチェックし、細かな歯石や汚染物質の取り残しを防ぎます。
重度の場合は歯周外科処置をする場合がありますが、縫合をする時に拡大治療であれば血管も見えるので、適切に処置できます。その結果、治癒が早く見た目もきれいになります。
お薬を使った除菌療法
歯周病を治療する上で一番大切な事は歯周病菌のコントロールです。当院では、お薬の服用で歯周病菌をコントロールする治療方法を提供しています。
従来は歯石の除去や歯周ポケットに溜まった汚れを除去しながら殺菌し、毎日のブラッシングで進行を止めることが一般的でした。当院では徹底した清掃に加え、お薬を併用して歯周病菌をコントロールすることで、歯周病根治と再発防止を目指しています。
効果的な除菌のために位相差顕微鏡で歯周病菌を特定
位相差顕微鏡を使ってお口の中の菌種類を特定し、患者さまの原因菌のタイプに合ったお薬を処方します。
菌種が分からないまま処方しても、効果がないばかりか副作用が現れてしまう場合もあるので、位相差顕微鏡でのチェックを行っています。
また、服用中は定期的に患部の細菌を採取し、顕微鏡の画像で細菌の活動の変化を確認して頂きながら治療を進めます。お薬を飲むだけの治療ですが、ご自分のお口の状態の変化がわかるためご好評を頂いています。服用するお薬や体調のことなどご不明な点があれば遠慮なくお問い合わせください。
毎日の予防はブラッシングと歯石除去が大切
歯周病予防のメンテナンスとして
- 歯周病の程度に合わせた歯石の除去
- 歯の表面のクリーニング
- 歯磨きのチェックと正しいブラッシング指導
- 患者さまに合った歯ブラシ、歯間ブラシのご提案
を行っています。
歯周病予防に大切なお手入れは毎日のブラッシングです。毎日している歯磨きは、磨いているのと磨けているのでは大きく意味が変わってきます。
正しい磨き方は予防効果が高まりますが、我流のブラッシングは利き手や磨き癖で常に同じ箇所が汚れを落としきれません。
また、歯石も歯周病菌の大好物です。通常、歯の表面はツルツルですが、歯石がつくとザラつき、汚れを溜める原因になります。歯石の除去も歯周病予防に重要ですが、残念ながらご自宅で取り除くことはできません。正しい磨き方を知り、プロの手による歯石の除去のためにも、当院では3~4ヶ月に一度のメンテナンスをお勧めしています。
チェックシート:こんな症状はありませんか?
- 歯石が溜まっている
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯茎がむずがゆく歯が浮いた感じがする
- 歯を磨くと出血する
- 朝起きたとき口の中がネバネバする
- 口臭が気になる
- 噛み合わせが変わってきた気がする
- 歯茎が下がって歯が長くなった気がする
- 歯と歯の間によく食べ物が挟まる
- 冷たい水がしみる
- 歯が動いている